Brave group システム部に所属し、グループ内で3Dモデルの監修をしているCGディレクター 箕輪(以下、箕輪さん)、Unityでのライブ演出などを手がけるUnityエンジニア 阿部(以下、阿部さん)へ話を聞いた。
まず、お二人のご経歴をお伺いできますでしょうか?
箕輪さん:今まで長く3Dモデリングに携わってきましたが、最初に携わったのはゲーム業界です。スマートフォンアプリゲームが今ほど普及する少し前、2011年頃のブラウザゲームが主流のタイミングでした。
比較的小さめな会社で2年ほどMMORPGの開発をメインに行った後、IPを用いたゲームを開発する企業に8年ほど在籍しました。
その後、ゲーム業界から離れアニメーション業界へ移り、3DモデラーからCGディレクターを3年ほど勤め、Brave groupへ入社しました。
FPSゲームが好きだったこともあり、「ぶいすぽっ!」からBrave groupを知り、興味を持ったことがきっかけですね。
「面白い仕事がたくさんありそうだなあ」と思い、話を聞いたところ、本当にたんまり仕事がありまして(笑)。今は頑張る時ですね!
阿部さん:私はもともとUnityエンジニアではなく、業務系システムのプログラマーでした。2016年頃に秋葉原でVRヘッドセットの店頭プロモーションでジェットコースターに乗るアプリを実際に体験した際にXR業界に興味を持ったのがきっかけです。
そこからVRヘッドセットを購入し、仕事を続けながらUnityを学び、Unityを活用したコンテンツを開発する会社へ転職した後、Brave groupへ入社しました。
ゲーム領域にも興味はありましたが、よりXRの領域に近いVTuberやメタバースに力を入れているという点がBrave groupに入社する決め手でしたね。
所属されているシステム部について教えてください!
阿部さん:システム部全体としてはモーションキャプチャースタジオの運用・管理、リアルイベントの実施、3Dキャラクターモデル・3Dステージの作成、VFXを用いた演出制作などを行なっています。
その中で私が携わっている範囲はUnity周り全般ではありますが、その中でもライブ全体の世界観を作っていくことや、ライブの演出やギミックなどに携わることが多いです。
3Dステージの制作に関しては、箕輪さんと分担しながら進めています。
リアルなアーティストさんのライブとは異なり、我々のリアルライブはUnityを用いて行われるので、その辺りのオペレーションも含め担当しています。
箕輪さん:阿部さんが行っていることをカッコ良く言うと、「世界を創ってる」という感じですよね?
阿部さん:そうですね(笑)
箕輪さんが仰った通り、演出だけではなく、ギミック、ライティングなども含め、「空間作り」を担っています。
3Dモデリングはどのように行っていますか?
箕輪さん:ツールに関しては私が3ds Maxを長年使用していたということもあり、3ds Maxを主に使用しています。もちろん業務の中でMayaやBlenderを使用する機会もあります。
今は3ds Maxをメインで使用していますが、今後は最終的な成果物をどのデータで作成するのかを整理をしつつ、新しく入ってくる方の経験にも合わせながら、柔軟に策定していきたいですね。
制作フローについては、ゲーム・アニメと制作に携わってきましたが、VTuber業界でのフローは少し特殊だなと感じています。例えば、モデリングをしたものを実際にモーションキャプチャーで動かしてみないとわからない部分も多くあり、それをもとに修正が入ることもあります。
社内にモーションキャプチャーのスタジオがあるので作成後、すぐに試すことができるのは環境として良いですね。
スピード感を持って制作に取り組めているんですね。では今後、システム部の中で作り上げたいものを教えてください!
阿部さん:現状の我々の強みとしては3つあると思っています。
1つ目は自社IPを持っていること、
2つ目は社内にクリエイター・エンジニアが在籍していること、
3つ目はモーションキャプチャースタジオを保有していることです。
その中で、現状リアルイベントを行う場合、ARでのライブや、モニターにキャラクターを投影するような手法をとることが多いです。ある意味、「VTuberに来てもらっている」ような感覚ですよね。
これからは「私たちがVTuber側に行く」ような体験を提供していきたいです。これを実現しようとすると、現在ではVRゴーグルが主流ですが、テクノロジーは今後より発展していくと思います。そういった時流をしっかり掴みつつ、我々の強みを活かした、より良い体験としてのリアルタイムVRライブを実現していきたいです。
箕輪さんはいかがですか?
箕輪さん:私はグラフィックのクオリティをより高めていくために、グラフィック専門の組織を作りたいですね。現状はシステム部全体としてグラフィックに向き合っている状態です。
自身が思い描く組織としては、グラフィッカーがしっかりグラフィックを仕上げてエンジニア部門に渡せるような環境を構築していきたいですね。
グラフィッカーとして納得できるクオリティーを世に出していくためにも目指すべき姿だと思っています。
最後に、お二人が個人としてやり遂げたいことをお伺いできますでしょうか?
阿部さん:現在はUnityエンジニアとして従事していますが、モデリングにも興味を持っています。その中でいわゆる「ワールド」と呼ばれるVR空間を、ギミックなども含め個人で作成しています。
これからも作成を続け、界隈がより盛り上がっていくことに貢献し続けたいと思っています。
箕輪さん:個人的にも、Brave groupでも、やりたいことになりますが、映像作品を作りたいですね。もちろん、予算の兼ね合いもありますし、CGディレクターという立場からは少し離れてしまいますが、自身は映像に長く従事してきたという背景から、実現したいと思っています。
なぜなら、映像の経験を「自社IPがある」という環境で活かしたいからです。
例えば、今後ミュージックビデオやプロモーションの映像を手がけるなど、先ほど阿部さんが仰っていた我々の強みを活かしながら、何かしらの映像作品を世に出していきたいですね!
お二人が制作したものを見るのが今から楽しみです!本日はありがとうございました!
箕輪さん・阿部さん:ありがとうございました。
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