こんにちは!文響社の採用担当です。
社員インタビューの第3弾は2018年11月に入社した、デザイン部の穂坂麻里(ほさかまり)さんです!
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-まずは自己紹介をお願いします。
穂坂麻里です。文響社のデザイン室でデザイナーとして勤務しています。2018年11月に入社しました。現在はデザイナーという肩書きではありますが、私が担当するほとんどは、弊社の人気書籍シリーズである『うんこドリル』関連のイラストを描く仕事です。
-前職はどんなお仕事でしたか?
ソフビを使ったファッションフィギュアのブランドを展開しているおもちゃ会社で、デザイナー兼イラストレーターとして9年ほど働いていました。
ソフビのデザインや、パッケージデザイン、イラスト作成などおもちゃ関連のお仕事が半分、もう半分はバンドやアパレルブランド、ショップなどのグッズを作る仕事を請け負っていたので、そういうデザインやイラスト作成の仕事です。5人ほどの小さな会社でデザイナーは私だけ。デザイン関連はすべてひとりでやっていました。
大学4年の春からその会社でアルバイトとして働き始め、そのまま約9年間お世話になったかたちです。
私はもともと美大出身なのですが、大学4年になってもまわりの人たちはどちらかというと現代美術を追い求めるアーティスト志向の人が多く、就職活動という雰囲気がなくて。早く社会に出たかった私はなんとなく馴染めずに、デザインをさせてもらえそうな働き先をひとりで探していました。
実は私、音楽の道にも進みたかったくらい、音楽がとても好きで。結局音楽ではなく絵を描くほうに進んだわけですが、その経緯も、高校時代にすごく好きなCDジャケットがあって「こういうのを描けるようになりたい」と思ったからなのです。
そういう音楽好きの流れもあり、当時よく通っていたライブハウスにデザインの仕事をさせてもらえないか交渉をしました。もちろん、すぐにそういう仕事はなかったのですが、まずバーカウンターでアルバイトをしながらだったら働いても良いよと言ってもらえたので、そこで働きながらチャンスを伺っていました。
そうやってアルバイトを始めたのは良いのですが、簡単にいろいろ任せてもらえるわけもなく、ひたすらバーカウンターでドリンクを作る日々。そんななか、ライブハウスによく来ていたあるレコード会社の社員のかたと仲良くなり、デザインの仕事がしたいという相談をしたところ、知り合いにバンドのグッズデザインなども手がけているおもちゃ会社があるから、そこの話を聞いてみたら? と言ってもらえて。
それが、前職の会社です。
当時その会社は原宿に店舗があって、店番をするのであればパソコンを持ち込んで合間の時間にデザインをしてもいいという話だったので、そこにアルバイトとして入り、卒業後もそのまま働いたという感じです。
▼デザイン部フロアのエントランス。試作品やフィギュアなどが自由に飾られている。
-転職のきっかけはなんですか?
前職での仕事はとても楽しく、夢中でやっていたのですが、7年くらい経った頃から少しずつですが、ひとりで淡々と物を作っていくことに寂しさを覚えるようになったからです。
その会社では、私が入るまではデザインもイラストもすべて外部にお願いして成り立っていました。そのなかで私が「デザインがしたい」と言って働き始めたので、デザインもイラストも私ひとりでやることが当たり前になってしまい、途中で人員が補充されることがなかったのです。
もちろん、ひとりで物を作っていくことで勉強になることはたくさんあったのですが、だんだんと行き詰まってしまって。もっといい物にするにはどうしたらいいのだろう、と悩んだときに相談できる相手がいない、ずっとひとりで考えなければならないこの環境では、これ以上向上できない、という気持ちになってしまったのです。
それで環境を変えようと思い、転職活動を始めました。
仲間がいない環境に行き詰まったことがきっかけでしたが、学んだこともたくさんあります。特に、できるかわからないような注文がきても、デザイナーがひとりしかいない状況だからどうにかしてかたちにする、という経験を繰り返してきたおかげで、自分の理想がしっかりと頭にあればなんだってかたちにできる、なんとかなるのだという感覚が育まれた気がします。
そして、ソフビだけではなく、バンドのグッズやCDジャケットのイラストを描くという仕事も請けていたので、そういう部分では美大に入ったころの夢が叶った職場でしたね。
-なぜ出版社を転職先に選んだのですか?
実は、出版社を受けようとはまったく考えていませんでした。業種ではなく職種にこだわった結果です。
私はデザイナーの中でも、特にイラストを描くことに重点を置いているタイプだと思っています。デザインだけというよりも、イラストも求めてくれる会社があれば役に立てるし、力を発揮できると考えていたので、そのことを転職相談に乗ってもらっていたエージェントに話したところ、文響社を紹介されたのです。
1次面接が現デザイン室長との面接で、すごく印象が良くて。おおらかで柔らかい雰囲気を感じて「この会社かもしれない」と思いました。受賞歴もあるすごい人なのに目線を一緒にして話してもらえるし、なにより良いものを作ろうという姿勢がとても伝わってきて、この人と働けるなら、と、すごくピンときたのを覚えています。
他社もいくつか受けてはいたのですが、デザインの仕事でイラストをしっかり描けるところってすごく少なくて、「自由に描いて欲しい」と言ってもらえたのも文響社だけでしたね。
ただ、1次面接の後に実は個人的に不安要素が出てきてしまったので、最終的に入社を決めたタイミングはもう少し後になります。
▼デザイン部・室長の小寺練さん。2017年に第一弾として発売された『うんこ漢字ドリル』のデザイン・イラストを全て担当した『うんこドリル』とそのキャラクター「うんこ先生」の生みの親。現在はうんこドリル関連のデザインを手掛けながら17名が所属するデザイン部の室長としてチームマネジメントを行っている。
-最終的に文響社に入社を決めた理由はなんでしたか?
