【社員インタビュー#2】ラジオディレクターから、AIロボティクスへ。「変化する力」で切り拓く、異色エンジニアの新しい生き方
こんにちは!Dexterity-SC Japan採用担当です。
「自分はトップエンジニアじゃないけど、もっと成長したい」
「専門性より、幅広い経験を活かせる環境で働きたい」
キャリアの岐路に立ち、そんな想いを抱えている方はいませんか?
今回ご紹介するのは、ラジオディレクター・音響エンジニアから始まり、放送局、大学のITインフラ管理、そしてAmazonでのQA・ロボティクスデプロイメントを経て、今AIロボティクスの最前線で活躍する異色のエンジニア。一見すると脈絡のないキャリアパスを歩んできた彼が、なぜDexterity-SC Japanで輝いているのか。
「エンジニアとしての力はものすごくあるわけではない。でも、変化する力はある」
そう語る、Sr. Robotics Deployment and Operations Managerの潮さんに、ベンチャーだからこそ得られる成長の醍醐味について伺いました。
プロフィール
1992年、フリーランスのラジオディレクター・音響エンジニアとしてキャリアをスタート。10年以上にわたりAM/FM/BS/CSラジオ局で番組制作・音響技術を担当。2003年からInter FMで放送システムとITインフラの両方を手掛ける。2006年にテンプル大学日本校へ転職し、IT Operations Managerとして8年間、日本校のITインフラを統括し、自身もネットワーク&サーバエンジニアとして設計・構築・運用をハンズオンで担当。2014年にAmazonへ入社し、Alexaの日本ローンチにおけるQAチームの立ち上げ、その後APACリージョンのロボティックスデプロイメントのエンジニアを担当。また30代の初めと終わりに、社会人大学院生として早稲田大学大学院(情報通信)と産業技術大学院大学(情報システム)で、在職のまま2つの修士号を取得。2024年8月、Dexterity-SC JapanにSr. Robotics Deployment and Operations Managerとして参画。
目次
音響からロボティクスへ。30年かけて繋がった「点と線」
チームで創る、新しい物流の形。シニアマネージャーとしての挑戦
失敗を恐れない環境づくり。リーダーとしての哲学
仕事も休暇も、全力で楽しむ。
日本の物流を変える。部門が描く大きな野望
「スペシャリストじゃない」からこそ、できることがある
音響からロボティクスへ。30年かけて繋がった「点と線」
――本日はよろしくお願いします!潮さんのキャリアは、ラジオディレクターから始まり、放送局、大学IT、Amazonと、非常にユニークな道のりを歩んでこられました。まず、なぜこのような多様なキャリアを選んでこられたのか、教えていただけますか?
潮さん:正直に言うと、最初から計画していたわけではないんです(笑)。ただ、振り返ってみると、一貫しているのは「技術への好奇心」と「変化を恐れない姿勢」でした。
最初の10年間は、ラジオの世界にどっぷり浸かっていました。番組ディレクターとして番組の制作を行うと共に、脚本も書き、ミキシングエンジニアとして機材操作も行っていました。でも、2000年代に入り、放送業界にもデジタル化の波が押し寄せ、「もっと技術を深く学びたい」と思い、働きながら早稲田大学大学院でデジタル放送技術を研究しました。 修了の後に半年の語学留学をし、その後に入社したInter FMでは、放送音響設備だけでなく、コンピューターネットワークの構築も任されるようになりました。
さらにテンプル大学では、410台のPCと25台のサーバーを管理する、まさに「何でも屋」でした。そして30代終わりで再び大学院へ。産業技術大学院大学で情報システムの修士号を取得しました。
キャリアは努力で変えられる――そう信じて、常に楽しみながら興味の向くままに勉強し続けてきたんです。
――Amazonでの10年間は、どのような経験だったのでしょうか?
潮さん: Amazonでの経験は、私のキャリアの転換点でした。最初はField Quality Engineerとして、デバイスの通信品質テストから始まりました。そして2017年、Alexa日本版立ち上げの初期メンバーとして参画できたことは、本当に幸運でした。
日本語版AlexaのQAマネージャーとして、ゼロから20人規模のチームを作り上げました。日本語という、Alexaにとって最も複雑で独特な言語のQAメソッドを確立する――これは、新しいチャレンジで、ラジオディレクターとして培った日本語への意識、ITや大学院で培った技術力が大いに役立ちました。
その後、ロボティクス部門へ異動し、APACリージョンでのロボティックスデプロイメントにエンジニアとして関わる様になりました。物流センターへのロボット導入は、まさに「上流から下流まで」を経験できる仕事でした。
チームで創る、新しい物流の形。シニアマネージャーとしての挑戦
――現在のSr. Robotics Deployment and Operations Managerとしての具体的な業務内容と、その面白さについて教えてください。
潮さん:私の役割は、3つのチーム――ロボットの導入、オペレーション、フィールドサービスの3つを統括し、日本の物流現場にイノベーションを起こす弊社のMechをお客様に届けることです。
1週間のスケジュールは、実にダイナミックです:
月曜日・金曜日: オフィスで経営会議や戦略ミーティング。チームの進捗確認と意思決定
火曜日・水曜日: 実証実験の現場でテストに参加。お客様の倉庫でチームと共に課題解決
木曜日: 自宅で戦略策定。静かな環境で中長期計画を練る
Amazonでは、自分の担当領域に特化していましたが、今は経営視点も持ちながら、現場の最前線にも立つ。この「両立」こそが、ベンチャーのシニアマネージャーの醍醐味です。
――大企業のマネジメントとの違いは何でしょうか?
