<ボーダレスグループで成果を上げた(=ホームランを打った)メンバーの活躍を紹介する企画【HOMERUN】より抜粋したブログとなっております。>
今回は本革製品ブランド【ビジネスレザーファクトリー】から第4号ホームランが放たれました。バッターは、名古屋店リーダー岡田侑果(オカダユカ)さんです。
接客力の高いチームを作るために―まずは自分の感情を整える。
—早速ですが、毎月前年超えという驚きの事実を聞きました。その大きな要因は何なのでしょう?
オカダさん
「いえいえ、大それたことをしているわけではないんですよ。あえて言うならば、名古屋メンバーのチーム力にあると思います。名古屋のメンバーには、“お客様に最高のおもてなしをすること”を徹底し、お互いの接客について尊敬し合い、高め合おうとするチームワークがあります。そんな皆がコツコツ積み重ねてきた努力の結果なんだと思います。」
—リーダーとしてチームをまとめるために、気をつけていることはありますか?
オカダさん
「リーダーとはいえ、全部ひとりで決めないようにしています。ここは皆のお店なので、メンバーと一緒に作り上げられたら良いなと。予算のことや店舗施策のことなど、みんなに相談することで、自分ひとりでは到底考えられないような提案が出てくるんです。また、チームの一体感を作るためにコミュニケーションも積極的にとるようにしています。」
オカダさん
「あとは、ちょっと極端な言い方かもしれませんが“怒らない”ようにしています。指導や注意はしますが(笑)。というのも、心からの接客をするためには、お迎えする私たちが良い気分、いい表情でいることが何よりも大切。カッとなることはないですが、万が一そんな感情が出てきたときは、怒られたメンバーと怒っている私、両方の表情を想像し冷静になる。そして『なぜこうなった?どうすれば良かった?』を紐解いていくと発見に繋がり、次回に活かせるようになると思っています。怒るのではなく“一緒に考える”姿勢で相手のひらめきを導きたいんです。」
「あなたが決め手」と言われたら最高
—オカダさんはウェディングプランナーとして7年間勤めたのち、ビジネスレザーファクトリー名古屋店OPENとともにジョインしたと聞きました。前職でのやり甲斐に感じていたことを教えてください。
オカダさん
「前職では、お客様との出会いの瞬間に“いかに心をキャッチできるか”をいつも考えていました。式場を決めるときの出会いって、半年~1年の挙式日を迎えるまでのお付き合いが始まる大切な瞬間。お客様の人生の大切な役目を任せていただくために“どう心を動かし信頼関係を築くか”を意識していました。式場を決めた一番の理由が“私、オカダ”であったら最高!って。数字に追われることもありましたが、そんななかでも『どうやったらこの出会いを、仕事を、楽しみながら出来るかな』と考えてやっていましたね。」
(プランナー時代の写真)
—ずっと『接客』をシゴトにしているオカダさんにとって、ウェディングプランナーの仕事と現在の販売の仕事。お客様への関わり方は違うけど、大切にしている考え方があるといいます。
オカダさん
「プランナー時代よりもお客様へ関わる時間が短いぶん、いかに効率よく、心をキャッチできる伝え方ができるかにかかっているんです。そのためには目の前のお客様のことをまずは知ること。『このお客様は、なぜ来てくれたの?なぜこのアイテムが欲しいの?』そうして深掘りをしていくことです。すると、その先に『実は…』という解決へのヒントが見えてくるんです。」
オカダさんがお客様のニーズにこたえるためにした工夫をご紹介します。
■マイナスがプラスに変わる?魔法のノート
「お客様からの声には、その方がマイナスだと思っている点のご指摘が多い」と気づいたオカダさん。ある日、人気アイテム“ビジネスバックパック”に「仕切りがないんですね」というお客様からの声がありました。
オカダさん
「この時に『そうなんですよ』と返答するとそこで終わってしまいます。」
—たしかに…その場合、私だったら、仕切りがあったらいいのにと思いながらしぶしぶ購入する or 購入を諦めるか、です。
オカダさん
「そんな時、ビジネスバックパック=「仕切りがない」とノートに書きだします。そして仕切りがないことに対するプラスな点を探っていくんです。そうして生まれたキーワードは、次回の接客でこちらから先にお伝えすることができます。こうすることで、一見マイナスと捉えられることでもプラス要素として伝えることができます。例えば、『このバッグはお客様ご自身でお好きなスタイルで収納していただけるよう、シンプルに作られています。そのため、いろんな形状のものを入れやすく、あらゆるビジネスシーンでご利用頂けます』のように話してみたり。…そうすると、その質問をされた方も、確かにそうですね、と逆に価値を感じて頂けるんです。商品の魅力に誰よりも詳しい人になるために、ノートに書くという習慣は大切にしています。」
—オカダさんからは、他にもいろんな商品のプラス変換例を教えてもらいました。じっくり向き合った言葉の力で、商品の見え方が一気に変わることに驚き!これは、お客様が受ける印象や商品への愛着も違うものになるはず。
