blank canvas
ここはエンジニアが集う場所。お客さんからの依頼を、 ギルドのエンジニア達が 最適なチームを組んで解決する。それぞれが個人の力で 生きていかなくてはいけない時代に、自分の足で立ちながら、 仲間と一緒に仕事をする。ギルドはそんな場所なのです。
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本記事は「あなたにとっての仕事とはなんですか?」というちょっと哲学的な問いに対して、自分の中で納得のいく回答を作れていないような人に向けての文章です。長いです。しかも諸説ありです。参考までに。
唐突な話になりますが、質問に答えようと思った時に、その質問に使われている言葉について理解しておくのは大事なことです。 例えば、「今、暇?」って聞かれたときに、「今」と「暇」の意味がわからないと回答できないですね。ちなみに、この場合の「今」の意味は「過去とも未来とも言えない時」で、「暇」は「仕事のあいまの忙しくない時」だそうです。(出典:Oxford Languages)
なので、この質問は「過去とも未来とも言えない時、仕事のあいまの忙しくない時ですか?」となりますね。非常にわかりづらい文章になってしまいました。
辞書上は上記のような意味であるとされますが、「今」はともかく「暇」という状況に対する解釈は人によって別れそうです。「忙しくない」というのも、今手が空いているというだけではなく、他にプライベートな用事だったり考えたいことがあったり、他に優先度の高いやらなくてもいいことがあったり。そういうものがあるときでも「暇」と答える人もいれば、そうでない人もいるでしょう。存外「暇」という言葉は人によって感じ方が変わるように思います。自分なりに「暇」とはなにか?と少しは考える必要があるのかもしれません。
これは余談ではありますが、僕が日常会話でこのような「今、暇?」のような質問をされたとき、僕は多くの場合に「この後の話題によりますね」とか言ったりします。乗り気になる話題だったら「じゃあ暇です」となるし、全然だなーと思ったら「ごめんなさい、今忙しいです」となります(仕事の場においてはこんなことをしていたらすぐに干されそうです)。相手が誰かによっても返答はおそらく変わるでしょう。
さて、今回書きたいのは「今、暇?」の話ではないのでこれぐらいにしておこうと思います。今回は「仕事できてるなぁ」とか、「仕事をしているなぁ」とかを感じられるようになるにはどうしたらいいか、についての手がかりに関する雑記となります。
自分はもともと、自分がやっていることを常々「誰でもできる仕事をしているなぁ」と感じておりました。今思えば、誰でもできることを誰でもできるなりにできればまったく充分だろうとは思うところです。なかなかに自己肯定感が低くあり、「自分は仕事ができているんだろうか?」などと思うことが多々ありました。
当時の自分はそもそも、「仕事をしている」ということが指すものをよく理解していなかったように思います。なのでそもそも「誰でもできる仕事をしている」かどうかも本当はわかっていなかったし、「仕事ができているのか?」などという疑問のスタートに実は立っていなかったとも思います。
「今、暇?」理論によると、「仕事をしている」と自信をもって言うためには「仕事とは何か?」というのを漠然とでも自分の中で理解しておく必要があるはずです。そのうえで、場合によってはその認識を会社やコミュニティに合わせてアップデートしてみたり、自分にとっての仕事はこうだ、だから自分の仕事はこうあるべきである、といった主張する必要がある場面もあるかもしれません。とにかく、自分のやっていることがお金になっている理由を説明付け、自信を持って取り組むためにも、「仕事」という言葉の定義を整理しておくべきだったと思うのです。
おそらく僕は「あなたの仕事は何か?」という問いに歯切れよく答えられませんでした。「エンジニアです」とかっていうこと、すなわち辞書的な問いじゃなくて、もっと哲学的な意味の問いです。
この疑問に答えを出せなかった当時は、なぜ自らがお金をもらうことができるのかもわかっていませんでした。なんとなく、社会のシステム上は仕事をしたらお金がもらえる、に乗っかっている感じで。何がどう変換されることで自分の行いがお金となるのかをハッキリと見れていないような感覚で。同じような納得のいかなさを抱えている人もいるのではないかと思っています。
