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【レポート】コミックスマート主催の初イベント!無料オリジナルマンガアプリのGANMA!が制作する新しいアニメのカタチとは。制作の裏話・秘話をお伝えするイベントを開催しました。

こんにちは。人材開発部の小畑です。

コミックスマートが、9/5に、西新宿のセプテーニグループ本社にて「GANMA! de EVENT vol.1『ココロを動かすコンテンツとは?』~マンガ家というクリエイター支援を行うコミックスマートが挑戦する、アニメ×ITの制作現場から~」を開催しました。

本イベントでは、7月29日よりGANMA!内で配信開始したムービングコミック『人形峠』を事例として、なぜマンガアプリがアニメを制作し始めたのか、などコンテンツ制作の裏話・秘話をお話しいたしました。

今回は、当日のイベントの様子をレポートいたします。

★★そもそも、ムービングコミック(MC)を知っていますか?ムービングコミックとは、マンガのコマに色をつけて、声優が音声を入れ、動きや音楽で演出した動画コンテンツです。★★

GANMA!のオリジナルマンガ『人形峠』は、閉鎖された村を舞台に、高校生たちが数々の不可解な出来事に遭遇する恐怖を描くホラーサスペンス作品です。この度本作品をムービングコミック化したことで、プロの声優さんの声や動き、音楽も入り、より一層この怖さが増した作品になっています。

まず第一部では、コミックスマート人材開発部の徳永より、コミックスマートの企業概要やどのようにGANMA!が生まれたのか、といった内容についてご紹介いたしました。

そして続く第二部のパネルディスカッションでは、コミックスマートの社員でムービングコミック『人形峠』のプロデューサーを務めた福留と千葉が登壇し、今回のメインテーマである、ムービングコミック『人形峠』の制作裏話・秘話についてお話いたしました。

ここからは、このメインのパネルディスカッションの様子をお伝えしてまいります。

◆作品紹介からコミックスマートのアニメ事業について

徳永(モデレーター):まずは、『人形峠』のご紹介からお願いします。

千葉:『人形峠』は、2015年末からスタートしたホラーサスペンスマンガで、GANMA!の人気作品のひとつです。高校生の恋愛要素を入れたストーリー展開やかわいい絵柄によって逆に作品のホラー要素を引き立てる構成となっており、「怖い作品は苦手だけど『人形峠』は見てしまう」という読者さんもいるようです。

読者の属性は、男性・女性がおおよそ半々で、若干男性が多いです。これは、GANMA!のユーザー層とほぼ同じですね。

作家さんは『ひぐらしのなく頃に』の作画をされていた方條ゆとりさんと、望月菓子さんです。お二人は姉妹で作品作りをされていますが、原作と作画というような担当は分かれていなくて、キャラクターによって作画の担当をわけていらっしゃいます。この点はは特徴かもしれません。

徳永:なぜこの『人形峠』でムービングコミックを作ることになったのですか?

福留:GANMA!作品のアニメ展開は昨年末からスタートし、1作品目では『焼肉店センゴク』をアニメ化しました。そしてその次に何を作るか?という構想を練っていた段階で、『けものフレンズ』のプロデューサーである福原さんと話す機会があり、「マンガのコマ自体を動かすような表現の仕方にしてもいいよね」「音×ホラーで臨場感ある作りにしてユーザーに見てもらいたい」と意気投合して、それなら「『人形峠』がベストだ!」とアニメ化する作品が決まりました。

福原さんには実際にアニメーションプロデューサーとして『人形峠ムービングコミック』の制作に関わっていただいています。

徳永:GANMA!作品のアニメ展開の狙いと、そこにおける今回の『人形峠ムービングコミック』の立ち位置についてもう少し詳しく教えてください。

福留:GANMA!作品のアニメ展開をスタートした段階での当初の目的は2つあって、①コミックスマートが所有している160を超えるマンガ作品のIP価値の向上、②マンガアプリでアニメが見れるというユーザー体験のリッチ化、でした。

しかし今は、その2点に加え、日本のアニメ業界の「アタリマエ」を見つめなおして、さらにその先の新たな挑戦を目指しています。具体的には、IPホルダー自身が制作工数を抑えてスピード感をもって作るコンテンツによって、マネタイズポイントを探るという挑戦です。今までは、アニメをマネタイズするには複数の会社の共同出資を募る製作委員会方式が必要不可欠でした。しかし今は、海外の出資や配信事業者自身がアニメ制作に乗り出すなど業界の分岐点を迎えています。その中の新たなモデルを作ろうという意図があります。

徳永:『人形峠ムービングコミック』は実際に、企画から配信までの期間がおおよそ3,4ヶ月でしたもんね。

福留:はい、私自身は制作会社出身なのですが、考えられないスピードです。コミックスマート自体が作品の著作権を保有しており、配信するメディアを持っているので、同時並行で自由度を持ってアニメを作ることができます。作品の編集担当である千葉自身がプロデューサーとして制作に関わっているのも大きかったです。

千葉:マンガ『人形峠』の立ち上げ時から作家さんとは作品作りをしてきたので、ありがたいことにムービングコミック制作に関して変更のご要望など特に頂くこと無く作家さんから一任いただけました。

◆マーケティングアプローチで作品をヒットさせる工夫

徳永: それでは次に『人形峠ムービングコミック』の制作秘話に迫ります。こだわったポイントや実際にどのような流れで作品が出来上がったのでしょうか?

