「マラリア」という名前は知っていても、どんな病気で、世界のどこで、 どれくらいの人に影響しているのかを説明できる人は、意外と多くありません。
この記事は、SORA Technologyの事業を紹介するシリーズの第1弾です。 ドローンやAIの話をする前に、まずは「マラリアという病気そのもの」について、 「どこで発生しているのか」「どんな歴史をたどってきたのか」「どんな対処法があるのか」の 3つに絞って整理します。
私たちSORA Technologyは、このマラリア対策そのものを事業にしている会社です。 現場に近い立場だからこそ、単なる病気の説明にとどまらず、 「今、何が対策のボトルネックになっているのか」も含めてお伝えできればと思います。
マラリアがどこで発生しているのか
マラリアは、ハマダラカという蚊に刺されることで感染する病気です。 結核・HIV/エイズと並ぶ「世界三大感染症」の一つです。
蚊の生息条件(気温・降雨・水たまりの有無)に左右されるため、 熱帯・亜熱帯の地域を中心に発生しています。一方で、これまでに47の国と地域が WHOから「マラリア撲滅」の認定を受けており、対策次第で減らせる病気でもあります。
マラリアの歴史
実は日本にも、かつてマラリアが存在していました。沖縄県の八重山諸島では、 第二次世界大戦末期に住民がマラリア発生地域への疎開を強いられ、 約3,600人が命を落とす悲劇がありました(「戦争マラリア」)。 その後1962年、八重山諸島でのマラリア撲滅が宣言されています。
どのような対処法があるのか、それぞれのメリット・デメリット
蚊帳(LLIN) 室内残留噴霧(IRS) 発生源管理(LSM)
単独で完璧な対策は今のところなく、地域の状況に応じて複数の手法を 組み合わせているのが実情です。
私たちが現場で特に強く感じているのは、「発生源管理(LSM)」のデメリットです。マラリアは予防・治療が可能な疾患であるにもかかわらず流行が止まらない背景には、大きく2つの課題があります。一つは、ボウフラが小さな水たまりや季節ごとに変化する湿地に発生するため、どこで増えているのかを人の目だけで把握するのが難しいという「発生源の見えにくさ」。もう一つは、現場の保健スタッフが広大なエリアを徒歩で巡回しなければならず、すべてのリスク地点を回りきれないという、人手と予算の制約です。
SORAはここにドローンとAIを組み合わせることで、この手法の実用性を高められないかと 考え、事業として取り組んでいます。実際にガーナで実証事業を行ったところ、 従来の方法に比べて水たまりの検出数は2.8〜5.7倍、検出できたエリアの面積は最大62倍に なりました。散布にかかる労力(人日)は最大75%、薬剤の使用量も50〜70%減らすことができています。
詳しくは、次の記事で紹介します。