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『my values vol.2』がんばる人を全力応援する生き方

自分にとって「絶対の応援者」を見つけられたら、それだけでどんなチャレンジもできそうな気がする。

だれかの声援を受けて自分が全力で走るよりも、全力で走っている「好き」な人を全力で応援することに生きがいを感じる時、自分の目標を見失ってしまいそうになることもあるかもしれません。

話を聞かせてもらったのは吉澤 みずき(よしざわ みずき)さん。

大学受験中に勉強カフェ横浜関内スタジオの会員だった彼女を当時のマネジャーがスカウト。
アルバイト3年目で「大学を辞めて社員になりたい」と店舗マネジャー候補に応募してきた歴代最若年の生えぬき社員。
約1年のアシスタントマネジャーを経て、古巣、横浜関内スタジオのマネジャーを勤める入社3年目。
軽音ガールのイメージが強かった彼女は最近、某J2チーム(※1)の話題一色。

そんな彼女がどんな想いでブックマークスで働いているのか、今の気持ちを聞いてきました。
※1:東京と神奈川の県境をホームタウンとするJリーグに加盟するプロサッカークラブ。以下、「チーム」

みずき: 最近、自分の中で「力を入たいこと」が1個しか持てないかも、と気づく場面があって。

すごく好きなバンドのライブのチケットをとっていたのに、チームのホーム最終戦と被ってしまって。天秤にかけて、ライブは友達に譲ったんです。
服やメイクとか自分への関心も最低限になって。
興味関心すべてが「チームの応援」になってしまったのでは?とちょっと焦ります。

入社当時は「力を入れたいこと」がマネジャーとしての成長だったので、「なりたい自分」に向けてがんばっていた気がするんです。
私は、アルバイトから社員になったので、マネジャー就任当初はアルバイト時代にイベントやフリーペーパーを企画しながら感じていた、マネジャーになったら「もっとこうしたい」を形にできるんじゃないかと、まずは「マネジャーになる事」が目的になっていて、その先の目標を持てていなかったのかもしれないです。

いいスタジオにしたいという想いはあるので、他の人のがんばっている話を聞くと自分を振り返って焦る思いもあって……。
今は目標を探している気がします。

堀川:すごくサッカーにはまってるよね。

みずき:マネジャーになった頃、仕事以外は寝るだけという生活で、休日にすることを見つけたかったんです。
以前からテレビで見る程度にはサッカーに興味があったので、人のすすめもあって、好きな選手が移籍先から戻ってきたのをきっかけに試合を観に行きはじめたんです。
その選手は、練習でも常に本気で、悔しい時は悔しい、うれしい時はうれしい、とても気持ちが見えるプレーをするんです。
だから観ている私の感情もめちゃくちゃ揺れて。

そこに行けば会えるサポーター仲間がいるのもいいですね。
シーズン中は試合に行けば毎週会えるし、オフシーズンもSNSで仕入れたサッカーの話から始まり、その後は仕事や、家族の話とか。
きっかけはサッカーなのにこういう時間を共有できるのもすごくいいと思います。

(サッカーには応援する選手の旗を作る文化があるそう。左から順に新作。すごい上達っぷり!)

堀川:みずきちゃんのサッカー観戦の目的は応援すること?

みずき:そうです。
応援するチームは今はまだJ2なんですけど、大きくなるのが楽しみで。
だから(横浜出身だけど)応援するのはマリノスのような大きなチームではないんです。

堀川:ブックマークスにも「がんばる人を応援したい」って入社したよね?
でも今「力を入たいこと」の対象がサッカーでそれ以外のことに目が向かなくなってる気がする?

