1
/
5

ソーシャルコワーキングをアップデートし続けるために。拠点プロデュース部の役割とは

今回はATOMicaの共創拠点※1 の運営を支える、拠点プロデュース部の責任者を務める安里さんにインタビュー。大手広告代理店からジョブチェンジしたきっかけやATOMicaに転職してからの苦悩、拠点プロデュース部の立ち上げ背景や、求める人物像について詳しく伺いました。

※1 共創拠点とは
多様なパートナーが所有・占有する場にて、ATOMicaがプロデュース・運営をし、コミュニティマネージャーが常駐する施設

人物紹介|執行役員CPO(最高プロデュース責任者) 安里 喬泰郎(アサトキョウタロウ)

新卒で大手広告代理店にPRプランナー職として入社。商業施設、エンタメ、流通など50社以上のプロモーションに関わる。2021年より事業会社に出向し、広報として報道、株主総会などの業務に従事。創立100周年プロジェクトとしてグループ会社230社を対象にしたインナー施策と制作業務などを幅広く担当。2022年4月にATOMicaの共創コンサルチームに入社し、2023年5月から拠点プロデュース部の拠点運営責任者に着任、2024年4月よりCPO就任。

波長が合いそうな良い人。代表嶋田に抱いた第一印象とは

──過去の経歴を含めて自己紹介をお願いします。

ATOMicaでCPOを務める安里です。私は2017年に東急エージェンシーにPRプランナーとして新卒入社し、企業の商品をより多くの人に知ってもらうためのプランニング業務に従事しました。2021年に親会社である東急株式会社の広報部に異動し、以後1年間は広報職で勤務しました。ATOMicaには学生時代からの知人である代表の嶋田に誘われて転職して、間もなく2年が経とうとしています。

PRプランナー時代は商業施設や小売、エンタメ施設、大規模イベントや官公庁など、ありとあらゆる業態のPRに携わりました。親会社の広報職としては東急株式会社の100周年プロジェクトに関わり、グループ会社を対象としたインナー施策や制作業務の進行、そして鉄道会社としての企業広報業務など幅広く経験しました。

──嶋田さんとの出会いを教えてください

代表の嶋田とは大学3年生のときに参加したインターンで出会いました。当時参加したインターンは、企業に提示されたテーマに対してグループのメンバーで話し合って最終日にプレゼンをするもので、嶋田とは同じグループだったんです。3日間の短い期間のインターンでしたが、企業が用意してくれた近隣のビジネスホテルに皆で泊まりこんで、最終日のプレゼンに向けて徹夜で議論をしたんですよね。

嶋田の第一印象は「本質的なところをついてくる人」。彼はかっこつけた横文字を使わず、中学生でもわかるような平易な言葉で、冷静に議論ができるタイプという印象でしたね。また、インターンには早稲田や慶応大学などの私大出身者が多くいる中で、嶋田と私だけ国立大出身という共通点があり、はじめから「波長が合いそうだな」と親近感を抱いていました。

その後、お互いに別々の会社に就職をしてからは、たまに飲み会で顔を合わせる程度でした。しかし社会人3年目に入った頃に突然「一緒に働かない?」という旨の連絡が来たんです。


当時のメッセンジャーのやり取り

メッセンジャーの内容を見ると丁寧語を使っていてちょっと距離感がありますよね(笑)。でもメッセージの内容は「ATOMicaって会社やるから入らない?」というド直球なもの。彼に対してずっと好印象を持っていたこともあり、すぐに2人で会う約束をしました。赤坂のカフェで一緒に朝食を食べながら会社の話を聞いたのを今でも覚えています。

嶋田からの誘いはとても嬉しかったし一緒に働いてみたいと思った一方で、その時はPRプランナーの仕事がめちゃくちゃ楽しいタイミングだったんですよね。自分でできる仕事が増えてきた時期でしたし。悩んだ結果、正社員での転職は難しいと断ることになりました。

変化・スピードのある環境に飛び込みたいと感じて転職を決意

──入社に至るまでの感情の変化を教えてください

PRプランナーから広報に異動をしてからは、自社事業をどう推進していくかについて考える事業会社の仕事ができる楽しさを感じていました。その一方で、大企業ならではのモノ・コトがゆっくりと進む文化に対して物足りなさを感じるようになったのが本音ですね。

東急の仕事は好きでしたが、ATOMicaの話を聞いていると「もっと変化の早い環境でチャレンジしてみたい」という気持ちが日に日に強くなっていきました。

けっきょく、東急の仕事をしながらもプロボノ的にATOMicaに関わるようになり、全力で新しいものに挑戦するスタートアップの環境に飛び込みたいという気持ちが固まり、転職を決意しました。

──入社直後の役割は何でしたか?

