先日公開したメンバーインタビューでお話を伺ったデザイナーのHさん。実際にどのような業務を行っているのかをみなさんに知っていただくため、今回は実際の制作物とその制作プロセスを公開いたします。
普段は見ることのできないデザインの舞台裏を通じて、私たちが一緒に働きたいデザイナーの本質を感じていただければと思います。
制作物:BlueAI ロゴ
代表 平原からの依頼
「こんなイメージで作ってください!」
- ITコンサルファーム
- エンジニアリング
- 生成AI
- スマート
- かっこいい
- 高級感
- 洗練されている
- 先進性
このようなイメージの共有から、制作を開始しました。
スケジュール
依頼〜FIXまで:1ヶ月
▽1ヶ月間の流れの詳細
1週目:ヒアリング・競合/市場調査
- 代表への詳細ヒアリング(会社名の意味、求めるイメージの深掘り)
- 競合他社のロゴ調査
- ITコンサル・エンジニアリング系企業のロゴトレンド分析
- コンセプト方向性の決定
2週目:ラフスケッチ・初期案作成
- 手書きでのラフスケッチ
- 約10パターンの初期案を作成
- 白黒でのシンボルイメージ作成
- 代表とのイメージすり合わせ
3週目:案の絞り込み・ブラッシュアップ
- 10案から4案への絞り込み
- 選定された案の精度向上
- タイポグラフィ(文字ロゴ)の検討・決定
- ほぼ完成版の制作
4週目:色彩検討・最終調整
- カラーパターンの検討
- 最終的な色味の決定
- 横版・縦版レイアウトの作成
- 納品データの完成
デザインプロセス
①市場調査・コンセプト決定
まず徹底的な市場調査から開始。
BlueAIがITコンサルやエンジニアリングの会社なので、そのような系列の会社はどういうロゴが多いのか、どういう色が使われているのかを調査。信頼感をイメージづけるブルー系が多い印象です。
この調査結果をもとに、代表の要望である「シャープで高級感があって、最先端のもの」というイメージとのすり合わせを行いました。
②初期案作成:12パターンからのスタート
まず手書きでラフスケッチを描写。今回は12パターン程度作成しました。
BlueAIの「Blue」と「AI」を組み合わせたシンボルを中心に、さまざまなアプローチを試行。最初は白黒でシンボルイメージを作成し、色はあとから検討するという進め方を取りました。
③制作過程:初回案から最終案までの変遷
段階1:コンセプトシンボルの検討
- BlueとAIを組み合わせたシンボル案
- 人の形にも見えるデザイン(AIだけど人間味のある要素を表現)
- 道のような形状での表現
- シンプルでスマートなアプローチ
段階2:4案への絞り込み
10個から4個に絞って提案。似ているものがあったら、自分自身の中でより良いと思う案だけを見せます。(まったく違うパターンを見せることで、似ている案への意見分散を避ける)
段階3:代表からの新提案
ここで、代表から新たにイメージ画像の提案がありました。そのイメージをもとに、新たなデザイン方向が決定。最終的にこれがロゴのベースになり、画像右側のロゴができました。
段階4:タイポグラフィの決定
シンボルが決まったあと、文字ロゴ(タイポグラフィ)の検討に入りました。
ロゴが柔らかい感じだったので、それに合う柔らかめのフォントもあったものの、それよりは少し硬めの印象のものが良いかなとなり、このタイポグラフィに決まりました。
段階5:色彩の最終決定
エンジニアリング系のロゴには、青系の中でも冷たい青、紫が混ざった青がよく使われています。そのため、温かみがある青よりは、少し冷たい青を選択。
そして複数のブルーのトーンを検討し、代表が目指している方向性に最も適したカラーとして「ちょっとおとなしめで濃いブルー」が最終的に採用されました。
完成したロゴがこちら
最終デザインの詳細
最終的に完成したBlueAIのロゴは、シンプルでありながら先進性を感じさせるデザインとなりました。
デザインの意図・コンセプト
シンボルの意味
- 人の形にも見えるデザインで「AIだけど人間味がある」ことを表現
- 上向きの動きで「向上・発展」を象徴
- トップを目指すには近道はないことを表現
- シンプルな形状で「洗練性・先進性」を演出
カラーの意図
- 信頼感を表すブルーを採用
- 紫みを帯びた冷たいブルーで「先進的なテクノロジー」を表現
- 濃いトーンで「高級感・安定感」を演出
技術的なポイント
Hさんのデザインアプローチ
いろいろなパターンを出しながら、さらに良いものを作っていく方法
制作における重要なポイント
- 色は最後に決める
色はいつでも簡単に変えられるので、色が一番最後です。色から考えると、それに沿ったものしか出てこないかもしれない。
- シンボル制作に最も時間をかける
2週目(ラフスケッチ・初期案作成)の内容が一番大事。シンボルによって印象も決まるし、会社の顔、認識しやすいものなので、それを一番時間かけて作成します。
- 段階的な絞り込み
多数の案から段階的に絞り込み、最終的に1つに決定していくプロセス。
デザイナーとしての想い
実際に使われているのを見たら、やっぱり嬉しいですね。自分が作ったロゴが形になるっていうのは、デザイナーならではの嬉しいポイントだと思います。