「営業支援だけでは、本当の意味で中小企業の力になれない」
そんなジレンマを抱えていた清水が選んだのは、eiiconでイノベーションアドバイザーとして、中小企業を中心に“新規事業創出支援”をするという新しい挑戦。オープンイノベーションプラットフォーム『AUBA』を活用し、企業の「事業そのものを強くする」―。中小企業に深く向き合い、共に未来をつくる仕事のリアルを聞きました。
清水晴紀 プロフィール
大学卒業後、自動車業界、経営支援事業会社にてセールスやマーケティング支援などを行う。前職では中小から大手まで200社以上の営業支援に携わり、同社でIPOを経験。
eiiconに参画後、事業成長における経営課題を本質的に解決するため、Innovation Advisorとして『AUBA』活用によるオープンイノベーション実践の伴走支援を行う。
2024年、国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構が認定するNEDO SSA アソシエイトとして登録。
営業支援だけでは届かない、本質的な支援を求めてeiiconへ
――入社前はどんなお仕事をされていたのでしょうか?転職に至った背景も教えてください。
前職では中小企業向けの経営支援を行う会社に勤務し、営業やマーケティング支援を中心に、売上向上のためのアドバイスや戦略立案、実行支援を担当していました。ただ、中小企業の営業支援に携わる中で、どうしても拭いきれないモヤモヤ感があったのです。
――そのモヤモヤ感とは?
多くの中小企業は、競合と差別化できる強いサービスを作ることに苦戦しているケースが多いんです。そのため、売上向上や営業力の強化では顧客の本質的な事業成長に寄与できないと感じる場面が増えていきました。サービス自体を強化しなければ生き残れない――そんな思いが強まり「新規事業創出の支援に携わりたい」と考えるようになりました。
そんなときに出会ったのがeiiconです。eiiconでは新規事業の立ち上げ支援に携われますし、自分が今までに経験してきた中小企業向けの泥臭い支援のノウハウが活かせると考え、入社を決めました。
――そんな中で、eiiconへ入社する決め手となったのは?
私は目の前の困っている経営者に、本質的な支援やサポートができる存在になりたいと思っています。その想いの中で、eiiconなら自分の得意分野である中小企業支援というフィールドに身を置きつつ、これまで経験のなかった新規事業支援のノウハウを得られると感じました。
中小企業の共創事業立ち上げに伴走する、イノベーションアドバイザーの視点
――現在、担当されているイノベーションアドバイザー(Innovation Advisor)の仕事内容について教えてください。
私たちの部署では『AUBA』というオープンイノベーションプラットフォームと、イノベーションアドバイザーという人の力を掛け合わせて、中小企業の新規事業創出やその基盤づくりを支援しています。
私たちの役割は、『AUBA』を活用して共創による新規事業の立ち上げを支援することです。
特に重視しているのが、パートナー探索の前段階の戦略づくり。企業が本当に取り組みたいことや解決すべき課題を整理してからパートナー探索を始めるため、出会いの質が上がり、より事業化に至る確度を高められます。ここが同業他社との大きな違いだと感じています。
――担当する業界や支援のスタイルに特徴はあるのでしょうか。
老舗の製造業から最先端のスタートアップまで、業界を問わず幅広く担当しています。一人のアドバイザーが数十社を受け持ち、1年の契約期間で最低1件の事業化を目指すことが、私たちのサービスコンセプトです。支援はオンラインが基本ですが、必要に応じて対面での対応も行っていますね。
――この仕事で一番気持ちが高まるのはどんなときですか。
担当するお客様の中には、新規事業に挑戦した経験がない中小企業の経営者も多くいらっしゃいます。そうした企業から実際に成果が生まれた瞬間は、もちろん嬉しいです。でもそれ以上に嬉しいのは、経営者のマインドが変化していく瞬間に立ち会えたとき。少しおこがましい言い方かもしれませんが、そこに一番やりがいを感じます。
――それは、どういった変化なのでしょうか。
最初は新しいチャレンジをネガティブに捉えていた方が、パートナー企業との出会いをきっかけに、ポジティブなマインドになったり、視座が高まったりする。その変化が見て取れると、本当に嬉しいですね。
――清水さんが手がけてこられた中で、印象に残っている支援事例があればお伺いしたいです。
特殊な溶剤を開発する中小企業様の支援に携わっているのですが、サービス導入前は、営業販路開拓、つまり目先の売上を伸ばしたいというニーズが中心でした。
より本質的な自社課題を特定したうえで「競合他社に勝てるような新サービスの確立や、コスト提案でなく市場インパクトを意識した技術アピール」など、新規事業に取り組む重要性やポイントをお伝えしました。