1次面接で「ここにしよう」と思ったあとに出てきた迷いを伝えたところ、その不安を解消できるように2次面接で社長やデザイン室の先輩など、実際働いているいろんな人の話をたくさん聞けるようにしてもらえました。その場で、聞きたかったことに真摯に答えてもらえたことと、何より、話を聞いた人たちがみんな本当に楽しそうだったのが印象的で、不安も払拭されました。
それと、面接を受けることになったときに初めてうんこドリルの中身を見たのですが、本当に面白い本だと感じたことも大きかったです。読者としてではなく、この会社に入るかもしれないという目で見たのですが、デザインの面でも本当にいいものを作ろうとしているということがわかったし、中の人たちが切磋琢磨してやっているのが伝わってきたので、直感で「大丈夫だ」と思えました。
-今現在はどんな仕事を担当していますか?
今はドリルに掲載するイラストや、付録のイラストを描くことが主な仕事です。カット絵の時もありますし、背景やキャラクターを描くこともありますね。多くの場合は外部の方と協力して複数人で描いています。
複数人のイラストレーターで分担する場合、もともとあるイラストにタッチを合わせて描く、というケースもありますが、うんこドリルシリーズの場合、基本はあまり合わせることは重要ではないと考えています。編集や作家さんが〝どういうドリルにしたいか〟ということが大切で、自分の描きたいタッチというより、一番その思いを実現できるタッチで描くということを意識しています。
イラストレーターってそれぞれのタッチに個性があると思うのですが、私にはそれがなくて「こういう作品を作りたいから今回はこういう絵を描く」という、ニーズに沿ってすすめるやり方が好きだし、合っていると思うのです。
作品を作る、芸術性を追い求めることに疑問を感じていた学生時代から、この感覚は変わっていないのかもしれませんね。
▼穂坂さんが担当したうんこちえドリルのイラスト(一部)
▼穂坂さんが担当したうんこ計算ドリルの中のイラスト(一部)
-入社して驚いたことはありますか?
今の上司はデザイン室長ですが、自分もプレイヤーでありながら、みんながやりたいことを実現するために動いてくれる人でもあり、見ている先や目線が同じだと感じます。そういう人が上司だという環境に驚きました。
仕事をやらされている感覚がなく、自分が動きたいから動く、という意識に変わったと思います。そして、仲間のひとりとして、より良いものを作りたいという感覚が生まれました。
イラストを描ける環境で仕事をしたいと思ったとき、フリーランスでイラストレーターになるという道が一番手っ取り早くて一般的な方法ですが、その際は少なからずアーティスト性が必要となってきます。どういう個性を持ったイラストを描くのかをわかりやすく提示しないと仕事は頼まれづらいですよね。
でも私はあえてタッチに個性を作らず、会社に属すことでみんな一緒の方向を向いて「今回はこういうものを作ろう」という共通の目的に向かってやっていく道を選びました。私の場合はそのほうが、イラストを描いていても楽しいし、より良いものが出来ると信じています。
だから、今、本当にとても幸せに仕事ができていると思います。
また、以前は成果物さえ完成させればOKと思って仕事をしていて、まわりと楽しく過ごす、という考えがありませんでした。でも今は、同年代の尊敬すべき仲間がいて、その人たちと共に心地よい職場を作ろうという考えに変わりました。みんなが心地よく過ごせたほうが良いものができる、ということはこの会社に入社して初めて気づいたことです。
みんなで働く良さ、会社で働く意味、というものを今とても感じています。
-今後の目標や夢はありますか?
今、入社して1年くらいですが、仕事のほとんどがうんこドリル関係ですので、いつかうんこドリルではないものにも挑戦して、絵本などが出せたら良いなと思います。
社長もチャレンジすることにとても肯定的で、「デザイン室主導の本もどんどん提案して良い」と言われていますし、そういう企画を考えていきたいですね。良い企画やアイデアはどんどん採用してもらえる環境なので、恵まれたその環境を生かして実現していきたいです。
▼穂坂が1人で描き上げた「うんこドリルの浮世絵」。2019年11月にドイツのフランクフルトで開催された世界最大級のブックフェア出展の際に使用され、海外からも大きな反響を受けた。
-これから一緒に働く未来の人へメッセージをお願いします。
私のように、アーティストとしてのイラストではなく、マルチにいろいろなタッチが描けるデザイナー的なイラストレーターの人で、より良いものが作りたいという気持ちがある人や、あまり作っているものが自分の感覚とマッチしないと思っている人がいれば、文響社はとても良いと思います。
会社に属するとつくるものとの距離がぐっと縮まるので「もっとこうしたらイラストもデザインも良くなるのではないか」と思えばそれを提案できる機会もたくさんあります。前向きに仕事ができる部分がとても多いです。
〝社員でイラストを描く仕事〟という選択肢が、ここにはあります。
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穂坂さん、ありがとうございました!