Visionalグループ 株式会社ビズリーチでは、2023年4月に入社した新卒プロダクト職(エンジニア/デザイナー)を対象とした新卒研修を約3ヶ月の間実施しました。最初の約1ヶ月間はビジネス職と合同で顧客志向を中心に学び、その後はプロダクト職としてモノづくりのプロセスや品質の基礎を学びました。
研修を通して得た学びや変化について、受講した社員が3回にわたりご紹介します。
本記事では、ビジネス職とプロダクト職が合同でモノづくりのプロセスを学んだ「まちづくりワークショップ」について、プロダクト職(エンジニア)の佐藤がお伝えします。
※このストーリーは、2023年8月24日に、企業ブログ「Visional Engineering Blog」で公開した記事を転載したものです。
「まちづくりワークショップ」とは?
本研修の目的は、レゴを使った「まちづくり」を通じて、プロダクト開発の一連のプロセスを体験することです。4〜5人で1つのチームとなり、それぞれのチームでまちづくりを行います。 それぞれのチームは家族という設定で、家族構成や1人1人のプロフィール、まちへの要望について議論して、理想のまちの全体像を決めます。その上で、他のチームの家族が描いたまちの要望に応える開発チームの立場に移行します。 つまり、1つのチームは、「要望を出して、判定する役割」と「他のチームの要望をもとに、開発を行う役割」を担います。
なお、去年はプロダクト職(エンジニア/デザイナー)のみで行っていたのですが、今年はモノづくりのプロセスを全職種が理解するために、ビジネス職も合同で実施しました。
成果物のお披露目
チームで作成した成果物は、全員に披露します。依頼者チームのリーダーが成果物の合格/不合格を判定します。合格となった場合のみ、その開発チームの正式な成果物として認められます。
学び(エンジニア視点)
今回のまちづくりワークショップを通じて得られた学びについてご紹介します。また、共に研修を受けたデザイナーの山本の視点での学びも続けてご紹介します。
1. 要望の背景を理解することが、非常に重要であること
今回の開発を通じて、その要望に対する背景を理解する重要性を学びました。
1回目の開発では、要望の十分なヒアリングを行っていませんでした。結果的に、勝手な想像だけで開発を行ってしまい、開発した成果物が要望を満たせていませんでした。
その反省を活かして、2回目の開発では、開発に取り組む前に要望したチームにヒアリングを細かく行うことにしました。要望に対する背景を理解することで、事前にアウトプットのイメージをすることできました。
2. 要望の「どの機能」を優先して作成するのか、考えることが重要であること
自チームが貰った要望の1つに、明らかに時間内に全ての機能を満たした100%の完成が難しいものがありました。
チームで話し合った結果、大事な要望に焦点を当てて開発を進めることにしました。そして、それぞれの開発をメンバーで分担し、担当者が集中して取り組むようにして、時間内での完了が難しそうであれば、他のメンバーがサポートするようにしました。
最終的な成果物として、最低限の機能を完成させられたので、チームの成果物として合格をもらいました。
限られた時間の中で、どの機能に焦点を当てて、実際に取り組むのかを考える重要性を学びました。
3. タスクの管理が、チームの生産性を左右すること
今回の開発では、誰がどの機能を担当しているかのタスクをホワイトボードに貼り付けて、そのステータスをメンバー全員が見えるようにしました。タスクのステータスを定期的に更新する必要があるのですが、つい開発に夢中になってしまい、更新を忘れてしまうことが多かったです。 そして、他のメンバーが何を行っているのか、分からない状態になってしまい、何度もチーム内の連携に失敗してしまいました。
例えば、自身のタスクが完了した時に、未着手のタスクに取り組んだのですが、ワークショップの終了後には、未着手のタスクに取り組むよりも、他のメンバーのサポートをした方が効果的であったと判明しました。 タスクの更新を怠らなければ、このような事態を防げて、チームのアウトプットを最大化できると考えました。
学び(デザイナー視点)
デザイナー視点として山本の学びもご紹介します。
1. 早い段階でフィードバックをもらい“ズレ”に気づくこと
今回のまちづくりでは、お披露目の場で開発チームは依頼者チームから成果物の合格/不合格の判定と判定理由を一緒に伝えられます。
私たちのチームは、1回目の開発で要望と成果物のズレをフィードバックで指摘されました。 このフィードバックを受け、2回目の開発では軌道修正を行い、要望とズレた開発を避けながら進められました。
完成しきってから見せるのではなく、早い段階で見せてフィードバックをもらい軌道修正を重ねることが結果的に早く開発できるのだと実感しました。
2. 問いかけを通じて本当に叶えたいことを整理する大切さ
私は依頼者チームを代表して、開発チームとのやりとりを担当しました。
ヒアリングでは、開発の優先順位に関する質問を受けましたが、優先順位が曖昧だったためすぐに回答できませんでした。
チーム内で「そもそもこの機能は、誰のどのニーズを叶えたいのか」という視点で再考しました。これにより、「顧客が本当に欲しかったもの」を開発するという目的を再認識して優先順位が決められました。
また、依頼者の経験を通じて、本当にやりたいことを言語化するのは難しく、第三者の問いかけを通じて本当に叶えたいことを整理する重要性を実感できました。
おわりに
今回の「まちづくりワークショップ」を通じて、プロダクト開発を擬似的に体験しました。
要望の背景を理解する重要性や、開発の優先度を付けること、タスクのステータスを更新する大切さを実感しました。
また、職種に関わらず全員で同じ熱量でワークショップに取り組んでおり、色んなアイデアの共有や開発の進め方の提案を行ってくれました。配属後も一緒にプロダクトを成長させる仲間として、本当に頼もしい存在であると感じました。
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