不定期で私が読んだ本のレビューを社内向けにしております。こちらについてご紹介させていただきますので、お付き合いよろしくお願いいたします(^^)
タイトル 清掃は「いのち」を守る仕事です。 ー 清掃に取り憑かれた男、30年の闘いー
著者 松本 忠男さん
どういう内容の本なのか
著者について
1961年生まれの61歳で、ナイチンゲールの【看護の覚え書】に共感し、30年以上病院の環境衛生一筋で過ごす。ディズニーランド開園時の正社員、ダスキンヘルスケアを経て、病院のグループ会社に就職。清掃の現場責任者として10年間従事し、その後独立。現在は清掃会社向けに現場で体得したコツやノウハウを伝えている。
テーマ
タイトル通り、【清掃はいのちを守る仕事である】ということ。
メッセージ
松本さんはただ清掃を提供しているのではなく、ヘルスケアクリーニングを提供しているということ。ヘルスケアクリーニングというのは、清掃を通じて環境を整えることで、患者さんのいのちを守る清掃方法。目的はただ汚れているところをキレイにするのではなく、清掃を通じて環境を整えることで、患者さんのいのちを守ること。
どこがおもしろいと思い、どう解釈したのか
汚れていない場所には時間をかけない。汚れている場所・感染リスクの高い場所に清掃力をかける【適材適掃】 P13・P110
これは、プロとしての知識と技術がないと実現できない思いました。何となく定着してしまっている考え方・作業方法・道具に対し問いを持ち学んでいっているからこそできるんだなと。例えば、病院のお客様に提案する時には、確固たる根拠を持たないと受け入れて頂けないと思います。そこの学び不足で、提案を避けて、現状通りで進むのは私は嫌です。
一定の基準に対して上なのか下なのか、結果が可視化できなければ、誰にも説明できないし、働いている人も結果がどうなっているのかわからないまま、ただ黙々と1日中同じことをやり続けているだけです。そこにムダはないのでしょうか?【清掃度の点数化】というあるべき姿。 P29
これは清掃業界の最大のテーマですね!!現状は、基本的には作業面積に対して、または人工数に対して、金額は算出され、お客様もその指標で高い安いと比較しています。しかしこのままだとそこに付加価値をのせても、結局は㎡単価や人工単価で比較になるので、業界として良くなるはずはありません。特に大儲けをしたいのではなく、利益が増えるとそれを、私たちであれば人材投資(教育や給与)をすることで、更にいいサービスをお客様に提供できるのですが、今のままだとジリ貧のままです。それを解決するのは、提供価値でお金を頂くというもので、その手段として清掃度の点数化です。清掃度の点数化であれば、より効率良く、基準の点数をクリアするならそれでOKですので、確実に収益は増えます。そして投資できます!
私が実践しているのは清掃ではなく、いのちと健康な生活を守るために『環境を整備する』こと。 P62
本来患者さんの環境整備を行うのは、看護師さんの仕事で負担が大きいので、一部の清掃を切り離し委託しているとの言葉がありました。ということで、私たちもただ清掃ではなく、看護師さんと同じ志を持って取り組まないといけない。そして、こんなに重要な仕事を最低賃金がまかり通っている現状も変えていかないといけないと思いました。
光が差し込み、見えないはずのホコリが見えた! P80
LEDライトを当てた時に見えるでホコリを3段階で評価しているとのことで、基準として使えるなと思いました。
病院の場合は、患者さんはあくまでも医療行為に対してお金を払っています。清掃や給食、リネンというのは医療収入の中に入っていません。 P108
改めて、病院様の事情を深く理解した上で収益改善の相談をしないといけないと感じました。理想は病院様の負担がゼロで収益改善し、その収益を人材投資し、今よりもいい品質をお客様に提供することでお返しする事です。
本を読み終えて自分が考えたこと
改めて病院という特殊性を感じ、全てはいのちを守るということが基本であると認識しました。
・美観重視ではなく、清潔を保つということ。
・病原体を含んだ汚れを広げない、移動させないこと。
・本来清掃は、看護師さんの業務の一環で患者さんのいのちを守る環境を整備するということ。
今一度、美観重視ではなく、清潔度重視で、取り組めているか内省が必要だと感じました。あとはプロ中のプロでしかできない、適材適掃を意識し、お客様に提案していくことがもっと必要とも感じました。
今後意識したい取り組み
・優先度の高い順に清掃内容を分解し再構成する
・作業効率の良い清掃スケジュールを作成し、時間効率を高める
・作業効率を考えた資機材選定
・感染菌を拡散させない作業方法
・正しい薬剤の使用とモップ管理
・クルーへただの清掃ではなくいのちをまもる環境整備の一環という認識を共有する教育
今回は以上となります!また面白い本と出合った際は皆さんに紹介していこうと思います(^^)/
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