日本で最も歴史のあるVC、JAFCOでは40年にわたって新卒採用を行ってきました。
新卒入社の時点では、誰もがゼロスタートです。そこから周囲のサポートや指導を受けつつ、様々な経験を積んでいく中で、一人前のベンチャーキャピタリストに育っていきます。
今回は、文系学部出身の入社3年目社員2名にインタビューし、「JAFCOでのワークスタイル」や「教育体制の実態」などについて、本音で語ってもらいました。
「世の中をより良く変えていく仕事」を目指して:JAFCOへの入社を決めた理由
白川:
私がJAFCOを知ったきっかけは、毎年アメリカで開催されている「ボストンキャリアフォーラム(以下、ボスキャリ)」という就職イベントでした。当時留学中だったこともあって参加したのですが、そこでたまたま出展企業リストの中にJAFCOを見つけたのです。それまでJAFCOについては知らなかったのですが、数ある出展企業の中でもVCは珍しく、興味を持ちました。そこで、エントリーを決めた次第です。
学生時代の私は、将来自分の仕事を通じて「世の中を良くしたい」という思いを漠然と抱いていました。その思いを実現するキャリアパスとして、最初に思い浮かんだのは官僚になる道でした。ただ、そこでふと思ったんです。
「政治で、世の中はどれだけ変わったんだろうか?もちろん政治に意味はあるとはいえ、今の社会を見れば、テクノロジーの進化によって前進している部分が大きいんじゃないか」
そこから、「新たなテクノロジーを生み出し、広げていく仕事」へと関心が移っていきました。
私には、世の中を変えるようなインパクトのあるテクノロジーを作る力はありません。それなら、そういった技術を世に生み出す人たちを支えるような仕事ができればと考えていました。
そんな考えが根底にあったからこそ、JAFCOの仕事はとても魅力的に思えました。
ボスキャリで幸い内定を頂いたのですが、「新卒から入って、ベンチャーキャピタリストとして本当に活躍できるのか」は正直不安でした。
そこで、留学を終えて帰国するまでの4ヶ月間は、自分なりの答えを見出すために次のようなことを行いました。
- JAFCOの先輩方の経歴を洗いざらい調べた
- 新卒からベンチャーキャピタリストになった方々の記事を一通り読んだ
- Top Tier VCのパートナーに会い、「日本は新卒からVCに入れるがどう思うか?」を質問した
そこから得た結論は「入社してからの戦略次第で、新卒でも十分VCで活躍できる」でした。
実際にJAFCOのパートナーの方々は全員新卒で入社して、皆さん結果を出しておられます。自分なりに情報を整理し答えが見えたら、後はもう迷いませんでした。
日本に戻ってきた翌年の4月、JAFCOに内定のお返事を返して、今に至ります。
大石:
白川さんと同じく、私もJAFCOから内定をもらったのはボスキャリでした。
私の場合は、大学1年のときにシリコンバレーのスタートアップを巡る機会があり、そこでVCの存在やエコシステムについてはある程度勉強していました。とはいえ、当時からVCへの就職を考えていたわけではなく、ボスキャリの参加企業リストの中で偶然JAFCOを見つけたというのが最初の接点です。そこで興味を持ったので、エントリーを決めました。
就活の際に私が痛感していたのは「自分は社会のことをまだ全然わかっていない」ということでした。
もともと「世の中の課題を解決していくような事業を作りたい」という思いがあったのですが、将来何をするにしても、社会の実態を知らなければ始まらないと思ったんです。
そういう意味では、世の中の課題解決をテーマに事業の最先端をいく起業家と共に仕事ができるJAFCOはぴったりの就職先だと感じました。
一方で、白川さんと同じく、私も新卒からJAFCOに入って本当に大丈夫なのか、自信が持てませんでした。そこで、当時の採用担当だった坂祐太郎さん(現・パートナー)や三好啓介さん(現・取締役社長)に不安に思っている点を正直に伝えて、それぞれ次のような対応をしてもらいました。
【尋ねたこと】
①投資先がJAFCOの担当者についてどう見ているのかを知りたい
②JAFCOを退職した人がどうしているのかを知りたい
③気になっていることをまとめて質問
【対応してもらったこと】
①実際に投資先の経営者を紹介してもらい、話を聞くことができた
②OBの方を紹介してもらい、実体験を教えてもらえた
③全項目についてJAFCO社員から、丁寧に回答してもらった
これらのアクションを通じて、私が抱いていた不安はほとんど解消できました。内定を頂いてから承諾のお返事をするまでの間、採用担当の坂さんとは密にやり取りをしていたことになります。
結果的に、JAFCOの業務に対する解像度が上がったことはもちろんですが、一学生にここまで丁寧に対応してもらえたことで、「こういう人たちと一緒に仕事してみたい」と思えたのも大きかったですね。
入社3年目のワークスタイル:社内外の業務やプロジェクトについて
白川:
現在担当している投資先は全部で5社あります。SNSの会社やゲームの会社、SaaSの会社とジャンルも幅広く、フェーズも様々です。
もちろん新規投資先の開拓も行っていますが、投資先支援の比重が徐々に増えてきているなと感じます。
たとえば、投資先の経営者の方と一緒に事業計画を作ったり、追加の資金調達を目指して投資家を回ったり、ファイナンス以外では営業支援や人材支援を行ったりと、活動内容の幅も広がってきていますね。
投資先のオフィスに席を設けてもらい、数ヶ月ひたすら通い詰めた時期もありました。
あと、最近JAFCOでは投資後だけではなく、投資前から起業家を支援していくための試みが始まっています。その取り組みを推進するチームとして、投資部の中で立ち上がったのが「投資企画チーム」です。
私も投資企画チームの一員なのですが、現在はその活動の一環として客員起業家(EIR)を活用した起業準備プログラム「FIRST LEAP」の企画・ 運営にも携わらせてもらっています。