入社後は共創チームに配属となり、ソーシャルコワーキング®の共創事業に関心を寄せてくださったお客様対応に従事していました。私が入社した2022年4月頃は、共創拠点数はまだ3か所ほど。これから共創拠点を増やそうと舵を切ったところで、自治体や企業様からの問合せが増加した時期でもありました。

なお、入社当時のATOMicaはまだ20名前後の規模感で、共創チームといっても南原、嶋田、私の3名のみだったんです。そのため開所後の運営業務を担うチームが発足するまでは、共創チームのメンバーが共創拠点の運営まで請け負う体制となっていました。

PRプランナーの経験が生きたこと・阻害要因になったこと

──入社してから特に印象に残っているエピソードは何ですか?

この2年を振り返ると、広告代理店のPRプランナーのスキルや経験をATOMicaで生かせた話と、過去の経験や価値観に引っ張られてしまい、逆に上手くいかなかった経験の2つが記憶に残っています。

顧客提案のプロセスで感じた手ごたえ

良い意味で印象に残っているエピソードは、近畿地方の某駅前再開発プロジェクトでの経験です。駅前の施設内に交流拠点を作りたいと声がかかり、2か月後に迫る議会の稟議に向けて提案を行うことになりました。

時間が限られている中で三田市に関するリサーチや提案を何度も繰り返したことは、業務内容、難易度的にもハードな経験でした。行政相手のプロジェクトのため、複数名のステークホルダーに納得してもらえるように何度も提案をして、差し戻しをされながらも食らいついていきました。

少しでも相手のことを知るために、来る日も来る日も三田市のことを考えては、その地域の事業者や知人に協力を仰ぎ「相手よりも相手のことを知る」という姿勢で取り組みました。この「相手を深く理解する」姿勢で取り組めたことや、会議中に相手の考えを引き出せたときにPRプランナー時代のクライアントワーク経験が生きたと実感できましたね。

PRプランナーの経験が裏目に出た苦いエピソード

反対に、PRプランナーの経験が裏目に出たエピソードは、私が「代理店の脳みそ」になりすぎて思考が凝り固まっていたことです。代理店脳というのは「お客様ごとに正解がある」と考えて、相手の中にある「正解」を探してしまうことを指します。

本来はソーシャルコワーキングというATOMicaならではの価値提供をすべきところ、無意識のうちに「お客様の要望を汲み取ろう」「お客様が求めるトンマナで企画書をつくろう」と考えてしまった。その結果、なかなか提案が上手くいかなくて苦労をしましたね。

代表の南原に代理店脳である点を指摘をされて、仕事の本質的な部分を見直すきっかけになりました。PRプランナー時代のスキル・経験がマイナスに働いてしまった経験ですが、「お客様も気づいていないような地域の課題・目指すあり方を示唆しながら、ATOMicaならではの価値提供をしていくこと」は、ATOMicaに入って得た大きな学びだと受け取っています。

拠点プロデュース部とは?チーム発足の背景と役割

──拠点プロデュース部が立ち上がった背景を教えてください

2023年の春、新たに「拠点プロデュース部」を立ち上げることになり、私は拠点運営マネージャーとして異動をしました。拠点プロデュース部が発足した背景には、共創拠点の運営を担うCMT※2のフォローをしたり、改善施策を行ったりする機能を強化する目的がありました。

※2 CMT(コミュニティマネージャー)とは
ATOMica内で活躍するコミュニティマネージャーの組織名(コミュニティマネジメントチーム)の略称。 施設運営はもちろん、拠点ごとのコミュニティイベントの企画・運営を通じて人と人を結び続けるプロフェショナル。すべての拠点に常駐。

拠点数が10か所を超えてくると、現場の運営を行うCMTから「お客様から〇〇の要望が上がっているけどどうしたらいい?」「拠点のシステムの使い方が分からない」など、運営実務に関する細々とした疑問・質問が日々上がるようになってきます。

CMTからの相談や質問を聞いたのに、解決しないまま放置するのは組織として不健全ですよね。拠点数も増え、運営に関わる人員も増えてきたこともあり、拠点運営の管理機能を独立させるチーム立ち上げに至ったわけです。拠点プロデュース部の立ち上げに伴い、拠点担当制として組織化・仕組み化を進めました。各拠点に2〜3名ずつCMTが配置され、拠点プロデュース部がカバーする拠点数は全国25拠点以上にまで成長しています。

──拠点プロデュース部のミッションは何ですか?

