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急成長中のラクスルからプログラミング教育普及のNPOを始めた理由

こんにちは!アイヴィーです!

今回はみんなのコード代表理事の利根川にインタビューしました!

なぜ必修化になる前からプログラミング教育を普及していたのか、などぜひ見てくださいっ!


創業する前:森ビル→ラクスル時代立ち上げ時に初めてプログラミングを学んだ

最初のキャリアは森ビルでした。森ビルで4年間働き、途中1年半は昼間は森ビルで働きながら夜と土日はラクスルを手伝っていました。

森ビルの仕事が終わるのが21時で、その後深夜1時までラクスルの仕事をやってました。プログラミングはラクスルに関わり始めてから始めました

はじめて3ヶ月くらいで「どうやら世の中にはPHPとMySQLがあり、それがこの事業には必要そうだ」と気付いて、すぐに実践して……といった生活を1年半ほど続けたあと、正式にラクスルに入社しました。

それからテレビCMが流れるほど大きな会社になって、さらなる成長への道筋が見え始めました。

創業した理由:

きっかけはHour of Codeを広めたいから始まった


――ラクスルで働いていく中で最初からCMを打ち出すまでの規模感まで軌道にのったところから、プログラミング教育を広める活動をはじめた経緯を教えてください。

当時のラクスルでは自分のような創業期からのメンバーよりも優秀な人がどんどん増えていたのが社内の状況で、「会社は伸びているけど別に自分の力じゃないよなぁ」とか思いながら少し不完全燃焼気味の日々でした。

そうなると、古株のミッションというのはいわゆる「業務」ではなく「文化づくり」や「人づくり」が多くなります。

その中の1つがノンエンジニアにエンジニアの事を伝えるという活動でした。

例えばエンジニアではないがデータを扱う必要がある社員がMySQLを直接使えるようにするための社内勉強会開催です。

この勉強会の第二弾として、プログラミングを昼休みの1時間で体験しようとの事になり、何か良いものは無いかなとたまたま見つけたのが 「Hour of Code 古典的な迷路コース」 でした。

初めての Hour of Code ワークショップが盛り上がった上に、

必要な要素をバランス良く抑えているコース設計やザッカーバーグ氏やビル・ゲイツ氏がチュートリアルに協力している点で

Hour of Codeにすっかり惚れ込んでしまいました。

一週間も待たずに今度は子ども向けワークショップを開催することになりました。

当時は頑張って声を描けて合計16人くらいしか集まりませんでした。

しかし、ワークショップでの子どもたちの反応は予想以上で、楽しそうでありながら真剣にみんなが取り組んでいて、

「この取組をもっとやってみたい」との思いが強くなりました。

▼最初のHour of Code


直接子どもに教えるより、インパクトが大きいと思った小学校の先生を対象に


ーー最初は子どもにHour of Codeのワークショップをしていたんですね。今は学校の先生を対象にしていますが、必修化になる前から先生向けの支援をしようと思っていたんですか?

はい。学校の中で、一人の先生が三十五人の子どもたちに伝えて、さらに隣のクラスの先生がプログラミング教育をやれば広がり、よりインパクトは大きいと思っていたので、当初から先生向けの研修会を実施していました。小学校にフォーカスしたのは、有識者会議に呼ばれてからになります。それまでは中学校・高校の授業サポート等も実施していました。


ーー利根川さんは社会的インパクトを最も重要視しているなと感じます。世間からの見栄えを考えると子ども向けのほうが映えますが、先生向け・学校向けにフォーカスする意思決定は驚きです。

そうですね。最初は「Hour of Code」の活動を日本で広めることを考えていたのですが、それだけでは世の中を変えていくためのインパクトが小さいと思い、「日本の学校教育にコンピューター教育・プログラミング教育を取り入れる」というところに目標を置き法人を設立しました。

全国に小学生だと650万人いるので全員にリーチするのは難しいけれど、先生であれば横のネットワーク(教員同士が教え合う文化とか)や、先生一人が教えれば子ども最大で子ども40人に伝えられることから考えると、先生向けのほうがインパクトあると考え、外からみたら地味かもしれませんが、合理的に判断しました。

 2015年に私が抜けた後のラクスルは急成長しているのを見ると、そこから飛び出した身としては、経済規模では厳しくともみんなのコードも社会的なインパクトの観点では負けないように世の中に貢献したいなと常に思っています。

創業してから:

ーー創業されてからみんなのコードの仕事メインだったんですか?

