Auberge Mermaid
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コロナ禍、
ホテルや旅館、飲食店など、客商売をしている業界にとっては最悪の事態になった。
お客さんが全く来てくれない。売り上げが全然立たない。
でも、毎月の固定費は変わらずかかる。
たくさんの宿や飲食店が経営危機に陥った。
コロナ以前のCOLORの本社がある富士河口湖町周辺は、外国人観光客で賑わっていたから、
田舎でも不景気とは無縁の世界にいたのに、
ロックダウンで外国人は日本から消え、突如として人のいない場所になった。
僕は香港を拠点として生活していたけど、香港もロックダウンされてしまい島に取り残される危険があるということで、慌てて日本に帰ってきた。
隔離期間中に、会いにきてくれたのがオーベルジュマーメイドの支配人のケンジくん夫婦だった。
ホテルの経営が深刻だから、助けてほしい。
僕は今までホテルでの勤務経験はない、全くの素人。
電力業界で働いていて、発電所で機械相手に仕事をしていた。
接客なんて大学生のバイト以来だ。
でも、危機的な状況のホテルを建て直す仕事は面白そうに感じた。
新しい挑戦に、とてもワクワクした。
まずは、みんなで集まって何ができるのか作戦会議をした。
4月。働き始めのオーベルジュマーメイドにはまだ雪が積もっていた。
そこから、できることをひたすらやった。
自社ホームページを刷新し、販売できる予約サイトにはひたすら登録して、ネット上での露出を増やした。
ランチ営業を始めて、近くの公園にビラを配りに行った。
団体ツアーの食事場所としての受け入れを行った。
自社菜園を始めて自分たちで作った野菜を使った料理を提供した。
地元山梨県産ペアリングワインの提供などサービス内容を充実させた。
週7日営業できるように、シェフが仕込んだ食材を調理して提供できるよう料理の修行をした。
フルコースメニューも完成度を高めるため、みんなで試食会をして意見を出し合って決めるようにした。
ラウンジや会議室、新しいお風呂、新しい客室などホテル内の改装を行なってリニューアルした。
作業中
完成♪
近隣の貸別荘へのケータリングサービスを始めた。
限られた仲間で立て直しをしなければならず、各自の負担は大きかったし、
どんどんお金が流れ出ていく辛い時期ではあったけど、
お客様と触れ合い、ダイレクトに接客を学べたその時間、
ホテル運営改善のPDCAをひたすら回し続けたその時間、
仲間と一緒に頑張ったその時間はかけがえのないものになった。
祖母がお友達を連れてホテルに食事に来てくれたり、
地元に帰ってきたからこそ家族との思い出もたくさんできた。
そしてホテルは無事、倒産危機を脱して、コロナ禍を乗り越えることできた。
この経験をする中で、ホテル経営の実績を積むことができ、
精進湖にある精進レークホテルも僕らの仲間になってくれたのはとても嬉しいことだった。
そして思った。
自分たちで宿泊施設を作って運営するだけじゃなく、
経営に行き詰まったホテルの再建をすること。
まるっと宿泊施設の管理運営を受託すること。
そういうのって、とても需要があるんじゃないか?
そこから、「おそうじぽん」サービスを思いつく。