CAMPFIREのミッションは、新しくなります。 - Reignite CAMPFIRE
CAMPFIREのミッションは、問いから生まれ変わりました。Reignite Projectで描いた、新しいミッション・ビジョン・バリューとその背景を公開します。
https://campfire.co.jp/reignite
※CAMPFIRE公式note Reignite CAMPFIREマガジン(2026年1月14日掲載)より、サクセスキュレーションユニット 佐藤の記事を紹介します!
CAMPFIREでは昨年、理念体系の刷新に向けたプロジェクト「Reignite Project(CAMPFIREを再燃させる)」を立ち上げました。市場環境の変化、クラウドファンディングの多様化、そして「お金」だけに留まらない価値を社会にどう届けていくのか。こうした問いに正面から向き合うため、経営陣だけでなく全メンバー、さらには社外の方々も巻き込みながら本プロジェクトを進めてきました。
第4弾である本記事では、ミッション更新の出発点となった施策である「17の問い」について詳しく紹介します。なぜ私たちは「答え」ではなく、「問い」から始めたのか。その背景とプロセスをお伝えできればと思います。
企業のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)をつくる方法は、一つではありません。ブランディングを専門とする会社に依頼する方法もあれば、経営陣が中心となって言葉を定めていく方法もあります。その中で、今回私たちが大切にしたのは、「社会とともにつくる」という姿勢でした。
経営陣だけではなく、全員で。社内だけではなく、パートナーやユーザー、さらには同じ領域で、あるいは手段は違えど同じ未来を目指す社内外の仲間たちとともに。多様な立場の人が関われる形で、ミッション更新のプロセスを進めたいと考えました。そのための手段として用意したのが、「17の問い」です。
問いという手段を選んだ理由は、大きく二つあります。
一つ目は、誰もが参加できる形にしたかったからです。CAMPFIREは、挑戦する起案者、それを支援する支援者、そして挑戦を共に広げてくれるパートナーなど、多くの人の関わりによって成り立っています。社会に必要とされる存在であり続けるためには、ミッションもまた、特定の立場の人だけで完結するものであってはならないと考えました。
ミッションを内側だけで固めると独りよがりになり、外側の声だけに寄せると実体を失ってしまう。どちらかに偏らないように、社員一人ひとりの実感(内側)と、社会やユーザーから寄せられる期待(外側)を同じテーブルに載せるための手段として、「問い」を選びました。答えを提示するのではなく、問いを投げかけることで、それぞれの立場や経験を起点に、同じテーマに向き合うことができます。
また、ワークショップや一部のメンバーに限られた議論ではなく、立場や職種に関係なく「考え、言葉にする」形で参加できることも重視しました。問いという形式は、社内メンバーだけでなく、パートナーやCAMPFIREユーザー、同じ未来を目指す社内外の仲間たちにも開かれた参加の形をつくることができます。
なお、本記事で紹介する問いは、実際にSNSを通じて誰でも参加することができます。ぜひ、あなた自身の言葉で向き合ってみてください。
二つ目は、10年先を見据えた耐久性のあるMVVにするためです。私たちが目指したのは、一時的な正解で終わってしまうような言葉ではありません。価値観が多様化し、社会や事業環境の変化が加速する中で、特定の選択肢を「正解」として固定することはますます難しくなっています。だからこそ必要なのは、変化のたびに立ち返り、考え続けることのできる軸を持つことだと考えました。
そのためには、答えを即座に定めることよりも、「問い続けられること」そのものが重要です。最初から「答え」としてのミッションを示すのではなく、何度でも考え直すことのできる問いと向き合うことを、このプロジェクトの出発点に据えました。
