インタビューテーマ 次々と新しい技術が出てくる、Webサイト制作の現場。成長著しい業界で今どんなエンジニアが求められているのか。ビットエーで、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアを率いるマネジャー2人に、最近のWebサイト制作のトレンドや、これからのビジョンに至るまで聞いてきました。 Webの進化でフロントエンドエンジニアと バックエンドエンジニアの境界が曖昧になってき 杉田 :フロントエンドエンジニアは主にWebサイトの見た目の部分を制作するエンジニアで、バックエンドエンジニアはサーバ側で動くプログラムを担当するエンジニアのこと。それぞれが担当する領域や使用するプログラミング言語も異なります。ただ最近ではWebサイトの構造が進化して来ており、バックエンドとフロントエンドの境界が曖昧になって来ているように感じます。一人のエンジニアに求められる技術領域も広がってきているということですね。
工藤 :私はフロントエンドエンジニアのマネジメントを担当しているのですが、フロントエンドエンジニアと呼ばれている領域は昔と今でかなり変わってきています。もともとは“デザイナー”と呼ばれていた時代もあり、HTMLやCSSを書くのが主な仕事でした。ですが、今ではプログラミング言語を書いたり、バックエンドエンジニアが担っていた部分をフロントエンドエンジニアが担当することも。たとえば、未ログインのサイトでも当たり前のようにSPAが実装するようになってきて、複雑なJavaScriptを書くシチュエーションが多くなってきたり、BFF(Backends for Frontends)の層の実装は、バックエンドの知識がなくては実装しにくく、中のコードはサーバーサイドになるので、必要な知識や実装力が求められています。
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの 両方を理解したエンジニアが求められている 杉田 :私はバックエンドエンジニアチームのマネジメントをしていますが、チームのメンバーにも、フロントエンドエンジニアについてある程度は学んでもらっています。これからは「バックエンドエンジニアだから、フロントエンドエンジニアは全く知りません」というエンジニアだと厳しい時代になっていくと考えています。境界が曖昧になってきているということは、両方を理解していないと効率よく実装ができないといった場面も増えてくるということなので。ただ、軸足は持っていてもよくて、バックエンドだけをやりたいエンジニアも大歓迎です。バックエンドの技術力を上げていく過程でフロントエンドの知識も必要になる場面が増えて来ましたよ、ということですね。ビットエーには両方の案件がありますし、技術力の高いエンジニアもいますので、両方のスキルを上げていきたい人には良い環境だと考えています。
工藤 :境界が曖昧になるにしたがって、開発手法も進化しています。たとえば、“コンシューマードリブンコントラクト”と呼ばれている開発手法があるのですが、これはフロントエンドエンジニア側からのAPIの設計を、バックエンドエンジニアにコントラクトを取りにいきます。昔だと、バックエンドエンジニアが作ったAPIをフロントエンドエンジニアが利用していましたが、“コンシューマードリブンコントラクト”ではフロントエンドエンジニア側が主体で、バックエンドエンジニア側にAPIを要求します。フロントエンドエンジニアが欲しいカタチでAPIをもらった方が、Webサイトを描画しやすいからです。バックエンドエンジニアはよりシンプルにビジネスロジック側の実装に集中できるようになり、Webサイトのビュー側の実装はフロントエンドエンジニアに任せられるようになったと言えるでしょう。
これからのエンジニアこそ、コミュニケーション力が不可欠 杉田 :エンジニアに求められるのは、技術スキルだけではありません。開発はチームワークになるので、それを最大限に生かすためにも、メンバーとのコミュニケーション力が必要不可欠。クライアントと会話して課題のヒアリングを行ったり、開発したプロダクトを「こういう理由で、こういう風に開発しました」とプレゼンする場面もあります。ただ、クライアントと近い位置でエンジニアリングできる環境になっているので、そういったスキルも自然に身についていくと思います。