潮さん:最大の違いは「距離の近さ」です。大企業では、シニアマネージャーが現場に行くことは稀でした。でも私は週2日、必ず現場にいます。
なぜか?それは、現場でしか見えない真実があるからです。チームメンバーが困っていることを肌で感じ、お客様の生の声を聞き、その場で意思決定する。この即断即決のスピード感は、ベンチャーならではです。
もちろん、自身でも手を動かしています。「リーダーが率先して汗をかく」「リーダーはメンバーをサポートし、代わりを務める事でも出来る」――これが私のマネジメントスタイルです。
失敗を恐れない環境づくり。リーダーとしての哲学
――部門のシニアマネージャーとして、チームビルディングで大切にしていることは何ですか?
潮さん:私のマネジメントスタイルは、「自律性を重視した伴走型」です。
Amazonで学んだことの一つは、「早く失敗して、早く学ぶ」ことの重要性。でも、大企業では失敗のインパクトも大きいので、どうしても慎重になりがちです。
Dexterity-SC Japanでは、適切なリスク管理をしながらも、メンバーが「これ、試してみていいですか?」と言いやすい環境を作ることを最も大切にしています。困ったときは一緒に現場に行き、一緒に手を動かし、一緒に解決策を考える。
「上司と部下」ではなく、「共に成長するパートナー」でありたいと思っています。
――現在のプロジェクトについて教えてください。
潮さん:現在、佐川急便様との実証実験を実施しており、本年の5月に実際の物流センターに荷積みロボットを設置させて頂き、テストを実施させて頂いております。
あのような大きな可動式ロボットを、物流の現場に入れるには様々な準備が必要でした。設置するための要件の検討やリスクアセスメントなど、私の入社前から検討し、協議をして来た内容ではありますが、実際に導入となると、米国からの輸送、受け入れ後の事前テスト、実際に持ち込んでからも安全面での検討など、多くの事を解決していく必要がありました。
ここではDexterity-SC Japanの全員で全力で解決にあたっており、多くのメンバーが現場に通い詰め、作業をそれぞれ自身で行っていく中で課題を一つ一つ洗い出して解決することで、テストの開始にこぎつけました。
現在、テストを実施しておりますが、一つ一つの問題に対してチームで議論を重ね、「ロボットならではの最適な動き」と「お客様にとっての最善」を追求しながら、次のステップである「本導入」に向けて、チーム一丸となって取り組んでいます。
仕事も休暇も、全力で楽しむ。
――ところで、先日2週間もの休暇を取られたと聞きました。ベンチャーで2週間の休暇というのは珍しいのでは?
潮さん:はい、アフリカに行ってきました!ビクトリアの滝と野生のカバを見に(笑)。
実は、これもDexterity-SC Japanの魅力の一つなんです。「ベンチャー=休めない」というイメージがあるかもしれませんが、うちは違います。むしろ、「全力で働き、全力で休む」ことを推奨しています。
アフリカでの2週間は、本当に楽しかったです(笑)。ビクトリアの滝の壮大さに驚き、野生のカバに癒され。チームのみならず、会社全体で1-2週の休みを取る事が当たり前と認識されているので、何の心配も無く取得させて頂きました。チームのメンバーも8月に2週間の休みを取得する予定です。
――週末はどのように過ごされることが多いですか?
潮さん:娘が小さい頃はよく遊びに連れて行ったのですが、娘も大きくなり、頑張ってどこかに連れて行く必要も無くなりました、父親としては悲しいですが(笑)。以前からやっているマラソン大会の社会人スタッフやボランティアをしたりしています。また、長年の趣味であるオートバイで出かけたり、一向に初心者から抜け出せないピアノの練習など、趣味に時間を使うようにしています。
日本の物流を変える。部門が描く大きな野望
――今後のビジョンを教えてください。
潮さん:私たちは、単なる「ロボットを導入する部門」ではありません。日本の物流現場が抱える本質的な課題を、テクノロジーで解決する「変革者」でありたいと思います。
私の30年のキャリアで学んだことは、「技術は手段であって目的ではない」ということ。大切なのは、その技術で誰を幸せにできるか。物流現場で働く人々の負担を軽減し、円滑なオペレーションを実施して頂ける環境構築のお手伝いをしていきたいと思います。
その為には私のチームは、カスタマーのオペレーションを深く理解するチームである必要があります。今後3年間で、日本の物流業界に新しいスタンダードを確立し、そのノウハウをさらなるサービスの提供へと展開していきたいと考えています。
「スペシャリストじゃない」からこそ、できることがある
――最後に、この記事を読んでいるエンジニアの方へメッセージをお願いします。
潮さん:もし「自分はスペシャリストじゃないから...」「今更、新しい分野なんて...」と思っているなら、その考えを捨てていただきたいです。
私はラジオディレクターから始まって、50代で今はロボティクスの最前線にいます。エンジニアとしての天才的な才能があるわけではありません。でも、変化する力と、学び続ける意欲があると思っています。
大切なのは、入社してから学ぶのではなく、自分で勉強し、努力しようとする姿勢。そして、過去の経験を「使えない」と切り捨てるのではなく、「どう活かせるか」を考える創造力です。
Dexterity-SC Japanでは、「一見関係なさそうな経験」が、思わぬ形で価値を生む可能性があります。キャリアに「正解」なんてありません。大切なのは、変化する勇気と、努力を続ける意志です。
もし「もっと幅広く、もっと深く、仕事と向き合いたい」と思っているなら、ぜひ一度話しましょう。年齢も、経歴も関係ありません。あなたの「変わった経歴」が、私たちにとっての「宝物」かもしれません。
――潮さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!
Dexterity-SC Japanでは、潮さんのように、変化を恐れず、幅広い経験を武器に成長し続ける仲間を募集しています。「専門性」だけでなく「変化力」で勝負したい方。ぜひ一度、お話しましょう!
※記事内の情報は2025年7月時点のものです。