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描く・書くことは、私にとってのコミュニケーション。“仕組み化”によりデザインのレベルを上げ、誰かを喜ばせたいリサーチャーが、想いを語ります。【Interview|三木 祥子】

お読みいただき、ありがとうございます。
モノづくりを楽しみ、本気で没頭するデザイナー集団「83Design」です。

今回は、空間デザイン・IT企業の広報・デザインリサーチャー・フリーのイラストレータといった異色の経歴の持ち主、三木 祥子さんにお話をうかがいます。

「描く・書くことがコミュニケーションだった。」と語る彼女が、リサーチャーとして何を実現したいのか。これまでの歩みを振り返るとともに、想いを語っていただきます。

三木 祥子のプロフィール - Wantedly
株式会社83Design, デザイナー
https://www.wantedly.com/id/sako_miki



描くことで伝え、目の前の人を喜ばせる。

ーー デザインに興味をもったきっかけは、何だったのでしょうか?

両親の影響が大きいと思います。
例えば、幼い私の洋服は母が作っていたり、「つくる」ことが比較的当たり前にある環境でした。何より、ゼネコンに勤めていた父の存在が大きいです。図面を扱う父が書く文字が、ブレずに一定だけどどこか人間味があることに興味がありました。

そんな父の姿に憧れて、私も絵や文字で表現するように。物心ついたときには、「描く・書く」ことが当たり前になっていたと思います。学校などでは絵をほめてもらう機会が多く、文化祭の制作物を担当することもありました。当時女子の間で流行っていた手紙のやりとりも、レターセットのデザインからしたり。今でも大切に持ってくれている友人がいて、とてもありがたいです。

自分の武器は、「描く・書くこと」。誰かに喜んでもらえることが、私にとっての喜び。この2つを気づかせるきっかけとなった体験そのものが、デザインへの興味につながっていったのだと思います。


ーー いろいろなデザインがある中で、工業デザインの道に進んだ理由はありますか?

はじめは父の影響もあり、建築を学ぼうと思っていました。でも、「もっと身近なモノを設計する道もある。」という父からのアドバイスもあって、工業デザインの道へ。大学院ではインテリアデザインを専攻しました。

私は教授からも指摘されるくらい、言語化が大の苦手で…(笑)。物事を分解しながらオリジナルのフォーマットに当てはめて整理する。イラスト化して理解し、相手に伝えるということをよくやっていました。“描く・書く”ことがコミュニケーションの一部でしたね。


コクヨでは空間デザイン、転職して広報。幅広い経験を積む。

ーー 卒業後は、コクヨ株式会社に入社されたのですね。

はい。コクヨでは、空間デザインを担当していました。実は文具デザインを希望していて、文具チームに配属されるだろうと思っていたのですが…。でも、“描く・書く”という私なりの武器を、存分に発揮できたと思います。

クライアントさんの中には、図面を読めない方もいらっしゃいます。図面だけでは伝えきれない要素も伝えるために、イラストを描くことで伝えたいことを説明できる。その実績が増え、次第にいろいろな人からイラストをお願いされるようになり、それが、提案書の素材としても活用されるようになりました。

今思えば、“仕組み化”につながるような経験をしていたのだなと思います。


ーー 転職を考えたキッカケを教えてください。

「いつかイラストの仕事がしたい。」という思いがずっとありました。設計の仕事がハードだなと思っていたり、ちょうど結婚のタイミングが重なったりもして、転職を決めました。

そこで入社したのが、しくみデザインという会社です。大学の先輩が立ち上げ、私自身も大学時代にアルバイトをしていたことがあります。

一番最初のポジションは広報。何もかも未経験という中だったけど、“描く・書く”コミュニケーションを活かしながら、いろいろなことに挑戦させてもらいました。


オリジナリティとユーザビリティ。どちらも追求する、妥協ないモノづくり文化があった。

ーー しくみデザインさんで経験を積まれた後、どのような経緯で83Designに入社しましたか?

「新しいことに挑戦してみよう!」という意気込みで、Wantedlyを使って転職活動をしていました。

その時、たまたま83Designを発見。あとで募集を読みこもうとブックマークしたら、それに気づいた矢野さんが声をかけてくれたんです。


ーー 代表の矢野さんとは、もともとお知り合いだったとか。

そうなんです!コクヨ時代の元同僚でした。でも、入社前と今では、矢野さんの印象はだいぶ変わりましたね。というか、当時は矢野さんのことを深くは知りませんでした。

83Designではモノづくりと向き合う時に、「愚直さ」「発想と判断をわける」といったスタンスを大切にしています。私は矢野さんのことを入社のときから、「“つくること”を純粋に楽しむ人だな。」とは思っていました。実際に彼の近くで働いてみると、そのスタンスの心臓部分を垣間見た気がします。


ーー 83Designのこだわりは、どのようなところでしょうか?