問いから始めようと決めたものの、正解のない問いと向き合うのは一定の時間とエネルギーを要する施策です。正直なところ「どこまでメンバーに本気で取り組んでもらえるだろうか」という不安はありました。そこで正式に問いを決定する前に、社内で試しに問いに回答してもらう時間を設けました。
オンラインで1時間、2問のみの実施。限られた時間ではありましたが、想像以上に多くのメンバーが真剣に向き合ってくれました。会の途中からチャットには次々と考えが投稿され、終了後には「良い時間だった」「足りていなかった会話ができた」といった声も寄せられました。
問いから始めることは、やはりCAMPFIREらしい。そう確信すると同時に、より本気で「良い問い」を考えなければならない、とプロジェクトメンバーの気持ちが一段引き締まった瞬間でもありました。
プロジェクトメンバーで何度も議論を重ねた結果、最終的に3つのカテゴリからなる17の問いが決定しました。
まず設定したのが、「個人の価値観や幸福」に関する問いです。MVVを考える前に、今CAMPFIREで働いているメンバーがどんな人たちで、日々どんなことを感じながら働いているのかを知る必要があると考えました。
プロジェクトメンバーの間では、「MVVには直結しない問いは、不要ではないか」という議論もありました。しかし、今回のMVV更新の目的の一つには、「新しいメンバーも増えてきた今、あらためて“全員のもの”になる言葉にしたい」という思いがありました。
単に“掲げる言葉”ではなく、“日々の判断に立ち返ることのできる言葉”にするためには、そこで働く一人ひとりの価値観や実感と断絶していてはならない。そう考え、このカテゴリはあえてしっかり残す判断をしました。
設定した問いは、以下の4つです。
問1. CAMPFIREで働くなかで、「楽しい」と感じるのはどんな瞬間ですか?
問2. あなたが考える「良い仕事」とは何ですか?CAMPFIREでそれを実現できていますか?
問3. AIと協働する時代。それでも、あなたの人間らしさが活きる役割は何だと思いますか?
問4. これまでに「CAMPFIREらしさ」を感じたエピソードを教えてください。
ここで大切にしたのは、「主観で良い」という前提です。何を楽しいと感じているのか、良い仕事ができていると感じているのか。正解を求めるのではなく、一人ひとりの実感そのものを知りたいと考えました。
また、本プロジェクトを始動した2025年は、AIの進化が急速に進んだ年でもありました。仕事を奪われる不安と、協働によって広がる可能性と期待。その両方が入り混じる中で、「人間らしさが活きる仕事とは何か」という問いは避けて通れないテーマだと考え、「問3. AIと協働する時代。それでも、あなたの人間らしさが活きる役割は何だと思いますか?」を設定しています。
実際にどのような回答が集まったかについては、今後のnoteで触れていく予定ですが、問4で尋ねた「CAMPFIREらしさ」に関しては、明確に答えられる人もいれば、「正直まだ言語化できない」と書いた人も少なくありませんでした。このばらつきそのものが、ミッション更新の必要性をあらためて浮き彫りにしていたと、今振り返って感じています。
二つ目のカテゴリは、「過去から現在までのCAMPFIREを知るための問い」です。創業から15年が経った今、CAMPFIREの中で何が変わり、何が変わっていないのか。価値観や判断軸、社会に対する姿勢をあらためて見つめ直し、言葉にするための問いを設定しました。
このカテゴリには、以下の4つの問いが含まれています。
問5. CAMPFIREがオールジャンルのプロジェクトを支援し続けることは、どんな意味を持つと思いますか?
問6. CAMPFIREが、他のどんな会社とも違うと感じる点はどこですか?
問7. CAMPFIREが直接貢献できている社会課題は何だと思いますか?
問8. あなたが考える「コミュニティ」とは、どのようなものですか?