それをご理解いただいたうえでプロジェクトを開始したものの、当初は企業と商談してもなかなか共創に至らないということが続きました。
その要因を紐解いていくと、パートナー企業への提案内容が、相手との「共創」でなく自社視点のみになっていたり、どうしても目先の単発成果のみに偏ってしまっていました。パートナーにとっては「あえてその会社と組むメリット」が感じれていない状態です。そこで改めて上流から設計をし直しました。「オープンイノベーションを通して何を実現したいのか」「どんな課題を解決したいのか」を言語化し、出会うべき相手像の再設計や、どんな価値を語るべきかをブラッシュアップしていったのです。
その結果、大手企業との共創が決まりました。そのパートナーは、自社サービスの付加価値向上に取り組んでおられ、商業施設運営などを通した街づくりを進めておられる企業です。双方のビジョンや、互いにメリットのある事業計画のディスカッションを地道に繰り返した結果、類似の他社ではなく「その会社と提携する価値」を感じていただけたのです。
実証実験で成果がでれば、グループ企業への横展開も期待できます。単に自社製品の機能を伝えるのではなく、パートナー企業が目指す未来と、自社の強みを結び付けて語れたからこそ、この成果につなげられたと考えています。スタンスを見直し視座を高めることができたことで、大きな一歩を踏み出すきっかけになりました。
――まさに、経営者の意識が変わる瞬間だったわけですね。そうした場面に立ち会える一方、やはりIAの業務に難しさを感じることもあるのでは?
そうですね。入社当初は「オープンイノベーションと単純な受発注がどう線引きされているのか?」という点を理解することに苦戦しました。半年ぐらいは自分の中で整理がつかなかったと思います。
また、顧客ごとに業界や体制、オープンイノベーションへの習熟度も異なるため、ひとつとして同じやり方が通用しない点もこの業務の難しさですね。これらをどう克服していったかというと、やはり場数です。様々な顧客に相対する中で、自然と「こうなんだろうな」と解像度を上げることができた気がします。
強い志と高い視座を持って取り組めば、eiiconは必ず活躍できる会社
――入社してから約2年。eiiconでどのようなスキルが磨けたと感じていますか。
新規事業開発のノウハウを身につけられたことは大きいですね。それに加えて、幅広い業種の企業と向き合いながら、共創による新規事業の立ち上げを支援する経験ができました。ここまで多様な企業の事業開発に関われる環境は、なかなか他にはないと思います。
――社内のメンバーとの関わりの中で得られる刺激や学びについてはいかがですか。
メンバーのバックグラウンドは非常に多様で、支援系の企業で経験を積んだ人や、事業会社で新規事業開発に携わってきた人、さらには自治体出身のメンバーまでいます。それぞれに異なる視点や強みがあるので、ちょっとした会話からでも学びが多いです。
経歴はさまざまでも、目指す方向は共通しています。「オープンイノベーションという市場や文化をつくりたい」「本質的な企業の成長に貢献したい」といった価値観を共有しているからこそ、議論も深く前向きに進んでいきます。入社したばかりの頃は、eiiconのメンバーの真摯な姿勢に、軽くカルチャーショックを受けたほどでした(笑)
――恵まれた環境ですね!eiiconの「オープンイノベーション総合支援事業」の将来性については、どう見ていますか。
将来性は十分あると考えています。というのも、中小企業の経営者は新規事業の必要性を誰もが理解しているのですが、人手や資金、ノウハウ不足で「やりたくてもできない」状況です。そうした中、オープンイノベーションという手法は、パートナー企業のノウハウやリソースを活用しながら一緒に事業を作り上げるスタンス。この手法を使えば自社だけでは難しいことを、他社と協力して進めることができるんです。
特に私たちは、単なる偶発的な出会いに頼るのではなく、戦略的にオープンイノベーションを進めることを重要視しています。この考え方が中小企業に伝われば、どの企業にとっても大きなメリットになるでしょう。ですから、将来性は十分にありますし、私たちの手で市場を拡大させていきたいと思います。
――最後に、eiiconへの入社を検討している方にメッセージをお願いします!
スキルや経験よりも「本質的な支援をしたい」「社会に対してインパクトを与える事業のおサポートがしたい」といった志が重要だと思います。そういう視座を持った方であれば、必ず活躍できる会社です。志を共有できる方と一緒に新しい価値を創っていきたいと思います。
\カジュアル面談実施中!/
株式会社eiiconでは『すべての企業に「新規事業創出基盤」を埋め込む』というミッション実現に向けて共に爆走いただける仲間を積極募集中です。
「まずは話だけでも聞いてみたい」という方も是非お気軽にエントリーください。