みずき:応援することが好きなんだと思います。
応援したいと思ったら、そこに見返りがあるかは関係ないんです。

サッカーに夢中、というのもあるとは思うんですけど……
少し前までは仕事でやりたい企画があったら少し状況がきつくても「まずはやってみよう!」と思っていたのが、最近はなにかと理由をつけて先送りにしている気がして。
慣れてきて新しいことに挑戦するのがちょっと怖いのかもしれない。
アシスタントマネジャーとして吉祥寺にいた時に「関内に持ち帰りたい」と思っていたものもあるんですけど、今だから見えてきた関内のこのままのよさもあって、「変えなきゃいけない」のか「自分が変えたい」のかよく分からなくなっている気もします。

堀川:今のメンバーなら現状維持か、改革かの2択じゃなくて、勉強カフェのコンセプトと会員さまのニーズの両視点で「現状のいいところ」から「こうなったらよりいい」をスタッフとアイデアが出せそうだね。

堀川:前回の記事を読んでくれたかもしれないけど、全社員と価値観カードをやりたくてですね。

みずき:途中から「読まないでおこう!」と思ってやめました。

―――価値観カードを「大切」か「大切でない」かで分けてもらう

堀川:大切がいっぱいだね!
次は「大切」か「すごく大切」かで分けもらえる?

堀川:一気に7枚!大切な順番に並べてみてくれる?
「すごく大切」に絞る時に一気に枚数が少なくなったけど?

みずき:深く考えないようにしようと思ったら、こうなりました。
これ(希望/やわらかな心/心地よさ/誠実さ/安定性)になるために『友情』『余暇』が必要な気がして。

堀川:そういう意味なら、その2つは「価値観」というよりも「物理的」なものかも?
5枚の方を大事な順番に並べてみるのはどうかな。

1『希望』この先ずっとこのままだろうな、つまらないだろうな、と思うのはいや。ずっとキラキラしていたい。
2『やわらかな心』決めつけてしまうのはもったいない。興味を持って受け止める心。
3『心地よさ』「ツラい」が積み重なると、失われてしまうもの。自分にとって心地よくなくなるとその環境から脱出したくなる。
4『誠実さ』どの人にも思いやりを持って誰とでも真面目に接すること。
5『安定性』変化がありすぎることは得意じゃない。ある程度安定していてほしい。

堀川:一番大切な『希望』
みずきちゃんにとって「つまらない」ってなに?

みずき:なんだろう……どんな感じですかね?
面白くなくてもやり続けなきゃいけない感じ?
先には「楽しみ」が常にあってほしいと思います。
例えば家でだと、単純なんですけど、家族とのクリスマスパーティーで何を作るか、どんなケーキにするかとかは楽しみです。

仕事では、キャンペーンなどの企画がいろんな人に届いて、新しい人に勉強カフェを見てもらえたら、とワクワクします。
これからポスティングやキャンペーンを通じて、勉強カフェが目に触れる機会が増え、来店のハードルが下がるといいなと思っています。

私、関内スタジオがすごく好きなんです!
自分がいいと思ってるものって人に勧めたくなるんです。
社会人になって改めて、新しく人とつながる機会って少ないと感じました。
ここなら同じ勉強をしている人や、同じような志を持っている人と知りあえて、有意義な時間を一緒に過ごせる仲間ができるかもしれない。
そういう出会いを探してる人に届いたらいいなって。
一度知ってもらえたら、その方が必要な時に思い出してもらえることもあると思うので、まずは見て、知ってもらいたいです。

堀川:「ずっとこのままはいや」という気持ちと『安定性』という価値観は相反したりしないの?

みずき:サッカーの試合結果で感情が左右されたりというのはあるんですけど、環境が安定していないのは得意じゃなくて。

堀川:なにかあると気持ちが揺さぶられすぎちゃうからこその『安定性』なのかな?
ずっとみずきちゃんの不倫小説好き(※2)が面白いな、と思ってたんだけど、それは「自分では絶対に体験したくない」ファンタジーみたいなものなのかな?

みずき:そうです!絶対に経験したくないし、しないであろう世界を楽しむというのがあると思います。

堀川:どうして現実はそんなに安定が大切なの?