工藤 :あとは「プロダクトは作って終わりではなく、作ってからがスタート」という観点をエンジニアは持って欲しいですね。運用してみないとわからないことの方が多いので。たとえば、ユーザーに使ってもらって「この画面見られてないね」「レスポンスが遅いからユーザーが離れているね」とか、反応を見ながらどんどん改良を加えたり、自分たちがした設計はエンハンスしたり、改修したり、新しいメンバが参加したりして、変更を加えていくことで初めてよかったかどうかの評価ができるので。
エンジニアから、クライアントに提案することも時には必要になる 工藤 :プロダクトによるとは思うのですが、エンジニア側から課題解決の提案をすることも必要になってきます。クライアントのビジネスをきっちりと理解していることが前提になりますが、ビットエーにはそういった提案をしているエンジニアは多数います。事業構造や、プロダクトの特性などを十分に理解した上で、数値に基づいた説明でクライアントに提案しています。
杉田 :バックエンドエンジニア側もありますね。クライアントから「こういう機能を実装してくれ」と言われた時に、そのまま実行しようとするのではなくて「なぜ必要なのか?」をヒアリングして、理解して、検討して、提案していかないとクライアントが本当に求めている課題解決ができないこともあります。 ケースによっては、簡単で効果が大きい案をクライアントに提案することもあります。ビットエーではクライアントとエンジニアとの距離が近いから、エンジニアからの提案などもしやすい環境になっています。
ビットエーでは幅広いキャリアパスを描くことができる! 杉田 :ビットエーは創業からまだそれほど年月が経っていないため、キャリアパスの前例はそこまでありません。逆に前例がないからこそ、これから道を切り拓くには良い環境だと思っています。もちろんポジションに合っているかどうかは判断しますが、キャリアパスは自由に描いて欲しいです。
工藤 :たしかにキャリアパスの道はさまざまあって、制限はありません。たとえばマネジメント、ディレクション、エンジニアリングとしてフロントエンドを突き進める方向もありですし、フロントエンドからバックエンドに移ったり、インフラに転向することもできる。フロントエンドを突き進める方向の中にも選択肢は多く、パフォーマンス・チューニングだったり、AMPやPWAなどの新しくアップデートされる仕様をキャッチアップしながらプロダクトに反映させたり、幅広いキャリアパスの方向性はありますね。
ビットエーは今、事業規模の拡大をともに目指せるエンジニアを募集しています。3年後には300名規模の体制実現に向けて、組織や土台作りを行っている最中です。なぜ事業を拡大したいのか。それは事業拡大をすることで、さまざまな会社のプロダクトを作れるし、そこで新しい知識や経験が得られるからです。開発手法も使っているアーキテクチャーも業界によってさまざまですので、さらなる成長を目指せると思います。
杉田 :ただ、これからの時代は人口は減るがデジタルで解決したい課題の量と質が上がり、デジタル人材がどんどん不足していく。人材が不足して『プロダクトのクオリティを下げるしかない』という企業が多いと思うのですが、ビットエーはそうならないようにしたい。クライアントのやりたいことやビジネスの課題をテクノロジーで解決できる、優秀な人材を育てていきたいと考えています。
工藤 :デジタル人材を求める企業は増えていますが、人材は不足しているのが実情です。だからこそ事業も魅力的、働いている人も魅力的にしていき、会社としての魅力を高めて人材が集まるようにしていきます。
Member Profile デジタルソリューション事業部 ゼネラルマネジャー 工藤ウィリアム暢
多摩美術大学卒業後、NPOのIT事業部で大規模開発のフロントエンド領域を担当。 その後ビットエーに入社し、Node.jsのコミッターなど、フロントエンド領域のプロフェッショナル集団の中で、React/Reduxを中心としたフロントエンドアーキテクチャの啓蒙と導入支援を実施。事業運営上の様々なステイクホルダーからの課題共有を受け、UI/UXやSEO施策などによる改善提案などを行う。
デジタルソリューション事業部 ゼネラルマネジャー 杉田文一
京都大学理学部卒業後、国内最大手半導体メーカーに入社し、STBに搭載されるLSIの表示系ドライバなどのソフトウェア開発に8年間従事。その後Webエンジニアとして2013年にビットエーに参画。現在はインフラ、データベース設計、サーバサイドプログラムを一手に引き受けるバックエンドチームのマネジャーとして活躍中。また、技術開発室室長を兼務し、社内システムの開発、サーバ保守運用、ネットワーク保守なども行う。
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