「正直、実現するのは難しいと思っていました」
システム基盤の刷新、AIを活用した業務改革、開発やテストの自動化。
必要性を感じていても、日々の業務の中では、なかなか具体的な一歩を踏み出せないテーマがあります。しかし、社内のシステムに関する部署である開発部・基盤部・運用部のメンバーが集まり、それぞれの知識や経験を持ち寄ることで、その見え方が変わりました。
参加者から出てきたのは、こんな言葉です。
「できないと思っていたことが、動き出す」
ビリングシステムでは、次世代を担うメンバーが集まり、2035年までを見据えたシステム部門の未来について、1日かけて議論するオフサイトミーティングを開催しました。
今回は、その場で何が話し合われ、何が動き始めたのかをご紹介します。
未来を現場のメンバーと一緒に考える
今回のミーティングを企画したのは、各部署の責任者たちです。
背景にあったのは、生成AIの進化や事業環境の変化に対応するためには、管理職だけでなく、これからの組織を担う次長・主任クラスも一緒に未来を考える必要があるという問題意識でした。
責任者同士が話し合う機会はあっても、次世代を担うメンバーが部署の垣根を越え、それぞれの課題や将来像を共有する場は、これまで十分ではありませんでした。
そこで今回は、AI活用や技術戦略、組織づくりといった中長期のテーマに加え、QCDやKPIの進捗など、足元の課題も議論しました。
重視したのは、完成した方針を一方的に伝えることではありません。
一人ひとりがシステム部門の未来を自分事として捉え、普段は表に出にくい率直な意見やアイデアを持ち寄ることでした。
まず向き合った、私たちの現在地
参加者の話から、いくつかの共通課題が見えてきました。
レガシー環境や属人化、部署間の情報共有不足、限られたリソース。そして、AIを活用する人によって知識や習熟度に差があることです。
長く事業を支えてきたシステムや業務の中には、維持・運用に多くの時間や人員を必要とするものがあります。その結果、新しい案件や技術への挑戦に、十分なリソースを振り向けにくい状況も生まれています。
また、同じシステム部門でも、担当業務が異なれば、隣の部署が何に取り組み、どのような課題を抱えているのかを知る機会は限られます。
参加者からは、他部署の業務やメンバーの得意分野を知ることで、自部署から提案できることが見つかるかもしれないという声もありました。
課題を一つの部署だけで抱えるのではなく、部門全体で共有する。
それが、今回の議論の出発点になりました。
「できない」が「試してみよう」に変わった
ミーティングで特に議論が活発になったのが、AI活用やシステムのモダナイゼーションです。
これまでは実現のハードルが高いと考えられていたシステム基盤の見直しについても、開発支援技術の進歩や他部署から共有された知見によって、「実現できるかもしれない」という感触が生まれました。
AIを活用することで、従来は多くの時間や人的リソースを必要としていた調査、改修、テストなどを効率化できる可能性もあります。
一つの部署では難しく見える課題でも、開発・基盤・運用、それぞれの視点を重ねると、別の道筋が見えてきます。
技術が進歩したからだけではありません。
異なる知識や経験を持つメンバーが同じテーブルについたことが、「できない」を「試してみよう」に変えるきっかけになったのです。
部署を越えると、組織の可能性が見えてきた
ミーティングによって引き出されたのは、技術的な可能性だけではありませんでした。
参加者からは、普段あまり意見を発信しないメンバーからも積極的な発言があり、多様な考えや視点が共有されたことが印象に残ったという声が寄せられています。
日常業務では静かに見える人でも、考えていることがないわけではありません。発言しやすい場があれば、組織の中にある問題意識やアイデアを、もっと引き出すことができます。
実際に話してみることで、他部署の取り組みを自部署にも応用できる可能性に気づいたり、普段の仕事だけでは分からなかった相手の得意分野が見えたりしました。
参加者は、今回のミーティングを次のような言葉で表現しています。
「開発、基盤、運用部門を一枚岩へ」
「システム再起動」
「多様な意見を未来につなげる第一歩」
今回のミーティングは、情報をオープンにし、部署を越えて協力できる組織をつくるための第一歩にもなりました。
「つくる」から、「構想し、決め、やり切る」へ
システムを安定して動かし、依頼されたものを正確につくることは、これからも欠かせない役割です。
そのうえで、これからのシステム部門には、顧客やサービス、事業を理解し、自ら改善策や新しい価値を提案することも求められます。
参加者からも、「作るだけ、実装するだけ」という受け身の姿勢から、ユーザー視点を持ち、自分たちから提案する組織へ変わる必要があるという意見が出ました。
技術力だけでなく、事業理解や課題解決力を高める。
自部署の範囲に閉じず、他部署を巻き込む。
AIや新しい技術を取り入れ、継続的に学ぶ。
技術を提供するだけでなく、技術から事業の成長を支え、ときには自らリードする。
それが、私たちが目指すこれからのシステム部門です。
このミーティングは、まだ「第0版」
活発な議論ができても、その後の行動につながらなければ、組織は変わりません。
参加者からは、決まったことをその場限りにしないため、担当者と期限を定め、継続的に進捗を確認する必要があるという意見も出ました。
今後取り組みたいテーマとして挙がったのは、AIを活用した業務改善、CI/CD環境の整備、部署横断のナレッジ共有、システム基盤見直しの検証、技術学習や資格取得などです。
一度に完成形を求めるのではなく、小さく試し、実現性を確かめながら前へ進む。
参加者の言葉を借りれば、今回のミーティングは、これから改善を重ねていくための「第0版」です。
システム部門の未来を、自分たちの手で
今回のミーティングには、管理職だけでなく、次世代を担うメンバーも参加しました。
2035年の組織像を考えることも、技術戦略について意見を出すことも、一部の責任者だけの仕事ではありません。
まだ、すべての答えが出ているわけではないからこそ、現場のメンバーが組織の未来について意見を出し、自分たちで変えていける余地があります。
レガシーや属人化といった課題から目を背けず、AIや新しい技術の可能性を探る。 部署を越えて知識や経験を持ち寄り、一人では難しい課題に向き合う。
そして、依頼されたものをつくるだけの部門から、事業や顧客を理解し、自ら価値を提案できる部門へ変わっていく。
ビリングシステムのシステム部門には、技術を磨くだけでなく、組織や事業の未来づくりにも関わる機会があります。
部署の壁を越えて、仲間と新しい価値をつくりたい。
変化を待つのではなく、自分から変化を起こしたい。
そんな仲間とともに、私たちはシステム部門の未来をつくっていきます。