そもそも仕事ということは、依頼者の「お願い」に対し、なんらかの価値を提供する責任を果たすことに対してお金をもらうということだと理解しています。その責任は立ち位置によって異なるかと思いますが、たいていは何かを決定するか、何かの決定に従って行動するかです。決定された内容を満たそうと最善を尽くすこと。「仕事においてお金がもらえる」、という構図が当たり前すぎて考える機会が少ないように思いますが、価値提供の責任を全うして初めて仕事となり、それが有難い~~からお金がもらえるということになるわけですね。
まーたややこしい言葉が出て来ました。「価値提供」と「責任」。日本語やんなっちゃいますね。
取り急ぎ、「責任を全うする」についてはだいたい「示された条件を満たすように最善を尽くす」ってことです。「やってませんでした~」とかばっかり言ってるとダメだよってことですね。ちなみにやってませんでしたが絶対にダメってわけじゃなくて、「なぜやっていなかったのか?」の理由がセットであれば、相手が納得さえすれば責任を果たしたことになったりします(説明責任ってやつです。納得してもらえなかったらダメです)。がんばってなさそうだぞ?って思われると「責任能力がない」とみなされちゃって、仕事をお願いし辛くなっちゃうってことです。
では今度は「価値提供」とはどんなものか。価値があるものが何かは、顧客がどう思ったかで決まります。喉が渇いている人や泥酔している人にとって水を渡すことは高い価値提供でしょうが、溺れている人に水を渡しても価値はおそらくないでしょう。価値は顧客が見出すものです。
ここで考えるべきことは「助ける」という観点だと思います。お金を払ってでも何かお願いをしたいよ、という人は何かに困っている。何かに困っている人は、自分の困っていることに共感してくれたり、一緒に解決を目指してくれる人にお金を払い、問題を解決してもらいたがっている。だから、その人の困っていることを解決してあげられるように、わかってあげられるように助けになるように努めるのが大事なことだと思っています。その人にとっての助けになることができれば、その人の役に立てれば。その時にはきっと喜んでお金を払ってくれるし、次も頼まれる。それはよい仕事をしたということでしょうし、次の仕事に繋がります。
ところが言うは易し、とても大きな課題があります。相手にとって助けになるものは何か、というのを察知する必要がある場合がままある点ですね。困っている人は多くの場合、自分がなぜ困っているのかよくわかっていなかったりする。「困っていそうだなー」と思うことさえできれば助けることはできても、何で困っているかがわからなければどうにもならない、みたいな状況は少なくないように思います。
他にも、「困っているものの、この人は信用できるものだろうか・・・」と疑われてしまうと、本来の困りポイントを教えてくれなかったりする。助けになりたくとも、これでは難しい。(ただしこの点は、一度助けになったという実績があればだいぶガードを下げてくれることも多い)
なので、人の助けになるために大事なことは何かというと、何について困っているかを的確に聞き取ったり、何について困っているかを積極的に話したいような人に自らがなることだったりする。とにかくこの人は何に対して、なぜ、いつから、どういった経緯で困っているのか?というのを少しでも多く知ろうとすること。具体的にはどういった方策を考えているのか、それはいつからいつまでにやりたいのか、それはいくらぐらいの金額感のものなのか。少しでも多くの情報を得ることで、その困りポイントの輪郭ははっきりしてくる。
経験を積んでいくと、少ない情報からでも「このタイプの困りごとは、こういう解決策がいいものだ」とか、「この困り方をしてる人は、こういう考え方の人が多い」とかっていう統計に基づく推定(ある程度偏見でもあるので取り扱い注意)ができるようになってくる。この状況になると、助けになれる確率は上がってくる。いい仕事ができるようになる頻度も上がってくるんじゃないかな、と思います。
ちょっと長くなりすぎなのでこれぐらいに。まとめるとだいたいこんな感じでした。
最後の「困りごとを話したいと思えるような人」については、またの機会にでも。
ではまた。駄文雑文長文失礼仕りました。
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