拠点プロデュース部のミッションは「拠点の運営をアップデートし続けること」。広告運用のようなイメージで、良いところを伸ばし、悪いところを改善することを継続していく役割です。明確なゴールに向かうというよりも常に「より良い状態」を目指し続ける仕事だと解釈しています。

仕事時間の大部分は、拠点をより良くするための施策を現地のCMTと一緒に考えたり、クライアントと協議しながら提案・改善を進めたりすることに費やしています。次いで、お客様との定例ミーティングの時間も多いのが特徴です。

Slack画像の木島さんは拠点プロデュース部のメンバー。拠点スタッフの提案に対して、画像のように具体的なアクション指示を出すのも拠点プロデュース部の重要なミッション

定例ミーティングでは拠点の状況を1週間・1か月単位で振り返りをして、ネクストアクションに繋げます。振り返る項目は、ソーシャルコワーキングの利用人数や利用者の属性、コミュニティプログラムの成果や課題の整理などです。

具体的なCMTからの相談事は「スタッフが急に休むことになったから代わりのシフトはどうすればいいか」とか「お客様からプラン変更の要望が上がってきたので対応方法を知りたい」といったものまでさまざまです。拠点運営に関する悩み・疑問の多くは一度、拠点プロデュース部で受け止めて解決し、改善に取り組んでいます。

拠点プロデュース部で求められる人物像やスキルとは

──拠点プロデュース部を増員する狙いを教えてください

現在、1人あたり4〜5拠点の担当制となりますが、一人あたりの担当拠点数を増やしすぎるとサービスレベルが下がるため、拠点数の増加にあわせて拠点プロデュース部の人員も増やしていく計画です。

人員を強化し、クライアントへの"より良い提案"を行ったり、各拠点からの相談事を集めたりできる体制を作ることが増員の背景です。問題が起こってから対応するのではなく、先回りして拠点運営の品質向上ができる状態を目指しています。

──拠点プロデュース部において、求める人物像について教えてください

拠点プロデュース部の仕事では次の2つが大切だと考えています。

①相手軸
②観察力

一つ目の「相手軸」というのは、自分のためだけでなく誰かのために働けるか?ということ。相手に矢印が向いている人と一緒に働きたいと考えています。今在籍しているメンバーは人と関わることが好きだったり、人の相談事を集めて解決する仕組みを作りたいと考えていたり、「誰かのために」という意識が強い人が多いためです。

二つ目に挙げたのは「観察力」。拠点にごみが落ちていたらすぐに拾う、拠点でお手洗いを探している人に声掛けができるなど、些細なことでも気付ける力があることを重視します。社内ではオンラインツールでのテキストコミュニケーションも多いので、言葉の意図や背景を汲み取り、行動に落とし込めるスキルも必要だと思っています。

──拠点プロデュース部の目標設定や評価基準について教えてください

定量的な目標としては、担当拠点数や利用人数、拠点の売上などが一例です。定性面では、どのくらいWISHを集めてKNOTできたかということ。チーム発足から間もないため、評価の仕組みはこれから形作っていくフェーズです。

正直なところ、目標管理や人事評価については発展途上と受け取っています。組織の仕組みづくりから一緒に参加したい方に加わっていただけると嬉しいですね。

拠点数拡大と拠点プロデュース部の体制強化に向けて


──今後の展望を教えてください

私個人の目標は、「仕組み化」を進めることです。東急時代は入社5年目でも最年少社員だったため、ATOMicaに入社するまでは、誰かの上に立つ経験がありませんでした。ATOMicaに入社後の2年間で、拠点数を2桁まで拡大したことで自信はつきましたが、今後はマネージャーとしての人格・経験値を磨いていきたいです。

また、拠点プロデュース部はまだまだ立ち上がったばかりの組織です。どのメンバーが対応しても「ATOMicaのカラー」「ATOMicaらしいアウトプット」が出せるように仕組み化を図っていくのも私の役目だと考えています。

