新型コロナウィルスの感染状況は、ご存じのように、東京オリンピックの頃よりも深刻さが圧倒的に身近になっている状況、出口は一体どこにあるのだろう、と世の中の模索が続いています。
今回はこの「新型コロナウィルス」ではなく、未来に向けた楽しくてちょっと心躍るお話を紹介します。分析機器・理化学機器を取り扱う「商社」中部科学機器の仕事が、どのように社会の役に立っているのか、というお話です。
まるで暗号
私「TJ博士」は、主にHPLC、LC-MS、GC-MS、FT-IR、ICP-OES、ICP-MSの取扱い(装置の理解、提案と販売)を得意としています。
“なんだ? この略語だらけは⁈ ” とご興味をお持ちになった方、ぜひググってください。
まずこれが、中部科学機器の大切な活動の一つ、「なんだ?!」と思ったらすぐ調べる!です。
分析装置って?
さて本題です。上記(略語たち)の中のICP-MSに関して今回は紹介していきますね。
ICP-MSは、高感度に試料中に含まれる元素を測定する装置で、金属、環境、土壌、半導体、ライフサイエンス等の広い分野で使われている分析装置です。
原理としては、アルゴンガスを燃焼することで何千度という高温のプラズマを作り、試料をイオン化し、質量分析計で質量を測定することで試料中の元素を高感度に測定する事ができます。
#高感度 #試料 #元素 #アルゴンガス #プラズマ #イオン化 #質量分析計 #質量
ふふ〜ん、専門用語がこんなに散らばっているセンテンス。「?」と思われる方、そう、当社の新入社員も、始めは???の連続です。 社内では「宇宙語」とも呼ばれています。
はやぶさ2 が持ち帰った、リュウグウの岩石
これを、具体的な事例でお話をすると、
2020年12月に帰還した小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星「リュウグウ」で採取したサンプルカプセル。それを日本に持ち帰ったことは皆さんの記憶にもまだ新しいと思います。
小惑星リュウグウが注目された理由は、この惑星が “太陽系の比較的初期の状態をとどめている” といわれるからです。
「東京工業大学」様から発表されているように(https://www.titech.ac.jp/news/2021/061161)その研究室では「はやぶさ2がリュウグウから持ち帰った岩石」が分析されていて、“太陽系の起源と進化”の解明が進むと期待されています。
実は、その分析に使用されているICP装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)、当社が販売いたしました。
分析するって?
繰返しになりますが、“太陽系の起源と進化”の解明が進む・・・それがこの分析に期待されていること。
「それが何か」「そこに何が存在するか」を解明するには、とても多くの工程と手間と精度が求められます。未知のものをダイレクトには調べられないので、今私たちが解かっている「特定の何か」を調べることを繰り返し、さらに現在の地球上のサンプル(岩石 等)と比較して「どれだけ似ているのか」「どれぐらい似ていないのか」を調べることで、地球の成り立ちが徐々に明らかになってくるのだ、と思ってください。
溢れる Wonder
私たちの住む社会、自然豊かな(実は、荒ぶる)地球、そして宇宙、そこには Wonder が溢れています。
このように私たちが取扱う、販売する装置は、これからのより良い環境の社会を導くため、過去を知り未来につなぐために活用される製品であり、私たちが関わっていく一番の喜びなのです。
2022.3 TJ博士
続きは、TJ博士の相談室 へ。 *2022年9月から別サイトで続編を掲載しております。