(こちらは、noteの記事の転載です)
ご無沙汰しております。いあんです。2月に、株式会社comeal(コミル)を創業致しました。comealは、「食」×「テクノロジー」領域でサービスの展開をして参ります。2月から、少し時間は空きましたが、ステルスでやっていたPMFも一段落し、これから伸ばしていくぞ!というフェーズに入りましたので、noteを書くことにしました。少し長くなりますがお付き合いください!
前回、『【第一弾】newn社のあやたん室 室長に就任しました。』という記事を書いたのですが、1月31日に付けで退職していました。上記の記事には記載しておりませんでしたが、「hours」という新規事業の担当をしておりました。昨年7月頃からステルスでリリースしながら、10月に告知、12月に撤退の意思決定という流れでした。その上で、hoursにコミット前提だったこともあり、わがままなのですが、改めて0から挑戦することを選びました。(newnは素晴らしいプロダクトとメンバーが揃っていて急成長しているので、是非皆さんアプライしてみてください。)
newn wantedlyページ
目次
- 新しい食の体験をつくる
- 何故、食領域なのか?
- 何をやるか
- 最後に
- 仲間募集中/提携してくださる飲食店の方を募集中です。
新しい食の体験をつくる
さて、次なる挑戦ですが、前述した通り、「食領域」に取り組んでいきます。テーマは「食材がよろこぶ世界をつくる」。「食材が持つ価値を最大化ないし最適化する」ことで、その環境づくりが僕らの取り組むテーマです。シンプルに言えば、世の中は驚くほど素晴らしい食材に溢れていて、その食材を料理として、味わう体験の幅をもっと広げていきたいと思っています。
食材の持つ価値を、「価値=美味しい」と定義すると、その構成要素は「見た目、香り、食感、味、余韻」です。今後は構成要素に、「ストーリー(感情移入)」みたいなものも含まれてくると思います。
これまでは食材の価値にフォーカスするというより、流通や販売を効率的にするためにマスに特化されてきました。ここ十年程度で市場でも相対取引が増えたり、市場外取引(例えば産直)の取り組みも増えてきました。ただ、食材の価値にフォーカスした時に、まだまだやってないことの方が多いです。
生産から始まり、処理、流通、販売、調理と消費。既存の仕組みをデジタル化していくことで、皆さんにより美味しい体験をお届けすることが出来ると思っています。抽象的な話ばかりで恐縮ですが、食材がよろこぶ世界をつくる、のをテーマに頑張っていきます。一歩一歩着実に実現に向けて動いていきます。
何故、食領域なのか?
trippiece<トリッピース>を退任してからずっとポッカリと心に穴が空いた気持ちになっていました。色んな人に助けられる中で、迷惑かけて、経験をして、次に自分が捧げられる領域は自分自身が一番好きで伝えられるものが良いと原点に回帰しました。trippieceと同様に原体験から引きづられている所が大きいですが、腑に落ちているし、凄く自分らしいビジネスを見つけられたと思っています。さて、そんな原体験を紹介します。
①:もともと食材ハンターである
小学校低学年くらいの時、父と父の勤務先の先輩の船で、釣りに連れて行ってもらってから、僕は多分潜在的に食材ハンターでした。小さい頃の記憶で今でもハッキリ思い出せるのは、初めての船釣り、新潟の古い旅館で食べたキノコ鍋、なんか割と食に紐付いているんですよね。
そんな影響からか、週末は、友達と釣りに行ったり、海に潜って魚を突いたり、山に登ってキノコを採ったりしています。(魚突きやきのこ狩りの魅力を語るとそれだけでnoteが終わるので、別の機会に回します。)釣りや魚突き、きのこ狩りそのものも好きなのですが、自ら採った食材を気の合う仲間たちと食べるのが大好きなんです。これが僕にとっての最小単位で、最適化された食材の形です。みんなで食う飯は美味い。
※去年GETした一番の大物は天然のハナビラタケ。サイズ、開き具合ともに最高級品で、部屋中がハナビラタケの香りで満たされました。1000mを越える湿度の高い高山にしか生息しないことから、幻のきのこと言われるくらい採取量が極めて少ないきのこです。これを採るために、山の中の道なき道を数時間×数日歩き続けてようやく見つけられたものです。遠目からでも分かるハナビラタケを見つけた時は思わず叫んでしまったくらい感動モノでした。
②:新しい体験を作りたい
僕が起業家として一番幸せを感じる瞬間は、リアルの世界で誰かが笑ってくれることです。世の中を便利にするだけではなく、楽しくする、それが自分の役割であると勝手に思っています。trippieceでは『旅行という非日常体験』を通じて、comealは『食という体験を通じて』、体験価値の提供をしていきます。
comealの案を思いつき、テスト展開を重ねる中で、予想沢山の方が食材を買ってくださり、家で料理した写真と「美味しかった!楽しかった!」というコメントをみて、「ああ、これで間違っていない」と改めて思えました。ここに辿り着くまでに、色んな葛藤があり、自信を無くしていたあったんですが、誰かが「美味しい」と喜んでくれる限り、頑張り続けられる。と思ったので、この領域で攻めていこうと決意しました。
③:食領域におけるマズメ時は間もなくだ