■お客様のストレスを最小限にする、魔法のポケット
—オカダさんの腰にある小さなバッグ。そのなかには商品のオーダーシートの束、刻印の見本革、革を拭きあげるタオルまで。
オカダさん
「この一式があればお会計以外のすべての接客ができ、常に店頭に出ておけます。レジはお会計をするための場所。並びが生じ、長い時間お待たせしてしまうことがないよう、店頭でお会計以外の接客を全て行います。お客様に『待つ』というストレスを与えることなくご案内するためのひとつの策なんです。」
—ほかにも、リピーター顧客が多い名古屋店ですが、各スタッフ別の顧客担当は特にないそうで。
オカダさん
「ひとりのお客様に店頭でのご案内、レジ、お見送りなど、各セクションで出会うオペレーションになっているので、全員がそのお客様の情報を共有でき『〇〇さんこんにちは』と誰もが声を掛けられる状態になっているんです。」
—ほかにも買い物をする立場に合わせたフレキシブルな体制作りの数々。既定の仕組みにとらわれず、すべてが徹底的にお客様目線。さらりとやってのける実行力に私はますます、オカダさんのシゴト観を聞いてみたくなりました。
■お客様のニーズに応える場所は店舗だけじゃない
—前職から沁みついたオカダさんの接客マインドは、こんなところにも。
オカダさん
「企業様から大口のお問い合わせがあった場合、候補商品やご予算、納期など全部ヒアリングしたうえで、直接企業様へお持ちし、ご提案しています。まるで百貨店の外商部のような働き方に驚かれます(笑)。でもその後に、その企業様が個人的に店舗に買いに来て頂くようになり、いつの間にか常連のお客様に変わったり。そうやってお付き合いが続くってとても嬉しいんです。」
■商品の価値はお客様が決める―バイカラーの挑戦
—ビジネスレザーファクトリーは品質の良い本革製品を手頃な価格で購入できることでも人気のブランド。その点において、バイカラー商品の価格は他商品に比べると少し高め。でも、名古屋店のお客様はバイカラー商品に興味をもつ方が多いということに気づきました。
オカダさん
「名古屋のお客様と会話のなかで常々感じていたのは、価格に価値を感じる方より商品の良さに価値を感じてくださる方が多いということでした。ご興味を持っていただく方が多かったので、ディスプレイ担当のガガ(山本里香)が思い切ってバイカラー商品を店舗の正面スペースに展開してくれたんです。その結果、大好評!高いから売れないと決めているのは私たちであって、決めるのはお客様なんだ、と実感した出来事でした。
■とっておきの周年企画—みんなの思いを商品化
—2019年の2周年イベント(3月に終了)。名古屋店らしい特別な企画をしたいと思ったオカダさん。かねてから思っていた願いをビジネスレザーファクトリー・デザイナー(吉田幸司)に相談してみることに。
オカダさん
「以前よりお客様からショルダーバックのご要望が多かったので、その声をカタチにしたくて。店舗メンバー皆でショルダーバッグの開発に取り組み、自信作ができあがりました。商品ができるまでの流れを全員が知ることができ、さらにブランドへの愛着も増し、思い描いたものがカタチになるとやっぱりテンションが上がって!接客のレベルも向上したと感じています。」
—まだまだご紹介しきれない取組みの数々。オカダさんがアイデアを実行に移す時に自分に問いかけること、それは「これは誰のメリット?本当に、お客様のデメリットを解決する一手になっている?」ということなんだとか。
深掘りをして先読みをし、想いをのせて動かす―もはや習慣となっているオカダさんのこの考え方が名古屋店の人気の秘密なのかも。
選んだのは、わくわくできる仕事
―そんなオカダさんがボーダレスに転職したきっかけは、前職の同期(加藤千穂)からの声かけ。名古屋店オープンに合わせ、リーダーに抜擢されたという背景があります。
オカダさん
「実はちょうど同じころ、新式場がオープンすることになりそちらからも声をかけて頂いていた時期で。迷いましたが、『わくわくできる方へ進もう』と考えました。ボーダレスのメンバーに会い、話をした日に『販売だけでなく、人を育成することや経営までを学べること』がステップアップに繋がると思ったのと、『自分の仕事がバングラデシュの雇用に繋がる』という仕組みにやり甲斐を感じて、すぐに入社を決意しました。」
―ジョインしてから約2年。着実に積み上げてきたここまでの経験から、この先目指していきたいことはありますか?
オカダさん
「やっぱり第一に、仕事はチーム。皆と気持ちよく仕事をできる環境を作ってきたいと思います。そのために、オカダ=話しやすい人、というキャラクターでいたい。『オカダと関わると面白いことがありそう』―そんな期待感をもってもらえるような人を目指しています。私を思い出すと、思わずニヤリとしちゃうような(笑)」
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オカダさんのインタビューを通して、その考え抜かれた接客スタイルや、メンバーへの信頼に溢れた言葉の数々に触れ、売上が常に前年更新という快挙は、お客様を想い、チームを想い、着実に結果を積み上げてきた結果なのだと感じました。