まずは副業として始め、2015年7月に法人の登記を完了しました。

ラクスルの仕事+起業コンサルのバイトで生活費を稼いで、みんなのコードの活動をしていました。

当初のみんなのコードの活動は、「手伝って」と声をかけたメンバーと朝の7時に八重洲のスターバックスコーヒーでMTGして、私は毎日営業資料+パソコンなどをいれたキャリーバックを持って走り回っていました。(笑)

その後、2015年12月に GoogleやMicrosoft を含む各方面に日本国内の関係者で協業しましょうと声を掛けて「 Hour of Code Japan 2015 」を開催しました。

▼Hour of Code Japan 2015の集合写真

みんなのコード/「Hour of Code Japan 2015」熱くオープニング
https://ict-enews.net/2015/12/07hour-of-code/


それまでは各者がバラバラに行なっていたHour of Codeの取り組みを初めて連動して開催することができました。

スポンサーしてくださる会社もありプログラミング教育の普及啓発から少しずつだけど動きだしたな、という感覚がありました。

2016年に入ったあたりから私立小学校の授業で扱っていただいたり、公立の土曜教室をサポートしたり、先生向けの勉強会を開催したりと、学校での活動も少しずつ種を蒔き始めていました。

当時は教育や行政の知識があまりなかったので、創業初期から手伝ってもらっている現CTOが元高校教員だったのもあり、色々教えてもらい政策提言活動などもしました。

その地道な活動もあって、2016年に文部科学省の有識者会議を拝命いただき、今年は内閣官房 教育再生実行会議 技術革新ワーキング・グループ 委員を拝命しました。


――2016年からだいぶ伸びていますよね。

はい、創業当初の「こういう形になれたら良いな」というのに多少近づいて来たかなと思っています。

現在体制面では、CTOの田中が一人でプログル及びその他のシステム面を1名で、校長・教員経験者の2名が学校向けの研修を、若手のコーディネーター2名が法人、個人、行政からの支援・連携の実務を回すフルタイム6名の体制です。

▼メンバー写真@現在の渋谷オフィス


事業面では、小学校現場のプログラミング教育にフォーカスして、「人へのアプローチ」で3サービス、「テクノロジーのアプローチ」で2サービス、そしてその他のプロジェクトもあるので様々なことをたったフルタイム6名+インターンの1名の7名で実施しています。

人の面としては、まずプログラミング教育について知ってもらう為のシンポジウム「プログラミング教育明日会議」を全国各都市で20回開催してきました。その上で各自治体に出向いての研修会もこれまで47都道府県中33都道府県で自治体と連携して実施しています。そして、現在最も力を入れているのがGoogle.orgと協働で2021年3月末までの3年間で、全国に2,000人の指導教員を養成する「プログラミング指導教員養成塾」という事業を実施しております。

▼2017年度のプログラミング指導教員養成塾の報告会の集合写真


また、テクノロジーの面では、小学校の指導要領に沿った形のオンラインプログラミング学習教材「プログル https://proguru.jp 」の提供を実施しています。今回のプログラミング必修化が単独のアプリやゲームを作るのではなく、算数理科等の中でプログラミングを使うことになっており、その指針に合わせた教材になります。

▼プログルの多角形コースのキャプチャ画像


リリース1年半で16万人に使ってもらっており、対象となる5年生が全国で約100万人であることを考えると6人に1人の割合になるので中々良いスタートを切れているのかなと思っております。プログルについても2019年は次の仕掛けをしていきたいと思っています。また、我々のファーストパーティとして提供するプログルだけでなく、他のScratch等の教材も含めた様々な良質な授業の実践をシェアする「プロカリ https://procurri.jp 」も運営しています。これも多くの先生にご覧いただいていますが、我々が全国で支援した先生が実施した良い授業案を他所に広めるべく過半の事例は先生発の授業アイデアを掲載させていただいています。

しかし、それらの活動を実施する為には、土台となる企業や個人の皆様からの支援も必要で、パートナーやファンの方とのリレーションも大事にしています。


ーーなぜそのように色々なことをするのですか?

「出来そうなこと」からやっているのではなくて「やるべきこと」を考え、その中で「どうやったら出来るか」を工夫して経営しています。それでもなお自分たちの掲げる「全ての子どもがプログラミングを楽しむ国にする」というミッションには活動が足りていないと感じています。

わたしはこんな人と働きたい

ーーどんな人と働きたいとか、どんな人に来てほしいですか?

まず一番大事なのはビジョンやミッションに共感する人と一緒にみんなのコードを成長させていきたいと考えています。

今は小学校の2020年からのプログラミング必修化を推進していますが、今後さらに活動を広げる予定です。その方向性はまだ公には書けないので、興味を持った方は是非Wantedlyからランチとかしましょう笑

組織のカルチャーとしては、いわゆるNPOというよりもベンチャー的かもしれません。例えば、会社のバリューとして「1. 未来のDeveloperになろう、2. 多様性を強みにする、 3. 最初 x 最高 = 最大 」という3つを掲げています。

意図としては、「未来のDeveloperになろう」とは批評よりも未来志向で実践を大事にすると共に、自分たちも仕組みを開発する (Developする)ことを重視しています。

「 多様性を強みにする」とは、みんなのコードは先ほども述べたように、エンジニア、教育行政経験者、若手と多様な強みを持った集団です。ただし、その多様性はそのままでは単なる特徴であり、下手すると組織がまとまらなくなります。違う経歴を持ったメンバーの強みを活かしつつ、組織としての成果を最大限にできることを大事にしています。

最後の「最初 x 最高 = 最大 」は小さな組織が最大のインパクトを出す為には、最初に取り組みをリリースし、継続的に改善し最高のものを提供する事がベストだと設立からの活動を振り返り今後もそのスタイルを大事にしたいとの考えです。

教育に興味がある方で、ビジョンに共感する方、ぜひお待ちしています!

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