千葉: 未完結である『人形峠』を、12話というサイズにして作品の魅力を伝えなければならなかったため、私は主に、ストーリーの変化をどこにつけるか、どこを一番盛り上げる山場にするかといったプランを考え、制作会社とともに打ち合わせをし、構成案をまとめ実際のムービングコミックの制作へと移っていく、という流れで進みました。

また、ムービングコミック制作の「肝」として、一番力を入れて企画をしたのが声優さんのアサインです。人気声優の花澤香菜さんを、作品の2人のヒロインといえる支倉宵子役と野々宮花恋役として起用できたのは幸運でした。野々宮花恋は原作でも人気があるキャラクターで、元々花澤さんには野々宮役としてオファーさせていただいたのです。しかし、せっかくなら「可愛い声を活かしたキャラクターにも起用し、兼ね役として演じていただいたら、読者もびっくりするのでは?」と考え、支倉宵子役もオファーしたところ、その役も引き受けてくださった、という経緯があります。

こうして花澤さんは、物語の前半に支倉宵子役、後半で野々宮花恋役を演じてくださることになり、1つの作品で花澤さんの声の演技の変化を楽しめる構成にしています。

また、本当に偶然なのですが、作家さんに花澤さんを起用したことについて話をしたところ、支倉宵子というキャラクターはまさに花澤さんの声をイメージして作ったとのことで、とても喜んでいただけました!

徳永: 見事な起用ストーリーですね!私も、ムービングコミックで野々宮花恋の初登場のシーンを見たときは、それぞれのキャラクターの見事な演じ分けに、ホラー作品でありながら、思わず笑ってしまいました。

それでは次に、マーケティング施策について教えてください。

福留: 「たくさんの人に『人形峠ムービングコミック』を見てもらう」ことを目的にしたマーケティング施策も、社内で試行錯誤しながら実行していきました。例えば一つ目に「ラジオ展開」として、文化放送のラジオ番組『A&G TRIBAL RADIO エジソン』内で『人形峠ムービングコミック』を紹介していただきました。その際、番組には花澤さんもゲストとして登場し、作品やキャラクターの魅力を説明していただき、パーソナリティの江口さんにもTwitterで『人形峠』について触れていただきました。

次は、GANMA!アプリ内での「パネル展開」です。ムービングコミックの訴求ポイントが一話一話ごとに異なるため、視聴数やPVといった数字を見ながら、掲載パネルのクリエイティブを作り変えていきました。そのほか、Twitterでのユーザーキャンペーンや視聴時間の分析など、社内のマーケティングや広告、デザイナー担当も入れて、日々トライし続けています。

◇ラジオ放送後記はこちらから:https://ganma.jp/g/mc/ningyo/radio/

徳永: ユーザーの声をもとに行ったアクションはありますか?

千葉:Twitterでの反応やマンガ『人形峠』のユーザーコメント欄は常に見ています。広告収益が収益源となるために、ムービングコミックの間に動画広告を入れていますが、まさに、ユーザーの声を見て、都度検証を行いながら「適切な広告の頻度」を探っていました。「広告が多い」「気にならない」など、広告に対するユーザーのコメントは非常に参考になります。こういった意見を即反映できるスピードも、コミックスマートだからこそです。

福留:GANMA!は、ユーザーとの距離が近いのが特徴です。お絵描きやコメント投稿機能があり、ユーザー同士が集まってコミュニティが形成されています。また、今回実際にムービングコミックの制作をし、作り手である作家さんも含めてモノづくりをできている実感がありました。つまり、ユーザー、作家、私たちがwin-win-winの関係を築けているわけです。しかし、この『三方よし』に終わらないコンテンツ業界へのチャレンジを、自分としては、やっていきたいですね。

★Q今後の抱負についておしえてください!

千葉:担当作品がムービングコミックになるまで、一連のすべての過程を経験させてもらいました。この経験で感じたことを作家さんとの作品創りに活かして、『人形峠』を含め担当している作品をもっと世に広めていきたいです!

福留:以前は、アニメはDVDなどで視聴することが多かったかと思いますが、今はアニメコンテンツも配信されたものを視聴する、というスタイルが増えるなど、アニメ業界のビジネスポイントが変化しているタイミングです。このような流れがある中で、GANMA!でモバイル視聴におけるナンバー1を目指します!

ーーまとめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

イベントの最後には参加者の皆様と懇親会を実施し、終始アットホームな雰囲気の中、参加者の9割以上の方に最後までご参加いただきました。

コミックスマートでは「マンガ家の職業価値を向上させ、子供たちの憧れの職業にする」ことをミッションとしています。今後もGANMA!で誕生したマンガをはじめとするコンテンツをテーマしたイベントを実施する予定ですので、是非みなさん遊びに来てください!

『人形峠』:http://ganma.jp/ningyo

『人形峠MC公式サイト』:https://ganma.jp/g/mc/ningyo/

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