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D365と結婚?!エンジニア人生をかける価値がある、その理由とは

ERP(統合基幹業務システム)は、企業DXにおいて切っても切り離すことができない重要な鍵を握る分野です。そのERP市場は「2025年の崖」という言葉に代表されるように、複雑化・老朽化しつつあり、その経済損失を避けようとかつてない動きを見せています。そのような状況の中で大きな存在感を見せているのが、「Microsoft Dynamics 365」(以下、D365)です。

実際アバナードには、D365を活用したDX相談が増え続けており、2021年はD365にとってもアバナードにとっても非常に重要な年になると言えます。

今回は、そのD365を活用して企業DXを推し進める、D365部門 シニアディレクターの中込秀平さんと、同じくD365部門 ディレクターの内藤淳史さんにお話を伺いました。

[ 写真左:中込、右:内藤 ]

中込 秀平(なかごみ しゅうへい)/D365部門 シニアディレクター
大学卒業後、独立系ソフトウェアベンダーにてプログラマとしてキャリアをスタート。2004年、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズに転職し、2005年の日本法人設立と同時にアバナードへ移籍。長きにわたりD365の前身であったMicrosoft Dynamics CRMに従事し、2019年よりERPおよびCRM部門全体のプロジェクト アサインメントおよび採用、トレーニング提供を担っている。

内藤 淳史(ないとう あつし)/D365部門 ディレクター
海外留学を経て、アメリカ・ニューヨークの旅行代理店にて非エンジニアとしてキャリアをスタート、業務基幹システムとの接点をもつ。2001年のアメリカ同時多発テロを機に、エンジニアの道へ進み、拠点を日本へ移す。日系の基幹システム販売・管理会社、Microsoft Dynamics取扱会社にてキャリアを積み、2019年の1月にアバナードに入社。現在は複数プロジェクトを横断しながら、ERPプロジェクトのリードを務めている。

2021年、D365によるERP革新は大きく花開く

——内藤さんは去年、TECH PLAYによるインタビュー取材で既存ERPの実情をお話しされていましたが、現在のERP市場の状況はいかがでしょうか?

内藤 淳史(以下、内藤):新型コロナウイルス感染症の影響によって、今まで以上にDXのスピードアップと、ERP見直しニーズの高まりを感じています。

しかしながら、D365を検討されるお客様からいただくご相談は、最終的には「D365は、うちの企業に耐えうるシステムなのか?」という質問に落ち着きます。ERPを見直したいと思いながらも、D365に確信が持てず、最初の一歩をなかなか踏み出せない企業が多く存在する、というのが現状だと思います。

D365というのは、従来とは全く異なる設計思想のERPですし、ERPは企業基盤を支える非常に重要な部分になりますから、二の足を踏む気持ちも理解できなくはありません。それに、日本は変化を嫌うカルチャーがいまだに根付いていますからね。

でもそろそろ、その状況に大きな変化が現れるはずですよ。


——どんな変化が起きるのですか?

内藤:言うなれば、去年と今年はD365によるERP刷新の土台を固めていた年。年内には複数の大型プロジェクトが完了する予定で、その成功事例を持ってして、2021年はD365によるERP革新が大きく花開くと確信しています。

正直私たちからすると、海外での成功事例は数多く知っているので以前からD365への確信は変わらないのですが、お客様に提示できる日本国内における実績が少ない中では、お客様側で意思決定するに十分な判断材料が提供できていなかったんですよね。

D365の見え方が「確かな実績を持った、将来性のある的確なソリューション」に変わることで、ERP市場は大きく変わっていくと思います。


——とすれば、アバナードにも大きな変化があるのではないですか?

内藤:そうですね。アバナードによるD365推進プロジェクトは確実に増えていきます。

ですが、今ですらERP人員が足りずにお待ちいただいたりお断りしたりする状況にあるのに、それがもっともっと…(汗)。


——つまり、もっと仲間が必要なんですね!

内藤:その通りです。

現在アバナードは、アクセンチュアとマイクロソフトとの3社協働で立ち上げられた、アクセンチュア マイクロソフト ビジネス グループ(AMBG)の一員として、大型プロジェクト推進やソリューション創出に努めています。

今年のプロジェクト完了を持ってしてそれが形になるので、おそらくアバナードとアクセンチュアにとっては、他企業が持ち得ない最強のアドバンテージを持つことになり、まさに「無敵」状態になるといっても過言ではないと思います。

そのような状況の中で、アバナード単体としては、自社のみで完結するプロジェクトも担いながら、率先して新しい技術活用をしたり、新たな業界のERP刷新に取り組んだり、たくさんのチャレンジをしていきたいんです。

チャレンジなくして、会社も仕事も面白くなっていくはずがありません。着実にそのステップを踏んで行くために、仲間を増やしたいと思っています。

アバナードは、半沢直樹 × 下町ロケットの町工場!?

