注目のストーリー
猫
株式会社かわっち
almost 4 years ago
ブー太郎放浪記 第一話「さえない係長」
田園都市線用賀駅前の商店街。時間は夜の22時過ぎ。残業や飲んだ帰りのサラリーマン、何をやっているのかわからない職業不詳の私服の人、大学生風の若者らが駅から家路に向かって歩いている。ブー太郎がいつものようにフラフラ歩いてると、疲れた様子のサラリーマンがブー太郎に近づいてきた。飲んだ帰りなのか赤ら顔で少し酔った様子。「あれ?ノラ猫だ。かわいい。こっちおいで」そう言うとサラリーマンは、手に持ったコンビニの袋からさっき買ったばかりのカニカマを取り出し、袋を破いてブー太郎に差し出した。「はい、これあげるよ」(・・・3秒ほど沈黙)「ほら?どうした?食べないの?」ブー太郎は、男の様子を少しだけ眺める。...
株式会社かわっち
almost 4 years ago
ブー太郎放浪記 序章「自由を愛する猫」
尻尾が枝のように2つに分かれた猫又のノラ猫・ブー太郎。誰にも飼われていないが、誰からも飼われている。ブー太郎がふらりと街を歩けば、人が寄ってきて可愛がったり勝手に身の上話を始めたり、時には泣いたり怒ったり。食べ物をくれる人もいれば、嫌悪感をあらわに刺すような目で見てくる人もいる。時には蹴っ飛ばしてくる人もいるが、そんな時は慣れた身のこなしで飛んでくる足を交わしすかさずその場を立ち去る。どんなことがあってもブー太郎は気にしない。エサも貰っても媚びない。刺すような目で見られても気にしない。蹴っ飛ばされても怒らない。全てはブー太郎にとって日常の出来事。自由を愛し気ままに生きるブー太郎。寄ってく...