みずき:恐くないですか?明日から突然お金が入りませんとか、家ありませんとか。
別々に見えるものでも全体は繋がっていると思うので、1つ崩れると、安定していると思っていた方も引っ張られてしまったり、バランスは崩したくないです。
ダメかもって思うチャレンジも絶対にしないです。

堀川:がんばってチャレンジしている人は応援したい?

みずき:そうですね。なにが違うんだろう?

堀川:でも、思い切って大学を辞めてブックマークスみたいなベンチャーに入社したよね。

みずき:自分の中に「好き」があると行動できるんです。
勉強カフェは、アルバイト時代を通して、こんな近くでがんばる人を応援できる環境がとても好きだと思いました。

でも退学届を出したのは実は内定が出てからなんです。
もしダメだったら大学生を続けていたかもしれないです。

ここ以外にいろいろなバイトもしましたけど、好きじゃないと感じて短期で辞めちゃったものもあって、それは仕事の内容そのものだったり、環境だったりいろいろですけど、仕事も好きじゃなかったら続かないとおもいます。

堀川:その「好き」『心地よさ』なのかな。
「好き」に基準や共通点はあるの?

みずき:基準はあまりなくて、「好き」の熱量が変化しながら気持ちが続くことが多いです。
お金も時間も限りある中で、今回はバンドとサッカーを天秤にかけたらサッカーでしたが、バンドも新曲が出たら買うし、ラジオも毎週聞くし、今でもすごく好きです。

共通点は、まだあまり大きくなくて、応援しながら成長する過程を見られることかな。

堀川:そういう気持ちがうちの会社や勉強カフェにもあったりするのかな?

みずき:ある気がします。

堀川:自分が好きなものが大きくなっていくのってさみしくなったりしないの?

みずき:よく聞かれるんですけど、ないんです。
大きくなった分好きな人たちに返ってくると思うので、大きくなればなるほどうれしいんです。
立てたことのないライブハウスに立てたり、もっとすごいものが見られるかもしれない。
そこを私は見たいのかな。

※2:「不倫をしている2人が報われるのは許せない」という価値観をもちながら不倫小説を愛する

堀川:決めつけてしまうことをもったいないと感じていて、『柔らかな心』が大切だと感じてるんだね。

みずき:最近、自分が人を選ぶタイプだと気づくことがあって。
ずっと自分は友達が少ないと思っていたんですけど、「友達へのハードルが高いだけで、予備軍はけっこういるんじゃない?」と言われたんです。

堀川:「知り合い=友達」とは思えなくて、知り合いだからしゃべるけど、友達かと言われると……?みたいなかんじだよね。
でも、自分のことを友達だと思ってる人はもっといるかもしれない?

みずき:そうです!
私は同級生より一足先に大学を辞めたんですけど、昨年みんなも卒業して、もうサークル活動もないのでLINEを整理したんです。
そうしたら、「連絡がつかなくなってみんなが心配してるよ」と言われて……
人とコミュニケーションをとるのは好きだけど、深く知ろうとしていなかったなと。
そう思うと、「理解できない」じゃなく「興味を持つ」スタンスでいたほうが自分にとってもいいのかなと。
今まで「こんな人もいる」で終わってたものが、最近はその先に「なぜこう考えるんだろう?」と興味を持てるようになりました。

堀川:でも、やっぱり整理された「好き」に囲まれた環境こそがみずきちゃんにとっての『心地よさ』なのかな?

みずき:コミュニティの中で誰かと誰かの仲が悪いとか嫌だし、一緒にいて自分がツラくなる人とはいられないな、と。
周りには「嫌だとすぐに切る」と言われるんですけど、そこまでの過程でも「今のそれすごく嫌だ」とか「そんな言い方ないじゃん」とか伝えてて、私にとっては積もりに積もってなんですよね。

堀川:『友情』『余暇』も心地がいい必要があって、それは「好き」じゃなきゃだめなんだね。
みずきちゃんにとって「心地いい」ってどういうことなのかな。

みずき:自分の思いを伝えた時に分かろうとしてもらえることは大事だと思います。
まず否定から入られると……。
結果的な意見は違っても、いちど受け止めてもらえるということが大切で、そのうえでなら違う意見も、説明してもらえれば私も耳を傾けられる気がします。

堀川:みずきちゃんにとって「すっごく居心地がいい」ってどんなとき?