——正直なところ、ERP刷新×日本の大企業なんてキーワードを聞くと、そこに「チャレンジ」という言葉がいまいちマッチしません。そこのところ、どう思われますか?

内藤:そうですね。だからこそアバナードが積極的にやるべきことだと思いますし、そのチャレンジを可能にするのが、アバナードのカルチャーだと思います。

先に話したAMBGの中でも、異質のカルチャーを持つのがアバナードです。

昨今話題になったテレビドラマの「半沢直樹」に当てはめるなら、アバナードは半沢直樹が率いる東京セントラル証券のような存在です。クライアントファーストの考えで、お客さんにまっすぐ向かっていける。アバナードも今や600人を超える組織になりましたが、アクセンチュアとマイクロソフトとは規模が全く違うので、いい意味でスタートアップ感が抜けない、自由でチャレンジ精神が旺盛な風土がありますよね。

AMBGとして3社が手を取り合ってしまうと、ドラマ上は敵がいなくなってしまうんですが、では敵は何になるのかというと、日本のビジネスやグローバルなビジネスのDXにぶつかっていくこと、つまりDXそのものが敵となるのではないでしょうか。

その敵と戦うにあたって、アバナードという陣営は「倍返し」がしやすい環境だと思いますよ。


——アバナード日本法人の立ち上げからいらっしゃる中込さんは、アバナードをどう見ますか?

中込 秀平(以下、中込):内藤さんが言うように、まだアバナードは大企業にはなりきってないので、一人ひとり、一部門一部門の距離が近いままなんです。ですから、自分の専門領域以外の情報も自然と耳に入ってきたり、社内勉強会やイノベーションコンテストみたいなものを積極的に開催することで新しい視点やが新しい動きが生まれやすかったり、垣根を超えたコラボレーションが多く存在するんですよね。

海外メンバーも国内メンバーも「困ってる人を助けたい」という気持ちが強い人が非常に多くて、それがアバナード日本法人立ち上げ当初から今も変わらず、グローバルレベルでカルチャーとして根付いています。

技術的な問い合わせがあったら「全世界のどこにいても駆けつけてやるぜ!」とか、「難易度が高い質問に答えられるのは俺たちだけだ!」ってくらい熱い気持ちでお互いサポートし合います。アバナードのそういう“職人気質”の強さみたいなところは、下町ロケットの佃製作所みたいだなと思っています。


——なるほど。半沢直樹 × 下町ロケットのようなカルチャーでそのチャレンジに立ち向かっていける、と。

内藤:はい。誤解を恐れず言ってしまえば、どちらかというとERP刷新する企業よりも、導入サポートする側のほうが精神的にも肉体的にも大変なことが多いです。

古くて複雑なERPを刷新する過程で、お客様のビジネスを決して止めてはならない上に、確実に企業成長につなげるものでなくてはならない。

それを実現していくためには、常にチャレンジ精神を持って新しいことを吸収していくマインドセットが必要ですし、日進月歩のERPをどうやって新しいビジネスに取り入れていくかという試行錯誤できる柔軟性と忍耐力も必要なんです。ERPは、「生涯チャレンジ」なんですよね。

だからこそ、「どの企業にERP刷新を依頼するか?」というのは、事業会社側の視点からすれば、極めて重要なことだと私は思いますよ。


——事業会社側の視点ですと、加えてソリューション自体がどうなのか?も気になるところだと思いますが、D365にはどんな魅力や特徴がありますか?

