こんにちは。地域人財基盤の奈良と申します。私は、2025年4月にこの地域人財基盤に入社をし、いよいよこれから地域に入り、現場での実行支援にチャレンジしていくところです。新卒ではベトナムの地でキャリアをスタートさせ、現在36歳。この組織の中では比較的若手ポジションかもしれませんが、そんな私がなぜ地域人財基盤に入社を決めたのか、そしてどんなことを、これからの目標として掲げているのかをお話ししたいと思います。
大学卒業1週間前にベトナム行きを決断!
兵庫県出身の私は、大学卒業まで地元・兵庫で過ごしました。大学では経営学科に所属しながらも、観光分野のコースを選択し、「国内旅行業務取扱管理者」の資格を取得するなど、“どうすれば観光地に人を呼べるのか”といったテーマを学んでいました。もともと旅行が大好きだったこともあり、学生時代は時間を見つけては国内外をバックパックで旅しており、そういった体験の延長線上で、自然と旅行・観光に対して興味を持っていったのだと思います。
一方で、ゼミでは物流をテーマに研究していたこともあり、大学卒業後は大手物流会社に内定をいただいていました。ですが大学卒業のわずか1週間前、その内定を辞退して、思い切ってベトナムの旅行会社に就職することを決意。もちろん、内定を辞退するのは簡単な決断ではありませんでした。すでに内定承諾書の提出直前まで進んでいましたし、企業にも申し訳ない気持ちがありましたが、昔から「いつかは海外で働いてみたい」という思いがあり、どうしてもチャレンジしたい気持ちを振り切れず、大学卒業と同時にベトナムへ飛ぶことを決め、旅行業界で働くことに。あのときの決断こそが、自分のキャリアを大きく変える分岐点になったと今でははっきりと感じています。
ファーストキャリアは“海外の現場”。走り続けた4年間が私を変えた
そんな流れで大学を卒業後、私はベトナムへ渡り、現地資本の旅行会社に就職しました。 (この会社を知ったきっかけは、学生時代にバックパッカーとしてホーチミンを訪れた際、実際に利用した旅行会社だったことです。)入社後は、現地を訪れる日本人観光客への対応をはじめ、ツアー商品の仕入れ・販売、現地ガイドの教育など、幅広い業務を担当しました。数年間ベトナムで勤務した後には、カンボジアでの新店舗立ち上げを任され、単身現地へ赴任。ゼロから旅行ツアーを企画し、ガイドの採用、ローカル店舗との業務提携などを通じて、会社の利益向上のための仕組みづくりから経験させていただきました。
右も左もわからない中で、現地に根を張りながら試行錯誤を重ね、ひたすら走り続けた日々でしたが、ファーストキャリアで海外に飛び込んだ経験は、異文化の中で仕事をする難しさとともに、もともとバックパッカー時代に47都道府県を制覇するほど日本の地域が大好きだった私にとって、日本の良さを改めて実感する貴重な機会でもありました。約4年間にわたりベトナムで勤務したのちに帰国し、大阪や東京を拠点に旅行業界に携わり続け、縁あって現在の地域人財基盤に辿り着きました。
日本の魅力を“再発見”して見つけた、自分の次なる目標
ベトナムでの4年間、そしてその後の旅行・観光業界での経験を通じて、あらためて「日本の素晴らしさ」に気づくことができました。月並みな表現になってしまいますが、海外での生活や仕事を通じて、日本の魅力を心から再認識できたのです。それと同時に、「この日本の魅力をもっと世界に発信したい」と強く思うようになりました。
日本のように、地域ごとに異なる魅力や豊かな文化が根付いている国は、世界でも非常に珍しいと思います。しかし、そんな素晴らしい国であるにもかかわらず、現在日本の多くの地域では人口減少等により、地域そのものの存続が危ぶまれている現状にあります。
もともと地方創生には関心があり、これまでも仕事を通じて地域の事業者の方々とお話しする機会が多くあったのですが、「インバウンドの重要性は理解しているけれど、何から手をつければいいのか分からない」「人手が足りず、取り組みたくてもできない」など、現場のリアルな課題を多く耳にしてきました。
私が地域人財基盤に入社したのは、まさにそのような現状を変えたいと思ったからです。日本の地域には、世界の誇れる魅力がたくさんあるのに、それが、ノウハウや人手の不足によって十分に活かされていないのは本当にもったいない。こうした課題の根本に向き合い、日本の観光のあり方を変えていける仕事が、地域人財基盤にはあると思っています。
地域人財基盤での支援の仕事は、観光まちづくりの現場に深く入り込み、戦略の策定から実行までを地域の皆さんと共に進め、地域全体の観光力の底上げを目指すものです。 「日本の素晴らしさをもっと世界に届けたい」「インバウンドを拡充させたい」と考えていた私にとって、ここはまさに理想のフィールドだと感じています。
正解はないから自分たちで“答えをつくる”
現地での支援が始まるのはこれからですが、地域人財基盤に入社して数ヶ月が経った今、率直に感じていることをお伝えしたいと思います。まず感じるのは、メンバー全員がとても落ち着いていて、大人な雰囲気を持った会社だということです。みなさん集中力が高く、それぞれが自分の業務に真摯に向き合っていることが、日々の空気感から伝わってきます。
観光地づくりの仕事には「これが正解」というものがないからこそ、難しさを感じる場面も多いです。しかし、そんな中でもチームは常にデータや時代の流れを捉えながら、大きな方向性を見出し、事業を前に進めています。状況に応じて柔軟に方向転換をすることもでき、「間違い」という概念にとらわれずに、自分たちで主体的に“答え”をつくっていける。正解のやり方を教えて欲しい、というタイプにはしんどい環境かもしれませんが、試行錯誤しながら解を出すことに楽しみを見出せるタイプには、この上ない環境が整っています。
一方で、何か分からないことがあれば、誰かが一緒に考えてくれるし、積極的にアドバイスをくれます。ベンチャー企業らしい「みんなでディスカッションして考えよう!」という風土がしっかり根づいていて、そういった空気感も含めて、この職場は自分にとても合っているなと感じています。
現在は、まさにこれから本格始動する現地での支援に向けて、海外インバウンドの動向リサーチやアジア圏からの誘客に関する統計調査を進めているところです。どの国の人々がどんなコンテンツを求めているのか、滞在日数や平均消費額など、支援先の地域がインバウンドを獲得するために必要な周辺情報の収集に力を入れています。
また、これまでに観光庁関連事業の申請書作成にも関わる機会がありました。今後の支援先での資金調達においても、こうした経験をしっかり活かしていけると思うと、楽しみで仕方ありません。
まだまだ経験は浅い私ですが、先輩方からのアドバイスをいただきながら、自分自身のこれまでの経験も活かして、観光地として“来てもらう”のを待つのではなく、“こちらから人を引き寄せていく”ような、攻めの姿勢で地域の観光を盛り上げていきたいと思っています。
少しでも共感してくれる方や、一緒に地域を盛り上げていきたいと思ってくれる仲間が増えたら嬉しいです! 最後まで読んでくださり、ありがとうございました!