こんにちは、株式会社コムデのデザイナーの古謝です!
4月に新卒で入社してから5か月、初めての大きな案件に挑戦しました。今回はその中で「没になったロゴ」の制作過程と、そこから学んだことを振り返りたいと思います。
目次
あだ名呼びで深まるチームの連帯感
案件紹介(ロゴ制作)
戦略を見直し、二手に展開
3ヶ月間取り組んだ言語化というテーマ
まとめ
あだ名呼びで深まるチームの連帯感
コムデのデザインチームにはあだ名呼びのルールがあります、たとえば上長は「ムラケンさん」。
週に一度のチーム定例では、組織をより発展させる為の企画を各自で持ち寄り、プレゼンし、意見を出し合います。そこでは、オフィスカフェ化計画や、Tシャツコンペなど、ユニークで自由なアイディアが飛び交っています。そこで日々の「あだ名呼び」で培ってきたフランクすぎずフォーマルすぎない関係性が生きてきます。無意識化で意見の言いやすい環境が出来上がり、メンバーの意見で企画がまとまり、実行まで近づくスピード感は他にない強みだと感じています。
案件紹介(ロゴ制作)
今回私がアサインされた案件は、株式会社VLC Security様のリブランディングの一環として行われた、ロゴデザイン案の作成です。デザインチームから複数名が参加し、それぞれ案を出してコンペ形式で取り組みました。
戦略を見直し、二手に展開
いくつかロゴ案を提出するものの、なかなか先方のご期待に沿えず苦戦している中で、作戦を二手に分けることになりました。
- とにかく数を作成し、先方の反応を手掛かりに方向性を掴む作戦
- 意味合いやレギュレーションまでしっかり作り込んだ渾身の一案を提案する作戦
私は後者の作戦で、一つのロゴ案を作り込む事に徹しました。その過程で完成したのが今回の記事の主役である船をモチーフにしたロゴになります。
まず、先方から頂いた要件は、シャープで切り出し感があり、パーツの組み合わせによってシンボル自体を「VLC」と読ませるギミックを効かせたデザインというものでした。
そこでVLCのアルファベットを模したシンボルと、海を渡ってサイバーセキュリティ業界を牽引してほしいという願いを込めたフラッグシップのイメージをかけ合わせ、波間をつき抜ける船のビジュアルイメージが確立していきました。
シンボルを構成するエレメントは帆船のマストから着想を得ており、上方向に軸を向けることでMVVの「Go Beyond」に呼応する「上昇」「飛躍」のイメージを表現しています。そしてそのエレメントを縦に三つ重ねることで生まれるコントラストが作用することで、アルファベットの「V」「L」「C」が浮かび上がる構成となっています。
ロゴ提案資料
初めての大型案件に携わらせていただき、先輩方の制作過程を間近で拝見し、その手際の良さに大きな刺激を受けました。その差を少しでも埋めようと、当時は何度も徹夜を重ねながら作業に打ち込みました。その甲斐あって、私の案がグループ会社を含むホールディングス全体のロゴとして一時採用されるまでに至りました。
最終的には上長であるムラケンさんの案が正式に採用される形となりましたが、自身の案が評価される過程を経験できたことは大きな財産です。振り返ると、この案件を通じて「デザインを言葉で伝える力」の重要性を実感し、その後の成長の軸となる学びを得ることができました。
3ヶ月間取り組んだ言語化というテーマ
デザイナーにとって言語化能力は必須の能力です。どんなに優れたデザインを提案できたとしても、その魅力を的確に伝えられなければ、採用されずに終わってしまうこともあります。それは非常にもったいないことです。本件から約3ヶ月が経ちますが、この3ヶ月間の私のテーマは一貫して「言語化」でした。
1日の中で感じた事を記録し、就寝前にそれらを感じた理由を言語化してノーションにまとめる時間を作りました。
続けるうちに気づいたのは、何気ない感情にも必ず理由があるという事です。通勤中に見かけた電車広告に覚えた違和感や、なんとなくで聴いていた音楽を選曲したのにも、突き詰めれば明確な理由があり、それまでの人生で理由が判明しないまま放置してきた感情みたいなものが沢山存在することに気付かされました。
まとめ
今回の案件を通して、「言語化能力」はデザイナーにとって大きな武器になると実感しました。今後はクライアントとの対話の場でも、デザインに込めた意図や背景をしっかり言葉にしながら、より説得力のある提案ができるよう成長していきたいです。
そして、この記事を読んでくださっている就活生やデザインに興味のある方にとっても、言語化はきっと役立つはずです。自信のポートフォリオにおいて制作過程やフィードバックを受けたときの気づきを詳細に言葉に残しておくと、それが自分だけの学びの財産になります。就職活動の場面ではもちろん、入社後も大きな強みになると思います。
私自身まだまだ成長途中ですが、一緒に「言葉にすること」を武器にしながら、デザインの可能性を広げていけたら嬉しいです。