何より、モノづくりに妥協しないということでしょうか。このフレーズだと一般的だと思うので、 83Designなりに解釈すると…。

「オリジナリティ」と「ユーザビリティ」、この2つの要素をうまく融合したモノづくりができる。これが、83Designのモノづくりです。

世間一般的に、デザイナー=自由な発想でモノづくりをする仕事 と思われているかもしれません。デザイナーとしても、やはりオリジナリティを出したいところです。ただし追求しすぎると、モノづくりの目的を見失い、ユーザーへの価値提供が害されることもあるかもしれません。

一方で83Designは、「なぜこうなったのか」という全プロセスを、順を追ってロジカルに説明できます。それでいて、自分たちの色を出すことを忘れません。そこには、「愚直さ」「発想と判断をわける」といったスタンスや、「チームで議論する」といった文化が、必要なのだと思います。


仕組み化により、デザインのレベルを底上げする。

ーー 83Designでは、どのような仕事をしていますか?

デザイン業務の仕組み化を行う、リサーチャーです。ミッションはずばり、「チームみんなが同じレベルで、一定以上のレベルでデザインできるようにしていく」でしょうか。

7月に入社してからは、83Designが関わった主要プロジェクトを振り返り、業務プロセスを整理していきました。クライアントへの説明に使う分析方法や、フレームワークを体系化。一方で、83Designらしさも忘れないというのは、こだわっていたポイントです。

今は視野を広げ、私自身もプロジェクトに参加しながら、舵取りをするディレクションを担当しています。全体を理解しながら、新しい“仕組み化”を進めているところです。


ーー とても難易度の高い業務だと思いますが、実際どのように感じていますか?

そうなんです。正直、難易度が高い。このひとことに尽きるし、実際に矢野さんにも伝えました(笑)

例えば、モノづくりの工程のひとつに「デザインプログラムを組む」というものがあります。何をゴールにおき、ゴールに向けてどのようなスケジュールを組むのか。最初に大枠を構築する作業です。

この工程に必要な要素を洗い出し、具体化していくのですが…。そもそも83Designには、「デザインプログラムを組む」という工程が過去に存在していませんでした。あるいは、なんとなくやってはいたけど、概念的になっていた状態ですね。

それに、空間デザインに比べて、工業デザインはToDoが多いと思います。そもそも身につけるのか、材質は何なのか。プロジェクトごとに要素は複雑な上に異なるので、最初はブロックを組み立てることすらできませんでした。探りながら、ひとつひとつ着実に進めていきましたね。

ーー 入社して印象に残っている、チームで進めたプロジェクトは?

HPのリニューアルプロジェクトです。83Designらしいモノづくりを、もっと外部に伝えていこう。そのために、誰が見ても一目で考えがわかる仕組みにしよう。いわゆる、企業ブランディングにも関わるプロジェクトでした。

83Designが大切にする「アウトプットはすべて仮説」というスタンスは、すべてのプロジェクトに通じています。一方で、外部の方がこういったスタンスを知る機会がない。

この時ばかりは、チームみんなで全プロジェクトを整理し、夜中まで議論していましたね。やらなきゃという想いと、話し出したら熱中して止まらない。2つの想いが、みんなを突き動かしていたと思います。

最終的なアウトプットは、以下のようにまとめました。
「??」問い /「!?」仮説 /「!!」結果 /「∴」効果


範囲をこえて、チームのためになることを愚直に考え抜く。

ーー 三木さん個人のキャリアとして、目指していることはありますか?

83メンバーのサポーターを極めたいです。大学時代、何をするにも一緒で、よく喧嘩もしたリーダータイプのライバル的存在がいました。そのライバルに「最強のサポーターだ」と言われたことが印象に残っていて、誰かの役に立てる人になることがひとつのモチベーションになっています。

実際、サポーター的な立ち位置が、個人のイラストの仕事にもつながっていると思います。設計会社様から「図面で伝わらないものを、やわらかく解説したい。」「あるプロジェクトに地域の人を巻き込むために、楽しさを伝えたい。」といったご依頼をいただくことが多いです。

「こういうシーンがあったら良いな。」という想像や妄想を、可視化していく。そうしてコミュニケーションがうまくいった時には、役に立っている実感があって一番楽しいと思っています。

▼イラストレータ専用 Instagramアカウント
@mikisakiko
https://www.instagram.com/mikisakiko


ーー 最後に、83Designで実現したいことを教えてください!

“サポート”とひとことで言っても、いろいろな定義があると思います。

リサーチャーとしては、まずはデザイン業務において何が必要かを把握し、瞬時に伝えられるようにする。“仕組み化”に妥協しないことで、83Designというチームを支えていきたいです。

リサーチャーの業務からは外れますが、広報の経験も活かせると思っています。83Designがこれまで追求してきた、自分らしさやこだわり。これらを発信できていないのは、正直とてももったいない...。届けないと価値にならないことは、いくらでもありますから。

デザイン過程をイラスト化して発信する取り組みなど、いろいろなことを考えています。チームを支えるために何ができるのか。常日頃から、愚直に考えていきたいです!


「最強のサポーターになりたい!」笑顔でこう語った三木さんの姿が、とても印象的でした。デザインは相手を喜ばせるためにあることを、彼女であれば実現できる。チーム「83Design」が、もっと盛り上がると思います。

私たちと一緒に働きたい。まずはリアルを聞いてみたい。こう思っていただけるのであれば、ぜひカジュアルにお話ししましょう!こちらからご応募をお待ちしています!


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