中でも「問5. CAMPFIREがオールジャンルのプロジェクトを支援し続けることは、どんな意味を持つと思いますか?」は、CAMPFIREだからこそ投げかける意味のある問いだと考えています。特定のジャンルに特化したプラットフォームが増える中、CAMPFIREはあえてジャンルを絞るということはしていません。まちづくり、エンタメ、ガジェット、ソーシャルグッドなど、分野を問わず想いやアイデアが表明され、挑戦できる場であり続けてきました。その結果として生まれたユーザーやプロジェクトの多様性は、大きな特徴の一つです。
しかし、その多様性は強みであると同時に、難しさとして表れる場面もあります。それでもなお、私たちはオールジャンルという選択を、これからも意図的に続けていくはずです。だからこそ、その意味を自分たち自身の言葉で捉え直す必要があると感じ、この問いを含めました。
また、問8も欠かすことのできない問いでした。Reignite Projectが始まる前から、社内では「コミュニティ」や「コミュニティベースド」という言葉が頻繁に使われてきました。CAMPFIREは、クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」だけでなく、「CAMPFIRE Community」や「CAMPFIRE Creation」など、すでにクラウドファンディングに閉じない事業を展開しており、すべてのサービスを貫く考え方として「コミュニティを軸にする」という意識がありました。
特にクラウドファンディングにおいては、プロジェクト終了後も起案者と支援者の関係性をどう続けていくか、金銭的なやり取りにとどまらず、共感や応援といったつながりをどう育んでいくかが、日々の議論の中心にありました。一方、「コミュニティとは何か」という定義を揃える機会はほとんどなかったのも事実です。だからこそ、曖昧なまま使われてきたこの言葉を、あらためて一人ひとりの視点から問い直す必要があると考えました。
実際の回答は非常に多様で、挑戦を軸にした関係性、共助の場、安心できる居場所など、それぞれ異なるコミュニティ像が語られました。
新たなMVVでは「コミュニティ」という言葉自体は明示していませんが、目指しているのは、人と人のつながりが育まれ、その先に挑戦が続いていく状態です。CAMPFIREの未来を描くうえで、この問いと向き合うプロセスは不可欠でしたし、「コミュニティ」という概念は今もなお重要な検討軸の一つです。
最後のカテゴリは、「今の社会、そしてこれからの社会に関する問い」です。これまでの二つのカテゴリも欠かせないものでしたが、向こう10年を見据えたMVVを策定する上で、このカテゴリは特に重要だと位置づけました。
CAMPFIREが立ち上がった2011年と比べ、クラウドファンディング市場は大きく拡大し、その用途も資金調達にとどまらず、テストマーケティングやファンマーケティングへと広がっています。ある種成熟期に入ったとも言える今、クラウドファンディングは社会の中でどのような存在であり続けるべきなのか。そして、その枠組みを超えて、私たちは何を目指し、何を担うべきなのか。こうした問いに向き合うため、このカテゴリでは9問と、最も多くの問いを設定しました。
問9. クラウドファンディングでは、共感や応援の気持ちが「お金」として見える化されます。この仕組みに対して、あなたが感じたことがあれば教えてください。
問10. クラウドファンディングにおいて「大切なこと」もしくは、「まだ足りないこと」は何ですか。
問11. あなたにとって「人々の感情や共感を動かすプロジェクト」とは何ですか。
問12. 地域の挑戦にCAMPFIREが関わっていく意味はどこにあると思いますか。
問13. CAMPFIREが若い世代にもっと能動的に使われるためには、何が必要だと思いますか。
問14. これからのクラウドファンディングは、どんな方向へ向かっていくべきだと思いますか。
問15. かつて国や行政の役割だったものを、クラウドファンディング(民間)が担うことをどう思いますか。
問16. 「誰ひとり取り残されない社会」を実現するために、CAMPFIREにできることは何だと思いますか。
問17. パンデミックや自然災害などの有事に直面したとき、CAMPFIREはどのような役割を担うべきだと思いますか。
このカテゴリの問いは、作成段階から意見が分かれることを前提に設計しました。社会との関係性は単一の軸では捉えきれず、矛盾や葛藤を含んだ問いとして立ち現れるものです。その複雑さを無理に整理せず受け止めるため、あえて問いの数を絞らずに設定しました。
