若い頃は、一人の人から圧倒的な影響を受けた方がいいかもしれない。
最近、そんなことをよく考える。
今は、SNSを開けば、いろんな人の考え方が流れてくる。
たくさんの人から学べるそれは、とても便利なことだと思う。
でも、自分はやっぱり、たくさんの人から少しづつ影響を受けるより、ひとりの人から大きく影響を受ける経験には敵わない気がしている。
もちろん、自分の上司も完璧だったわけではない。
理不尽もあったし、何を言ってるのか良く分からないこともあった。
それでも、その人の判断基準や仕事の癖、物事の見方は、気づけば自分の中に残っていて、
困った時には、「あの人ならどうするだろうな」と、今でも思うことがある。
人は、教わったことより、
一緒に過ごした時間に影響されるのかもしれない。
怒り方や褒め方。
資料の作り方。
打ち合わせで最初に確認すること。
メールの温度や、返信のタイミング。
会食で予約する店。
仕事のスキルというよりは、判断の癖や美意識というのだろうか。
言葉にはならないものほど、横で見て覚えていく。
だから師弟関係というのは、知識を受け渡す関係ではなく、感覚を受け渡す関係なんだと思う。
最近は、そういう関係が減った。
個人主義、実力主義のもとで、職場から少しずつ失われていったもの。
それは、
「あの人なら、こう考える。」
という感覚なのかもしれない。
技術は残らない。
やり方も、時代とともに変わる。
でも、
判断の癖だけは残る。
何を良しとするのか。
どこまでこだわるのか。
何を大切にするのか。
それが美意識になり、迷った時の道標になる。
困った時、最後に頼りになるのは、結局そこなのだと思う。
結局、人は、
思い出の塊でできている。そんなことを思うんだ。