先月よりお送りしているArteryexのインタビュー企画!
過去noteから読んでみたいという方は下記リンクからご参照ください(^^)/
前回はCOO小野澤さんに組織開発や人材育成についてのお話をお伺いしましたが、今回はなんと・・!
満を持して(?)代表の李さんにインタビューをさせていただきました。
Arteryexの創業経緯についてはこれまでにもボードメンバーの方からお話を聞いたことのあるものの、李さんご本人から語っていただくのは今回初です!
今回の創業エピソードに関する内容と、創業からこれまでの軌跡について全編2弾でお送りしていきます。
非常に読み応えのある内容となっていますので、ぜひご一読ください!
目次
会社設立までのご経歴について
現在のメンバーとの出会い
開発アプリ70万ダウンロードまでの軌跡
会社設立までのご経歴について
伊藤: さっそくですが、李さんのArteryexという会社を立ち上げるまでのご経歴についてお話をお伺いさせてください。
李 : 私のキャリアは、最初から医療分野に関わるものではありませんでした。
新卒でアイ・ビー・エム(IBM)に入社し、その後短期間ではありますが、KPMGというコンサルティング会社にも所属していました。
最初はコンサルの仕事に魅力を感じていたんですが、データを扱う仕事をしていく中で、医療分野のデータ管理に大きな課題があることに気づきました。
伊藤: 前職での仕事が、今のビジョンにどう影響を与えたのでしょうか?
李: IBMでは、特に電子カルテに関する業務を担当していました。
医療関連のデータも多く触れる機会があり、その中で「データが散逸している」「管理されていない」という根本的な問題に直面しました。
医療データの統合が進めば、より効率的な医療サービスの提供が可能になると考え、その課題を解決したいという思いが強くなったんです。
伊藤 : そうだったのですね。ブロックチェーン技術にも一部携わられていたことをお聞きしましたがそれは個人的な興味で取り組まれていたのでしょうか?
李 : そうですね、その頃、ブロックチェーン技術が注目されていて、私はその可能性に魅力を感じました。
特にデータの透明性や不正な改ざんを防げる点が、医療データの管理に有効だと感じたんです。誰がどのようにデータを使用したかが記録されるので、医療分野でも活用できるのではないかと考えていました。
伊藤: しかし、その後は方向転換を図ったということですね。
李 : はい、実際にブロックチェーンを使ったシステムを開発しようとしたのですが、現実的には限界がありました。
ビットコインのようなマネーゲームのイメージもあり、他の仕組みへの応用には時流的な面でも難しさを感じたんです。
そこで、2018年にはその方向性を切り替え、医療データにフォーカスすることに決めました。
伊藤: 医療データに焦点を当てて、現在の事業に繋がっているんですね。
李: まさにその通りです。医療データの統合や管理の重要性は強く感じていたので、実際に自分の健康データを整理できるアプリケーションを作りたいと考えました。自身が病院に多く通っていた経験から、データが一元化されていないことに不便さを感じ、その解決策を提供することが私の最初のビジョンでした。
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現在のメンバーとの出会い
伊藤: 創業メンバーはどういった方々だったのでしょうか?
李: 最初は、IBMの同期と一緒に事業を始めました。しかし、事業が進む中で、私と同期のメンバーとの考え方の違いが出てきて、2010年の前半で別れることになりました。その後、エンジニアの里見が加わり、事業の技術面での強力な支援を受けました。
伊藤: 里見さんの加入が大きかったんですね。その後、2019年に副社長の東さんが加わったとのことですが、どのような経緯だったのでしょう?
李 : 実は副社長の東もIBMの同期なんです。
私が会社を立ち上げたことを聞き、何か一緒にやろうと興味を持ってくれました。
当初は副業として関わることを提案されたのですが、私はそれでは足りないと感じました。副業だとどうしても本気になれないから、彼にはフルコミットしてほしいと伝えたんです。その結果、彼は会社を辞めて、フルタイムで参加することになりました。
伊藤: フルコミットを求めた背景にはどのような理由があったのでしょうか?
李: 起業においては、全力で取り組む覚悟が必要だと思っています。
副業だとどうしても逃げ道ができ、事業に対する本気度が伝わらないと感じたんです。それに、事業を立ち上げる段階では、全員が同じ土台で本気で取り組むべきだと思っていました。
伊藤: 結果的に東さんがフルタイムで加入し、現在は副社長として事業を支えているわけですね。
李: はい、現在は副社長として事業戦略や事業企画、M&Aなどを担当しており、私とは異なるケイパビリティを持っていることからも大きな価値を提供してくれています。
開発アプリ70万ダウンロードまでの軌跡
伊藤: 最後に、現在進行中の「パシャっとカルテ」についてお聞きしたいのですが、このアプリケーションの構想はどのように生まれたのでしょうか?
李 : 「パシャっとカルテ」の構想は、まさに私自身の体験から生まれました。
学生時代から病院によく通っていた私は、自分の健康データがどこにあるのか、誰が管理しているのかが分からず、「自分のデータ」はどこに蓄積されているのか分からない違和感を感じていました。
医療データが一元化されていない現状を解決し、個人が自分のデータを簡単に管理できる仕組みを作りたかったんです。
伊藤 : そのご自身の体験を通して、現在のプロダクトが生まれたのですね!
李 : はい、「パシャっとカルテ」は、ユーザーが自分の医療データを管理し蓄積できるアプリケーションです。
今後の構想として、同意した場合にそのデータを医療機関や健康サービスに提供できる仕組み。
そして、データの提供に対して、ユーザーには医療サービスや健康サービス、あるいは感謝の気持ちがリターンとして返ってくる仕組みを創業当時から構想しています。
これは、データの価値をユーザー自身が享受できる新しい形態のサービスです。
伊藤: その構想は自分の健康データを資産として扱えるようなコンセプトですね。
李氏: そうです。「健康銀行」というコンセプトで、健康データを一つの資産として扱い、そのデータを使われた分だけ、何らかのリターンを得られる仕組みを作りたかったんです。最初はブロックチェーン技術を使おうと考えましたが、後にその方向性をやめ、より現実的な形にシフトしました。
伊藤 : 実際、事業は順調に成長していますね。エーザイグループの傘下に入ったことも大きな転機となったのでしょうか?
李 : はい、グループに入ったことで、資金面やリソースが安定し、事業をさらに拡大するための基盤が整いました。
今後も、医療データの活用を進め、社会に対して大きな貢献ができるようなサービスを提供していきたいと考えています。
伊藤 : これからの展開が非常に楽しみです。今日は貴重なお話をありがとうございました。
李: ありがとうございます。これからも社会に影響を与えるような事業を進めていきますので、ぜひご注目ください。
補足
文中にある健康銀行のコンセプトについてはこちらの記事でももう少し詳しくご紹介しておりますので気になる方はこちらの記事もご覧ください!
次回も引き続き、李代表との対談記事をお送りして参ります。乞うご期待!
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