たとえば問9は、CAMPFIREが大切にしてきた「想いが先にあり、その結果としてお金が集まる」という構造を問い直すものです。お金として可視化されることは、社会的な信用につながる一方で、支援の背景にある気持ちや文脈を切り落とし、矮小化してしまう危うさも孕んでいます。だからこそ、この仕組みを運用する側として、また一人のユーザーとして、メンバーがどのような感情を抱いているのかを知る必要があると考えました。
問15も同様に、簡単に答えの出ない問いです。国や行政が担うべき役割を、民間であるクラウドファンディングが支えることには、常に賛否があります。CAMPFIREにも「なぜ税金ではなく民間の資金なのか」という声が寄せられることがありますが、一方で、行政の手が行き届かない領域や、待っていては間に合わない場面があるのも事実です。その狭間で生まれる葛藤を否定せず、まずは一人ひとりの率直な声を聞きたい。そんな思いから、この問いを含めました。
最後の問17は、有事におけるCAMPFIREの姿勢そのものを問うものです。災害やパンデミックのたびにクラウドファンディングが活用されてきた背景を踏まえると、これは私たちとは切り離せないテーマでした。これまでも、手数料を可能な限り下げたり、災害発生後に迅速に特設サイトを立ち上げたりといった対応を行ってきましたが、それでもなお「もっとできることがある」という感覚は拭えません。
特に、2025年には社内の有志メンバーによる能登合宿を実施し、能登地震で被災しながらもCAMPFIREを利用してくださった起案者のもとを訪れました。感謝や前向きな言葉をいただく一方で、「本当に大変な人はクラウドファンディングなんてできない」「もっと現場を知るべきだ」といった厳しい声も寄せられました。それらは決して他人事として受け流せるものではなく、参加したメンバー一人ひとりが、深く向き合わざるを得ない現実でした。
能登合宿は、社内の問いへの回答期間の後ではありましたが、この問いがアンケートフォームに文字を打って送信すれば終わるものではないことを、あらためて実感させられる出来事でもありました。もしまた災害が起きたとき、私たちは社会に対してどのように振る舞うべきなのか。何かが起きてから考えるのでは遅い。だからこそ、この問いを投げかけた意味は今もなお大きいと感じています。
このように、全部で17の問いを社内メンバー、そして社外の方々に投げかけ、回答を集めました。
その中でも、特に社内に問いを投げかける際に大切にしたのが、「『わからない』と書いてもいい」というルールを設けたことです。無理に答えを出させないことで、表面的な正解ではなく、立ち止まっている論点や迷いそのものが可視化されると考えました。
借り物の言葉で答えたり、無理に答えをひねり出す必要はない。わからない、難しいと感じているなら、それもまた一つの答えである。ただし、できれば「なぜわからないのか」「どこに引っかかっているのか」を、拙い言葉でもいいから書いてほしい。そんなメッセージを添えて問いを投げかけました。
結果として、約200名のメンバーが、自分の言葉で問いに向き合ってくれました。日々の業務で忙しい中でも、MVV更新を他人事として流すのではなく、自分たちが向かう方向性に関心を持ち、それぞれの実感を言葉にしてくれた。その回答一つひとつは、会社にとって大きな財産になっています。
そして何より、その姿勢そのものが、CAMPFIREという組織の現在地を前向きに示し、未来へとつながっていると強く実感しました。
こうして集まった声をもとに、新しいMVVはすでに形になっています。しかし、「17の問い」に対して答えが出たわけではありません。一人ひとりの回答も、会社としての判断も、社会や環境の変化によって更新されていくはずです。その過程で、また新たな問いが生まれることもあるでしょう。
大切なのは、その都度立ち止まり、「今、何を問うべきか」から考え続けること。問い続ける姿勢そのものが、ミッションを形骸化させず、意味のあるものとして保ち続けると考えています。
私たちが考えるミッションの強さとは、スローガンとしてただ揺るがないことではありません。日々の意思決定や事業づくりの場面で、何度でも立ち返り、照らし合わせることができる“判断の軸”として機能し続けること。そんなミッションのもと、問いはこれからも更新され、考え続けられていきます。
今後もnoteでは、Reignite Projectについて引き続きお届けしていきます。17の問いに対して、社内のメンバーがどんな言葉を寄せてくれたのかについても、触れていく予定です。ぜひ、次回も読んでいただけると嬉しいです。
▼カジュアル面談のご案内
CAMPFIREは社会に影響を及ぼす大きな変化を起こそうとしています。想像を超える大きな挑戦をしたい方、仕事を通してワクワクしたい方をお待ちしております。まずはカジュアル面談を通してCAMPFIREの今を深く知り、ご興味をお持ちいただけると嬉しいです。