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風景から辿る旅の思い出 -西表島-

こんにちは、アトモフの風景情報の編集者、山口です。
2022年9月、なかなかできなかった旅行を再開するときがようやくやってきました。

選んだ旅先は、沖縄の八重山諸島。Atmoph Windowの風景を眺めていると無性にその場所に行ってみたくなるのですが、八重山諸島もそのひとつでした。

特に、鬱蒼と茂るジャングルの風景を見て、日本にこんな場所があるのかと驚かされたのです。この大自然に触れてみたい、その願いが叶った西表島での半日の記憶です。


はじまりは、船浦湾の風景

この風景は、西表島の北西に位置する船浦湾を撮影したものです。潮が引いた干潟に根を下ろすマングローブが主役の一つですが、私の目を惹きつけたのは、奥の方に見える山の中腹から流れ落ちる真っ白な一筋の滝でした。

そう、この滝…こんな風に開けた場所に面していて、遠くからでも眺められる滝は、そんなに見たことがありません。調べてみると、名前は「ピナイサーラの滝」。「ピナイ(あごひげ)」「サーラ(下がったもの)」という意味を知ると何だかおじいさんのように見えてきて、より興味が湧いてきました。

さらに調べると、ピナイサーラの滝は、観光的にも島を代表する滝のひとつだということがわかってきました。滝を鑑賞するエコツアーが盛んに催行されているようです。よし、ここへ行こう、ということで、出発の数週間前にネットで滝へのツアーを申し込んだのでした。


ピナイサーラのエコツアー ポイント① カヌー

さて、当日は朝9時に宿にお迎えが来て、いったんツアー会社の事務所に集合。私たち夫婦、そして小中学生の娘さん2人とお母さんの2組を、若く爽やかなガイドM君が案内してくれることになりました。早速専用のトレッキングシューズに履き替え、冷たいお茶の入った水筒をもらい、荷物は防水パックに詰めて出発です。

出発ポイントは、マーレ川のほとり。ここからカヌーに乗って滝の近くまで進みます。こうした旅に慣れているらしい母娘連れ(お母さんとお姉ちゃん、妹ちゃんとM君がそれぞれ2人乗りカヌー)や、最初こそあたふたしてたものの、意外にすぐ慣れた夫(1人乗り)に案の定置いてきぼりをくらう、運動神経ゼロの私(1人乗り)。焦っても仕方がないと、表情だけは余裕を保ちつつ漕いでいきます。

マーレ川は狭く曲がりくねっていて、すぐ両側にはマングローブ林が迫ります。水辺に幾重にもマングローブの根が張っていて、その奥は暗い闇のよう。その中に隠された生き物たちの世界を想像しながら、船浦湾の裏を過ぎ、ヒナイ川に入って、船着場まで漕ぎ進みました。時間にすると30分くらいだったでしょうか、自然を独り占めしたような気分になれる最高の時間でした。


ピナイサーラのエコツアー ポイント② ジャングルトレッキング

ヒナイ川の途中でカヌーを降り、ここからは徒歩でジャングルを登りながら、ピナイサーラの滝壺を目指します。ガイドのM君は、疲れないように絶妙のペースで私たちを誘導しながら、何かを発見してはその都度教えてくれました。

道中に出会えた生き物は、沢の岩陰に潜むテナガエビに、木の幹を走るサキシマキノボリトカゲ。M君がトカゲを捕まえて、私たちの手に順番に乗せてくれました。植物では、大きな板根を張るサキシマスオウノキや、赤い血のような樹液を出すアカギが印象的でした。


ピナイサーラのエコツアー ポイント③ 滝壺体験

ジャングルを登ること約20分、遠くから滝の水音が聞こえてきました。しばらく歩くと急に視界が広がり、目に飛び込んできたのはもの凄い勢いで流れ落ちてくる水!これほど迫力ある滝を間近で見たのは初めてかもしれません。M君によれば、ここまで水量が多いのは久しぶりとのこと。直前に通過した台風の影響なのでしょう。滝壺に溜まる水もM君がびっくりするほど多く、普段は見えている岩の多くが水に沈んでいるようでした。

ここでお昼の八重山そばを食べているツアーもありましたが、私たちは、ただひたすら滝壺を満喫しました。泳いで滝壺を渡り、豪快な滝の目の前に立ってみたり、年甲斐もなく岩からジャンプする瞬間を撮ってもらったり。周りもみんな同じ、誰もが日常を忘れ、ダイナミックな自然に抱かれて童心に帰っている、そんな貴重な時間でした。

心地よい疲労感と満足感に包まれながら、帰りは来た道を戻り、同じ川をカヌーでスタート地点まで戻って、長い半日を終えたのでした。

実はこのツアー、ランチを挟んで午後は珊瑚のかけらでできたバラス島でのシュノーケリングも含まれていました。これがまた素晴らしかったのですが、その話はまたの機会に…。

世界自然遺産に登録された西表島では、今回訪れたヒナイ川を含む数カ所で、1日に入れる人数の制限を始めるそうです。自然を大切に守りながら、その素晴らしさを人々に伝えていく、そんな取り組みが成功するといいなと、陰ながら応援しています。

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