客員起業家(EIR)を活用した伴走型の起業準備プログラム「FIRST LEAP」
大石:
私の場合は、株式会社EventHubの投資を担当させて頂いたので、現在はその支援に日々駆け回っています。また、毎日の情報収集も積極的に行いつつ、スタートアップの経営者の方々とより多くの接点を作れるように日々励んでいるところです。
情報収集先は主に、YouTube動画やプレスリリース、あとは他社VCの方やスタートアップ経営者の方からのご紹介ですね。特に経営者の雰囲気などが分かりやすいピッチ動画は、よく見るようにしています。
スタートアップとの接点づくりとしては、たとえばCTOをご招待したエンジニア採用イベントを自主的に企画・開催するなど、試行錯誤しています。こういった機会を積極的に作ることで、投資前の経営者からまず信頼していただくことが大事だと考えています。
後は、社内での取組に関して言えば、JAFCOの組織自体のアップデートを目的とした「サステナビリティによる企業価値強化プロジェクト」(通称サステナプロジェクト)にも携わっています。
サステナビリティによる企業価値強化プロジェクト
このプロジェクトでは、若手や中堅社員を中心にインタビューを行い、その中で出てきた社員の声をパートナー陣や社長に伝える役割を担いました。
プロジェクトの一環とは言え、入社して間もない社員がパートナーや社長に直接提言できるというのはすごいことですよね。会社の意思決定に関わるような部分にも早期からチャレンジできるのは、組織がコンパクトでフラットなJAFCOならではだと思いました。
社長や役員、パートナーとの距離が日頃から近いので、入社年数関係なくディスカッションできる機会も多いですね。
JAFCOならではのフラットな組織体制と社内コミュニケーション
白川:
JAFCOの場合、1年目だろうが若手だろうが関係なく、一人ひとりの意見を尊重してもらえます。その分、入社年数関係なく、プロとしての働き方が求められる厳しさもありますね。
私たちが向き合うスタートアップの経営者の方々は、皆さんプロフェッショナルばかりです。その方々と一緒に仕事をする以上、プロの仕事が求められるのは当然のことだと思っています。
JAFCOのメンバーは全員、起業家へのリスペクトとベンチャーキャピタリストとしての誇りを持って日々の業務に取り組んでいます。
真剣に働いている人ばかりなので、最初は話しかけにくいと感じることもあるかもしれませんが、仕事の相談をもちかけると皆さん親身になって答えて下さいます。
大石:
JAFCOの仕事は大変なこともたくさんありますが、自分のやる気次第でいくらでも周囲からのサポートが得られる環境だと思っています。
投資部のほかにも、JAFCOの中には出資者からお金を集めるファンド運用部や投資先支援をサポートしてくれるビジネスディベロップメント部という部署があります。
新たな投資先の発掘や投資先支援のためには、部署間の連携がとても大切です。会社全体がチームとして動くイメージですね。
また、先ほどお話したサステナプロジェクトもそうだったんですが、部署をまたいだプロジェクトに参画することも珍しくありません。
投資先ファーストの精神のもと、チームとして互いに切磋琢磨しながら、力を合わせていけたらと思っています。
入社したての社員を支えるインストラクター制度:JAFCOの社内教育体制
白川:
JAFCOでは入社1・2年目の社員に対する教育制度として、インストラクター制度を導入しています。インストラクター制度の概要は、以下の通りです。
インストラクターからは
- 「いい会社」とはどういう会社なのか?
- 「投資に至る会社」のポイントはどこなのか?
- 投資検討の各段階で何を準備しておくべきなのか?
など、細かな点を実体験に基づいて細かく教わりました。
インストラクター制度の手厚いサポートがあるからこそ、ゼロスタートの新卒社員でも投資業務を実践していけると感じます。
大石:
JAFCOに入社する前は、VCの仕事に対して、投資先企業の成長のためにディスカッションを繰り返し、経営者と伴走していくイメージを持っていました。そのイメージ自体は間違いではないんですが、入社後に実感したのは、そもそも投資先を持つまでのハードルが高いということでした。
インストラクターからは、スタートアップに投資を実行するためには、日々どれだけストイックに業務に取り組む必要があるのか、仕事に対する向き合い方を教わりました。
例えば「毎月20社の経営者と面談をする」という目標があったとして、それを達成するためには日頃から世の中のトレンドにアンテナを張り、スタートアップ界隈のニュースを隈なくチェックするなどの努力を継続する必要があります。
また経営者と会えたとしても、どんな質問をすべきなのかも最初は分かりません。同席してくださったインストラクターから面談後にフィードバックを受けると、自分が気づいていない視点だらけだったということもよくありました。
経営者の方々から一番頼ってもらえる存在になれるように、今後も日々、努力を続けていきたいと思います。
未来の仲間に向けたメッセージ
白川:
日本のベンチャーキャピタリストは、今後さらに数が増えていくでしょう。その中で、どういう強みを打ち出していくのか、私たち一人ひとりが戦略やポジショニングを確立していく必要があると感じています。
攻略本も型も通用しない、自由だからこそ厳しい世界です。ある種の覚悟と気概を持って飛び込んでくれる方と、ぜひ一緒に働けたらうれしいですね。
大石:
決して簡単な仕事ではありませんが、魅力的だと思える経営者と出会った時やその会社に投資できた時など、やりがいを感じる瞬間はたくさんあります。
世の中の課題解決に向けて最先端を走るスタートアップと真剣に向き合ってみたい人にぜひ挑戦してもらいたいです。
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