モンスターラボグループ|Monstarlab
モンスターラボは、世界各国でデジタルコンサルティング事業・プロダクト事業(RPAツール、店舗向けオーダーシステム等)を展開しています。
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株式会社コムデの札幌オフィスで運営をしているE CROSS PARK 内では、毎月ワークショップを開催し、IT・Web業界の第一線で活躍しているゲストをお招きしてお話を伺っています。
今回はモンスター・ラボの村田健介氏と神子愛香氏をゲストに、ビジネスとしてデザインを考えた第4回目のE CROSS TALKの内容をご紹介します。
身の回りに溢れているデザインはどんな意図で作られているのか、デザイン力を向上する筋トレ方法などなど、未来のデザイナー必見の内容となりました。実際に身の回りに溢れるデザインを考察しながら、デザインとビジネスの関係性を紐解きます。
本編をしっかり見たい方や当日のワークショップの様子は以下のリンクからじっくりご覧ください!
「デザインとは?」という問いの答えは、意匠である、問題・課題解決である、問いを出すことである…などなどここ数年で定義がかなり広がってきており、世間一般での「デザイン」という認識が混乱してしまっていると感じています。
そこで今日この講義の間は「相手に伝わるためのコミュニケーションの手段」をデザインの定義とし、伝えるためのデザイン力を向上させる方法をご紹介していきます。
コミュニケーションは人が介在すると必ず発生するもの。つまりデザインの考える領域はかなり広くて深いということ。
よくある勘違いとして「意匠」いわば見た目の部分がなんとなくかっこいい、美しい、かわいい、ということだけをデザインとすることが挙げられます。もちろんひと目見たときの視覚的な効果も大切ですが、接客や会話などのような相手に「伝える」コミュニケーションも、デザインの大事な要素だと言うことを覚えておいて下さい。
みなさんが街中でふと目にするポスター一つにも、色味やフォント構図など細部にたくさんのこだわりが詰まっています。
シーズンごとに新しい商品を販売しているスターバックスコーヒーでオレンジ味のドリンクを新発売したときの広告は、美味しそうな果肉の写真やシズル感が演出された商品が配置され、涼しく果実味をたっぷり感じられるのが伝わってくるデザインになっています。
さらに筆字風のフォントを使用し、ガツンと濃い果実感のドリンクを表現している他、数々の細やかな工夫がなされていました。なぜここまでデザインにこだわるのでしょうか?
こうした商品の良さを相手に伝えるために、理解する必要があるのは相手の本質的なニーズや課題。一方的に制作側がかっこいい、美しいと思う表現をしているだけでは消費者の心を動かすのは難しい。
反対に消費者のニーズを研究し、そのニーズに寄り添ったデザインをすることで消費者の心は圧倒的に動かされやすくなるのです。デザインとは相手を理解する思考プロセス。
そしてプロダクトや商品の本質的な価値を伝えるための手段でもある。だからこそこだわり抜いてデザインする意味があるのです。
私たちはデザインを構成する要素を大きく3つに分けて考えています。まずはクライアントの抱える問題やユーザーをリサーチすることで本質的に商品やサービス、またそれらを取り巻く環境と課題を理解する「課題提起力」、その商品の魅力をいかに消費者に伝わるように形にするかが問われる「表現力」、その上で戦略や課題解決を通してメリットを伝える「提案力」。
デザインといえば「表現力」にフォーカスが当てられがちですが、その前の段階の調査・分析、UXリサーチを入念に行い、ユーザー理解の解像度をあげることによりデザイナー独りよがりの表現ではなく、根拠のある効果的なデザインとなるのです。
つまり「デザイン」というのはただ手を動かし単純な表現をアウトプットして終わりではなく、対象をリサーチ・分析しながら論理的に効果を期待する、とても戦略的でビジネスにおいて必要不可欠な「考え方」ということなのです。デザイナーだけの領域ではなく、ビジネスパーソン全員が取り組むことが出来る課題であると私は考えています。
考察する:表面的な表現の考察
街中で自分が素敵だと思う商品宣伝ポスターを見かけた時、まずは立ち止まり、なぜそのポスターが魅力的だと思ったのか考えてみてください。ここで重要なのがなぜそう思ったのかを「言語化」すること。
例えば自分がかっこいいと思うポスターを考察し言語化した結果、特徴的な赤色で彩られた文字を魅力的だと感じていたとする。その後全く別のポスターを素敵だと思い考察・言語化した結果、こちらも同じように特徴的な赤色の文字を魅力的に感じていた。こうした経験がどんどん積み重なることで、「この特徴的な赤色は差し色として使用すると魅力的に見える」という知識になっていくんです。
この「考察する」という訓練は筋トレと同じようにやればやるほど多くの知識に変わっていきます。なので素敵なデザインに出会った時、それを分解してなぜ魅力的に思ったのかを言語化する癖をつけることが大切です。
考察してデザインの意図を読み解くことで、ターゲットや目的が明確になってきます。逆に考えれば制作するデザイナーはこれらを想定しながら、ユーザーに効果的な表現方法などのアプローチを考えているということなんです。街中でポスターを目にした時は、ぜひどんな意図で誰に向けて制作されたのか考察してみてください。きっと新たな発見が得られると思います。
デザイン力を高めるために出来る習慣の一つが「考察する」こと。表面的な表現、体験、自分の「好き」、この3つの視点から常に考察する癖をつけることで、デザインに関するアンテナ精度はグッと高まります。
ポスターのものが美味しそうにみえたなら、その理由を。カフェの空間が素晴らしいと思ったら、その理由を。自分が身につけているものや家に置いているものについてなぜそれを選んだのか、その理由を。
こうして一つ一つを深く考えていくことで自分の好きな表現や感度高く察知出来る分野が段々と明確になってくるのです。
デザインにフォーカスした、今回のワークショップはいかがでしたでしょうか?
IT・Web・クリエィテイブ業界は慢性的な人材不足。コムデは人材を育てることの重要性に着目し、人材を増やすことで社会問題解決への支援を目指します。
札幌に根ざしてIT・Web・クリエィティブな活動に関わりたい!札幌をデジタルの力でもっと活性化させたい!という志を抱いている方はぜひ一度ご連絡ください!