砂糖はなぜ甘いのか?
それは私たちが糖分探知機として進化してきたからだ、と壇上で話す人物の映像に、僕は目から鱗が落ちる思いでした。
TEDのステージに立つ彼は、「砂糖が甘いから私たちは砂糖を好む」のではなく「私たちが砂糖を好むから砂糖は甘い」のだと説明します。
「砂糖を構成する分子をいくら調べても、砂糖がなぜ甘いのかはわからないでしょう。砂糖が高エネルギーで、私たちの生存にとって重要な物質だから、砂糖を甘く好ましいものだと知覚するように私たちのからだが設計されているのです」
当時高校生だった僕はこの映像の内容に衝撃を受け、大学院で生物の研究をしている今に至るまで、自分の価値観の形成に大きく影響を受けています。
https://www.ted.com/talks/dan_dennett_cute_sexy_sweet_funny?language=ja
動画の概要欄よりなぜ赤ちゃんはかわいいのか?なぜケーキは甘いのか?かわいさ、甘さ、セクシーさ(とおかしさのマシュー・ハーレーによる新理論)について、哲学者ダニエル・デネットは予想もできない進化の推論を紹介します。
初めまして。2022年4月から株式会社アトラエで働く予定の大学院生、ヒロッキーと申します。
アトラエは、「世界中の人々を魅了する会社を創る」というビジョンを掲げ、PeopleTech事業=テクノロジーによって人の可能性を拡げることを軸に事業を展開している会社です。
前述の通り、僕は大学で生物学を学んできましたが、就活中にアトラエと出会い、魅了され、入社を決意しました。
このnoteでは、未来の後輩になるかもしれない就活生を対象に、「自分の就活経験」と「就活から学んだこと」を伝えたいと思います。わかりやすく明快な文章とは言えませんが、どうかお付き合いください。
就活前の僕:「研究」>「就活」
僕は幼少期から、絵を描いたり本を読んだりすることが好きで、運動よりも勉強の方が得意なタイプの子供でした。几帳面な性格で、何をするにも時間がかかりすぎてしまうため、小学校ではよく先生から「遅い!」と言われていました。
ちなみにスローモーなのは今も変わらず、短時間でクオリティの高い仕事ができるようになりたいと常々思っています。このnoteもかなり時間がかかってしまっていて、本来は年末に公開する予定だったのですが…
大学では生物学を学ぶことにしました。高校の授業で生物のからだの仕組みを学び、その巧妙さに感動したことがきっかけです。大学院では、最先端のバイオテクノロジーを駆使して環境問題の解決に貢献するような研究を行ってきました。
研究は面白く、またスローな特性のせいもあって、周囲の友人が就活を始め出しても、優先順位は「研究」>「就活」でした。情報収集もろくにせず、いざとなれば誰かが助けてくれるとさえ思っていました。
就活中の僕:食品業界から幸福な働き方を考える
そんな僕も、いよいよ現実から逃げ続ける訳にはいかないと思い、M1の3月から本腰を入れて就活を始めました。食品業界であれば、自らの専門性も活かしつつ、やりがいを持って働けそうだと考え、テレビCM等で耳にしたことのある会社にエントリーしてはこれからのご活躍を祈られる日々が続いていました。
ある時、某食品メーカーの説明会で以下のような場面がありました。
司会「○○さんは、工場勤務で夜勤もあると思いますが、家庭とのバランスは取れているのでしょうか」
○○さん「そうですね、夜勤のおかげで休みが多いので、家族との時間は十分に取ることができます」
司会「なるほど、そうなんですね。夜勤でも、プライベートを充実させながら働くことができるので、安心ですね」
工場勤務は夜勤もあるけれど、昼間の時間が自由に使えるし、残業が少ないので、プライベートを充実させながら働けますよ、という内容でした。これを聞いて、進化論に影響を受けていた僕は、次のように考えました。
そもそも夜勤をつらく感じるのは、夜遅くに活動するのを避けるように私たちの体が設計されているからで、夜勤を肯定することは生物本来のあり方に反している。一方で、夜勤に限らず、働くことはつらいことだとよく言われるが、労働は生物本来のあり方に反するのだろうか?
この説明会をきっかけに、幸福な働き方ってなんだろう?と考え、自分は「幸福な働き方を実現する仕事」に就きたいと思うようになりました。
就活を通して学んだこと:正解は自分の中にある
こうして自分がやりたいことを見つけられた僕は、初めて自分の人生を何に使うのかを発見した気がしました。自分では頑張って就活に取り組んでいるつもりでも、腹の底では他人任せな考え方をしてしまっていた(生物を学んできたのだから生物に関する業界・職種で働くのが良いだろう、とか、自分にとって心地よい環境が既に整っている職場を探そう、とか)ことに気づきました。
就活には客観的・絶対的な「正解」が無いので、自分のものさしで考えて決定しなければならない場面が数多く存在します。つまり「正解」は自分の中にあるということであり、そのことを自覚できれば、「正解」のない問題にも「正解」を与えることができると思います。
私たちの体は、あえて苦いものを口にしなくても生きていけるようにできています。自らの心の声に素直に従えば、最適な進路が選べるのだと思います。他人の基準を根拠とする「正解」に惑わされず、自分の中の「正解」が見つかるまで、とことん悩み抜いてください。
アトラエを選んだ理由:「大人になる」ことに青臭さでもって戦いを挑む
現代の日本では、「大人になる」ことが良しとされているように思います。ここでの「大人になる」こととは「理想と現実のギャップに苦しまなくて済むよう、現実に期待するのをやめる」という意味です。社会に出るという行為は、「大人になる」ことを社会から強いられるということだと言えるのではないでしょうか。
心の声に従って行動することが、生物のあり方としてある意味正しいにもかかわらず、心を殺して「大人になる」ことは本当に正しいことなのでしょうか。僕は、幸福な働き方を実現する上で、この「大人になる」という規範をどうにかする必要があると考えています。そして、「大人になる」ことに戦いを挑むための武器は、青臭さしかないと思っています。
アトラエは、自分のアイデアが真に良いものであれば、それを受け入れてくれるような人が集まっている会社だと思います。僕は、ここでなら、自分の青臭さを捨てずに、むしろますます青く輝かせながら働けると確信してアトラエを選びました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
アトラエに興味がある方は、ぜひ一度社員と話してみませんか?