1. Vibe Codingとは
AIが爆発的に進化する現代において、新たなプログラミングスタイルが登場しました。それが「Vibe Coding(バイブ・コーディング)」です。これはソフトウェア業界の正式な用語ではありませんが、現代の開発者コミュニティで徐々に注目を集めています。
Vibe Codingとは、ひらめきや直感を重視した即興的・柔軟なコーディングスタイルを指します。開発者がまだ漠然としたアイデアしか持っていない段階から、AIと共にそのアイデアを形にしていくプロセスです。
従来の開発プロセスでは、仕様を詳細に分析・設計し、ドキュメントを作成してからコーディングに入ります。一方でVibe Codingでは、「流れに身を任せる」感覚で、IDEを開き、AIにプロンプトを投げかけ、やり取りしながら開発を進めます。
弊社コムデでは、このVibe Codingをすでに取り入れて開発を行なっていますので、今回はその流れを皆さんにご紹介いたします!
Vibe Codingを支援する代表的なツール:
- ChatGPT / GPT-4.5 / GPT-4.1:コードの提案、バグ修正、アイデアのディスカッションに活用
- GitHub Copilot:文脈に応じたコード自動補完
- Cursor IDE:AI統合型IDE、コード上で直接プロンプトを入力可能
- Code Interpreter / AIデバッガー:アルゴリズムの説明、修正、最適化をその場で支援
2. Vibe Codingのワークフロー
Vibe Codingにおいては、各ステップを柔軟に繰り返すことが可能です。必要な要素がまだ明確でない場合も、AIがその内容を段階的に明確化してくれます。
3. Vibe Codingのメリット
- 開発スピードの向上
AIの支援により、初期のスケルトン(骨組み)から具体的な実装まで、より迅速に作成可能です。構文の記憶やライブラリの調査に悩むことなく、AIが適切に提案・補完します。 - 抽象的なアイデアの具体化
例えば「Laravelで認証機能付きのログイン画面を作成し、自動ログイン機能も追加したい」といったシンプルなプロンプトを入力するだけで、ルーティング、コントローラー、ビューまで全体のドラフトをAIが生成します。 - 技術的負担の軽減
プログラミング初心者や非専門の方にとって、Vibe Codingはまるで24時間体制のメンターのような存在です。常に質問に答え、エラーを修正し、開発を支援してくれます。 - 創造性の促進
Vibe Codingでは、固定概念にとらわれることなく実験的な試みが可能です。ロジックの見直し、新しいアプローチの導入、さまざまな解決策の検証を低コストで実施できます。プロンプトを変更するだけで、新たな提案が得られる点も大きな魅力です。
4. 実例
※ AIのサービス名:ChatGPT
※ 想定シナリオ:Laravelを使用して、シンプルなログイン画面を構築したいと仮定します。
ステップ①:AIへのプロンプト入力
「Laravelでログイン画面を作成してください。自動ログイン機能と基本的なバリデーションを含めてください。」
ステップ②:AIの返答
- ルート定義(web.php)
Route::get('/login', [LoginController::class, 'showLoginForm'])->name('login');
Route::post('/login', [LoginController::class, 'login']);
Route::post('/logout', [LoginController::class, 'logout'])->name('logout');
- コントローラー(LoginController.php)
use Illuminate\Http\Request;
use Illuminate\Support\Facades\Auth;
public function showLoginForm() {
return view('auth.login');
}
public function login(Request $request) {
$credentials = $request->validate([
'email' => 'required|email',
'password' => 'required',
]);
$remember = $request->has('remember');
if (Auth::attempt($credentials, $remember)) {
$request->session()->regenerate();
return redirect()->intended('/');
}
return back()->withErrors([
'email' => 'メールアドレスまたはパスワードが正しくありません。',
])->onlyInput('email');
}
public function logout(Request $request) {
Auth::logout();
$request->session()->invalidate();
$request->session()->regenerateToken();
return redirect('/login');
}
- ビュー(resources/views/auth/login.blade.php)
<form method="POST" action="{{ route('login') }}">
@csrf
<input type="email" name="email" placeholder="Email" value="{{ old('email') }}" required />
<input type="password" name="password" placeholder="Password" required />
<label>
<input type="checkbox" name="remember"> Remember me
</label>
<button type="submit">Login</button>
</form>
@if($errors->any())
<div>{{ $errors->first() }}</div>
@endif
詳細は下記の動画をご参考ください。
ステップ③:AIの改善提案
- Laravel Socialiteを活用してGoogleログイン機能を追加
- ログイン済みかどうかを判定するミドルウェアの自動生成
- フロントエンドをVue.jsまたはLivewireへ移行
このような改良も、プロンプトを少し変更するだけでAIがすぐに対応してくれます。
結論
Vibe Codingは、従来のプログラミングスキルを代替するものではなく、AIの力を最大限に活用し、より迅速で柔軟な開発を可能にする新たなアプローチです。ChatGPT、Copilot、Cursorなどのツールを活用することで、プログラミングはまるで即興音楽セッションのように、直感的かつ創造的な体験へと進化しています。
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