みずき:自分と考え方が似ていたり、「わかる!」「そうそう!」みたいな会話が多いほど心地がいいです。

堀川:そうなんだ!「共感」かな?
価値観としては同じ『心地よさ』を大切にしていても、何を心地よいと思うかって人によって違うからおもしろいな。
たとえば、みずきちゃんが選んだ『誠実』
私にとってもすごく大切な価値観なんだけど、ここに書いてある、「自分に正直」ってすごく難しいと感じるんだ。

みずき:私はいやなものはいや、いいものはいいと自分の感情のまま動くタイプです。

堀川:私は、たとえば「人に好かれたい!」とかいう感情に正直に生きようとて、「これは言わないでおこう」とか「嘘も方便」とか、それができなくて。
「事実に正直」になっちゃう。
嘘をつかないことを『誠実』だと思ってるんだけど、ここに書かれているものとは違うのかなって。

『誠実』ってなんだろう?貝野くんも大事にしてたよね。

みずき:私は、たとえば「ガツガツしてるなと思われるのは嫌」だから、これは言葉にはしないで、どう行動しよう?とかすごく考えます。
だから、私の中の『誠実』はここに書かれているものとしっくりきます。

もう一つ、誰に対してでも同じ態度で接することも私にとっての『誠実』です。
有名人だからといって呼び捨てにしたり、自分さえよければいいように見える行動や、相手を見て態度を変える人などを見ると、『誠実』さってこういうところに現れるのかなって思ったりします。

堀川:この前、他の人と、対手に「敬意がない」と感じる時、その人に「他人に敬意を持てないダメな人」というレッテルを貼ってしまっていることってあるよねって、「敬意を持つ」ことの難しさについて話したんだ。

答えは出ないかもしれないけど、クレドルーティンのように常に「考え」て「言葉にしてみる」ことはすごく大事だよね。

クレドにあることは私たちにとってすごく大切な価値観で、それは発信し続ける必要があるんだけど、同時にそこに当てはまる人だけがコミュニティーにふさわしいと思ってしまうと、当てはまらない人へのリスペクトが欠けがちになるよね。

みずき:「リスペクトの気持ちを持つべき」という自分の枠に当てはめちゃってることですもんね。

堀川:最後に、みずきちゃんがブックマークスを誰かに紹介するときにどんな言葉でアピールする?

みずき:誰かと出会えて、色々な太さのつながりができる場所です!

堀川:それは勉強カフェじゃなくて?

みずき:あ!ブックマークス……
「1人1人がなにを考え、動いているかをしっかり聞いてくれる場所」です。

堀川:それがみずきちゃんにとっての『心地よさ』や、安心していられる「環境」を大切にする気持ちにつながってるみたいだね。

仕事でもプライベートでも、彼女のモチベーションは「好き」であること。
その「好き」な人が「がんばることを応援する」こと。

そして同時に、彼女にもファンがたくさんいます。
「まず自分からファンにる」その姿勢が彼女のファンを増やすことにつながっているのかもしれません。

このインタビューから数カ月、彼女の運営するスタジオでは会員さまも巻き込んだ交流会(※3)が立ち上がっていました。
想いに耳を傾け、協力してくれる仲間から、熱を持った企画の波となって、たくさんの人を飲み込んでいく、そしてその波は次の「がんばる人を応援する」新しい波を起こす。
そんな未来が見えてくるようです。

『心地よさ』を大切にする人が安心して応援者でいられる環境づくりも、人事としての私の仕事なのだと再認識する時間でした。

※3:満員御礼だったが新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中止

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