①と②は、個人的な想いや体験から生ずる部分でしたが、③は起業家として張るべき領域で勝負するという点からです。起業家として生きはじめて、恐ろしいことに10年以上が経ちます。その中で、最も痛感していることは「どのマーケットで、どのタイミングで勝負するか」ということの重要性です。既存のマーケットの規模も然ることながら、マーケットの大きな変化のタイミングで打席にたっていることが圧倒的に重要です。釣りで言うところの、マズメ時を逃さないということです。釣りでは、釣れる時間帯は不思議と一気に釣れ、時間帯がすぎるとぱったりと釣れなくなります。そういった意味では、リアルの世界の代名詞的な存在であった食領域は、昨今のコロナの影響もあり大きな変化を強いられています。
もともと食関連のEC化率は約3%と、他の領域に比べると圧倒的に低い状況でした。その日のご飯に困ったら、スーパーもあるしコンビニもある。ファーストフードも充実しているのが実態です。利便性、価格の面でもインターネットの優位性が低いのが現状です。コロナにより巣ごもりが増え、内食化が進んだ今、国の調査による正確なデータはまだ出ていませんが、一気に食品のEC体験が進んだと思っています。
ただモノの売り場をインターネットに置き換えただけでは、産業全体のDXが進んでいるとは言い切れません。諸国と比較してもまだまだ食材×TECH領域は未開発部分が多く、リアルな世界に根ざす流通や商流全体をデジタルにより最適化させることで、もっと食材がよろこぶ世界につながっていくと思っています。
去年発売された『フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義』という著書では、食領域は「iPhone前夜」「パラダイムシフトが起こる」と評されています。デジタルにより、「食」の概念、流通や商流、情報伝達全てが変革していく。10年後には、冷蔵庫がデジタル化され、欲しいモノをポチるだけで、1時間以内に家に届き、下処理をするだけで後はキッチンが自動で調理してくれる。栄養やカロリーは自動でスマホに同期される。みたいなことは現実的に近い将来起こりうる話なのです。
農林水産省のフードテック研究会が令和2年7月に発表した「中間とりまとめ」では、フードテック領域への投資は2014年頃から急速に伸び始め、2013年⇒2019年では10倍近くまで成長し、現在は2兆円を超える資金が投資されています。ただまだ日本では97億円ほどしか投資されておらず、米国の9,574億円と比較すれば100倍近い差があるのが現状です。逆に言えば、世界が不や課題を見出しているのに、日本はまだ取り組まれていないチャンスがあるということだと思っています。
明確に不が存在し、転換が予想される領域に、正しいタイミングで準備をしておく。自分たちが最速出来るニッチからマスへ、そして世界へ。僕は世界を数十カ国旅してきて、日本の食材、料理は間違いなくピカイチだと確信しています。食で美味しい体験を作っていきます。
何をやるか
まだ全てを公には出来ないのですが、現在いくつかの飲食店の人たちと提携し、食材の流通する新しいカタチを作っています。具体的には、飲食店さんを軸にしたコミュニティを作り、その中で食材の流通を作っています。おかげさまでテスト中の店舗の売上/利益ともに好調に推移しており、飲食店の新しい柱になっていると喜んでもらっています。(まだまだ正式リリースにも至っていないので書けることが少ない・・・笑)
コロナをキッカケに、飲食店はデリバリーやテイクアウトを始め、「料理を提供する」という定義が変わりつつあります。そして、皆さんは自炊する機会が増え、レシピサイトをみて、献立を考え、スーパーやECで頼み、調理する。生産者は市場に卸すだけではなく、産直を始めたり、新しい流通に手を出し始めています。まさに変革期にある今だからこそ、「美味しい」の選択肢はもっと沢山あって良いと思うんです。
僕の考えているはじめの一歩に過ぎませんが、食領域の新しい流通、食の体験を作っていければと思っています。激戦になる領域だからこそ、起業家としてもやる気に満ち溢れています。これまで経験した全てをつぎ込んで、美味しい体験を最速で最適化・最大化していきます。
↓↓↓僕らが提供している/していきたい食材の調理例↓↓↓
最後に
新しいスタートラインに立つまで、沢山の人にお世話になり、迷惑をかけてきました。自信なんていつもなくって、あるのはユーザーが喜んでくれた時の「イケる!という確証」と「こんな世界を作りたいという想い」だったことに気付いてから吹っ切れて、comealに全てを注いでいます。まだまだ何も出来ていない自分ですが、お世話になった人たちに恩返しをするためにも、とにかく最速でやりきらないといけません。そしてまだまだ甘えることも多いとは思いますが、新しい旅路を応援して貰えたら嬉しいです。
仲間募集中/提携してくださる飲食店の方を募集中です。
現在、comealに興味を持ってくれている友達たちをslackに招待し、時にディスカッションさせてもらいながら事業を進めています。社員という形だけではなく、多様な形態でメンバーを募集しているので、食領域に興味がある方はお気軽にご連絡ください。営業、コミュニティ運営、ディレクター、エンジニア、デザイナーと幅広く募集をしております。お気軽に話を聞きにいらして頂ければ嬉しいです。美味しいモノをつくる幸せを共に分かちあっていきましょう。
また、飲食店の方で一緒に取り組んでみたいという方がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお声がけください。TwitterやfacebookにDMを頂ければ幸いです。美味しいの選択肢を一緒に増やしていきませんか?
Twitter : @ishidaian
Wantedly:comeal会社ページ
株式会社comeal
石田 言行(いしだ いあん)