これから入社するメンバーには「誰かのために働きたい」という気持ちをベースとして持っていてほしい一方で、既存メンバーの良さを増幅させるような起爆剤タイプがいたら面白いかなとも思っています。真面目なタイプよりもお祭りを楽しむ、粗削りでも「あなたが言うならやってみようか」と思えるような、ユニークなタイプの人とも一緒に働いてみたいですね。

ちなみに、ATOMicaは出社とリモートのハイブリットワークですが、拠点プロデュース部のメンバーは、月に数回は日本全国の拠点に出張する機会があります。そのようなフレキシブルな働き方がしたいという方にも合うと思います。少しでも興味をもった方は、ぜひカジュアルにお話しましょう。

カジュアル面談はこちら

最後までお読みいただきありがとうございます!拠点プロデュース部の募集情報はこちらからご確認いただけます。

プロデューサー
プロデューサー PjM|全国拠点の安定稼働に向け、戦略立案・管理業務を担当
ATOMicaは2019年4月創業のソーシャルコワーキングスタートアップです。 ”ソーシャルコワーキング”とは、 「多種多様な地域の人々」と「地域のあらゆる願い/相談」を集め、繋げるための仕組みのこと。 【ミッション】 頼り頼られる関係性を増やす 【ビジョン】 あらゆる願いに寄り添い。人と人を結びつづける。 ”WISH”とKNOT"とは、 私たちは、想い・願い・相談=「WISH」、出会い・繋がり=「KNOT」と表現しています。 ATOMicaが介在することで多くの人々のWISHを集め、KNOTをしていく。 それが『頼り頼られる関係性を増やす』ということです。 ============================================= ・ソーシャルコワーキング事業 ============================================= 「WISH」と「KNOT」をつくるために、4つの仕組みを取り入れています。 1_コワーキング企画運営 『まだ見ぬ誰かとのつながりを創出する"場"の提供』 地域のビジネスや活動の拠点とするために理想的な空間を構築し、コワーキングスペースとして開放。多様なニーズを受け⼊れられるプランと運営設計で地域で活躍する様々な⽅々が⾃然と集える場を実現しています。 2_コミュニティ運営 『繋がりの"ハブ"となるコミュニティマネジメントチーム』 コワーキングスペースに常駐するコミュニティマネージャーは、地域の人や企業・行政の間に大小さまざまなつながりをつくるきっかけづくりを担うメンバー。多種多様な⼈々を受け⼊れ、WISHを引き出し、集め、そして繋げていきます。 3_プログラムの企画・開発 『"場"を提供だけでなく、個人や企業のWISHを叶えるためのプログラムを独自開発・提供』 地域の次世代リーダーを創出するために必要なラーニングの機会から、恒常的なマッチングイベントまで。ATOMicaの持つプログラムをベースにオリジナルにカスタマイズを⾏った上で実施しています。 4_コミュニティテック開発・提供 『WISHとKNOTの創出を最大化させるために、リアルだけなくテクノロジーの開発』 顧客管理や施設運営管理はもちろん、WISHの吸い上げから出会いの創出、出会いの量の測定までを実現する独⾃のテクノロジーを提供しています。 ============================================= ・プログラム ============================================= ◎ATOMatch 地元企業と学生がコラボレーションし⻑期間に渡って取り組む共創プログラム ◎Coyage 「地域の課題テーマ」を「地場企業の強み」をかけあわせて解決するプログラム ◎MEET@ すべての人に心地よい出会いの体験を提供するコミュニティプログラム ◎MEE@student 就活生と企業の出会いの場を提供しカジュアルに繋がれるプログラム ============================================= ・プロダクト ============================================= ◎knotPLACE コワーキングスペースの利用状況や日々行われる利用者の会話を記録し、WISH&KNOTの創出に活用したり、チームで活用できるようにするコミュニティチーム支援SaaSプロダクト ◎Yosemal 出会いや別れを”寄せ書き”という単位で記録し、いつでも再活用を可能にするアプリケーションです。コワーキングスペースやATOMica独自のプログラムで出会った企業・個人がつながるためのコミュニティプロダクト
株式会社ATOMica





株式会社ATOMica's job postings
4 Likes
4 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Invitation from 株式会社ATOMica
If this story triggered your interest, have a chat with the team?