中込:D365は、今ものすごい勢いで進化してるんです。たとえばCRMに関しては、もうすでに製品の中にAIが組み込まれていて、「成約確度の高そうな案件はコレ」といように、システムが提案してくれるようになっています。

ここに対するマイクロソフトの投資も目を見張るものがあり、製品自体の機能拡張がどんどん進んで行くので、時間の経過とともに恩恵が受けられる製品です。

さらには、マイクロソフトは情報系・コミュニケーション系のツールも持ち合わせていますから、そこと連携しておけば、現在のような突然の環境変化に迫られたとしても、滞りなくビジネス継続ができるわけです。これらの恩恵を最大限に受けられるのがD365ですね。

別の角度からお話をすると、自社でシステム拡張をしなくても、マイクロソフトが新しいサービスを提供してシステム自体を自動的に成長させくれる将来性の高さも強みの一つだと思います。


——システム拡張の可能性や他ソリューションとの横の連携が、D365の強みなんですね。

中込:そうですね。ただ、ERPソリューションを提供する各社とも力を入れているので、どのベンダーも機能拡充してくと思いますし、同じような成長戦略をとっているはずです。ただ、マイクロソフトがこれまで積み上げてきた製品網が広すぎるので、圧倒的に優位性がありながら、大きな投資も進めている。それゆえに、全体を通してマイクロソフトが成長しているという感覚はありますよね。


内藤:一概には言えませんが、戦後の高度成長を支えてきた日本を代表する企業の中で、現在、下降線上にある企業は少なくありません。

その中で、今後生き残っていくために、そして誰かに飲み込まれないためには企業のDXが必要不可欠で、それはもう周知の事実だと思います。D365によるERP刷新、ひいてはDXは、生き残りをかけながらもリスクヘッジしたバックアッププランになり得るソリューションだと思っていただきたい。アバナードとD365の相乗効果に期待してもらいたいですね。

D365に飛び込んで、決して後悔はさせない

——では逆に、D365を提供するエンジニア側の視点に立った時、キャリア的な魅力や技術的な魅力はどこにありますか?

中込:最初に内藤が話したように、これからのアバナードでは、規模の大小を問わず、D365によるERP刷新プロジェクトが爆発的に増えていくことが予想されます。また、老舗SIerやコンサル会社にはできないエッジの効いたプロジェクトも走っていて、エンジニアとして非常に面白いプロジェクトに関われる機会も提供できると思います。

このスタートダッシュのタイミングで関われるかどうかは、きっとその後のキャリアに影響をもたらすはずです。


——D365未経験でも挑戦できる環境はあるのですか?

中込:もちろんです。当然、今の日本国内にはD365の経験者が少ないことは承知しています。そこで今年から、トレーニングにも力を入れられる体制を整えました。

D365を学べるだけでなく、マイクロソフトが提供する認定資格に合格するための試験対策を提供するトレーニングメニューも作り、今月からトレーニングを開始したところです。ですから、D365やマイクロソフト製品が未経験だったとしても、各種トレーニングを受けることによって認定コンサルタントにもなれますし、トレーニングだけでは得られないノウハウやナレッジ共有環境も作ろうと動き出しています。

これらの環境を複合的にみても、今D365のもとに飛び込んできても絶対損はないですし、そうさせない環境もどんどん整えていきたいと思っています。


内藤:欲を言えば、是非とも一度は基幹システムに携わったことがある人に加わってほしいと思ってます。なぜなら、過去に基幹システムを触ったことがあれば、D365の素晴らしさをより深く分かっていただけるからです。

私は20代の頃、Dynamicsに携わりたいと思ってわざわざ転職をしました。そのときDynamicsは日本でリリースされたばかりで、誰も知らない製品だったのですが、当時は宝を発掘したみたいな気持ちだったんです。今だからわかることでもありますが、当時の自分の感覚を信じてDynamicsに飛びついて本当によかったなと思っています。

同じように、そんなDynamicsがさらなる進化を遂げたD365がスタートダッシュを切るこのタイミングでの関わりは、10年後20年後には大きな価値になっていくはずです。

そういう意味でも、基幹システム経験を持つ方には、このD365の素晴らしさを “宝” だと思っていただけるのではないかと思っています。

是非、D365と結婚するくらいの意気込みで飛び込んでいただきたいです(笑)。


——け、結婚…ですか!?(笑)では、今回のインタビューの締めの言葉として、結婚後の展望を教えてください。

中込:これまでのERP刷新を取り巻く環境は、決して楽なものではなく、過酷なもの多かったはずです。それと同時に、保守的で地味でつまらないものだったかもしれません。

それが大きく変わろうとしている今、ERPを刺激的で面白いものにするか、それとも退屈なもので終わらせるか。

D365は、直近の数年間のうちに、スタンダードかつメジャーな製品になっていきます。その過程における、製品としての成長、D365チームの拡大、会社としての成長という経験だけでなく、そこに携わる人自身の成長をアバナードは提供できると思っています。


▲オンラインインタビューの一コマ[ 写真左:中込、右:内藤 ]

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