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Atmoph Staff Blog (インターン:Yuwen)

こんにちは。インターンのYuwenです。

『三体』を読んだことがあるかしら?
『三体』は、中国のサイエンスフィクション作家・劉慈欣の傑作であり、20以上もの言語に翻訳され、世界中で出版されています。日本語にも2年前に翻訳され、周りの人と『三体』の不思議な世界について話し合うことが増えています。
でも、今日書きたいのは『三体』ではなく、同作者の劉慈欣が書いた短編小説『带上她的眼睛(bring her eyes)』のことです。

⚠️この先ネタバレがたくさんあります!
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物語は、宇宙飛行士という職業が、ごく普通の職業になった未来を舞台に進みます。
主人公「私」は、宇宙ステーションで2ヶ月以上の勤務が続いて疲れ果てていたため、休暇を申請し、地球を旅することにしました。

宇宙機関は、地球を旅する人々のための「感知眼鏡」を開発していて、
宇宙船に乗っていても、同じ眼鏡をかけることで、地球を旅している人と同じ景色を見て、彼らとコミュニケーションをとることさえできます。

眼鏡を通じて、「私」と同じ景色を見ている「もう一人」は、世の中を知らない女子学生のようでした。
「彼女」は病的と言っていいほど、目の前の景色に夢中になっていて、「私」に自分が見たい景色を見るために、指定した場所に行くようにとか、気に入った場所に長く滞在するようにとか、いろいろ指示をしました。

「彼女」は、見えているすべての花に名前を付け、
ある時は、ドビュッシーの『月の光』を軽くハミングしながら、徹夜で夜空を楽しみ、
またある時は、眼鏡が雨に濡れて草原の日の出が楽しめなかったので1人で激しく泣き始めることもありました。

「彼女」と比べると、「私」は「普通」すぎるかもしれません。
「私」は、出会うすべての小さな花に名前を付けませんし、暗い夜を楽しむためだけに睡眠を犠牲にすることはありません。いつもの日の出を見逃したからといって、激しく泣いたりしないのは言うまでもありません。

せっかちに旅を終え、「私」は感知眼鏡を返して、元の生活に戻りました。
それから何ヶ月も経って、あの時の「彼女」が、実は今はもう宇宙飛行士ではないことを他の人から聞いてようやく知りました。

「彼女」が乗っていた宇宙船は「落日6号」と名付けられていました。
今よりも昔、人間が、地層宇宙船を使って地球の奥深くまで探検していた時代、航海中にある地層宇宙船が墜落し、地球の中心に沈み込んだ事故がありました。
その時、船内に生き残ったのは、若い女性ナビゲーター1人だけでした。
以降、この女性は、残りの人生を、地球の中心という閉じた世界で過ごすことになってしまったのです。
この宇宙船の名前こそが「落日6号」であり、「彼女」はその唯一の生存者である女性ナビゲーターだったのです。

「すべてが溶けてマグマになり、地球全体が彼女の体に押し付けられ、外の世界と接触することなく、その小さなスペースで残りの人生、50年もしくは60年を一人で過ごしている」

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私はがこの小説を読み終えたのは、何年か前の午前2時でした。
読み終えた本を置いたとき、まるで彼女の「極度の孤独」を感じたかのように、周囲は静かでした。サイエンスフィクションを読んで涙が出たのは初めてでした。
それと同時に「普段の景色を楽しんでいなかったのはいつから?」という質問を自身に問いかけました。

古代の詩歌を読む時もまさに同じ気持ち。
「昨夜西风凋碧树(昨夜の西風が青い木々を枯らしてしまった)」から感じた別れの悲しみ、
「落霞与孤鹜齐飞,天水共长天一色(秋霞が漂う中を一斉に野鴨が飛び立ち、秋空のもと、川と空とは一体化している)」から受ける苦しさ、
「海上生明月,天涯共此时(海の上に明るい月が上がり、遥か遠くに離れている二人は時を同じくして眺めている)」に含む相思の気持ち…

数千年前、詩人は自然の美しさから多くの感情を表現していました。
普段、私たちが「普通」と思っている景色でも、古代の人々や「落日6号」に乗っている「彼女」にとっては、大きく心揺さぶるもののようです。

いつも急いで自分の世界で走っていて、
ゆっくりと周りの現実を感じるのを忘れていたことにようやく気づきました。

本来の自分が感じる気持ちに耳を傾けてみませんか?


大家好,我是Atmoph的实习生Yuwen。

不知道大家有没有读过《三体》?

《三体》是中国科幻文学作家刘慈欣的力作,被翻译成20多国语言在世界范围内出版。也是在两年前被翻译成了日语,我身边讨论神秘三体世界的人才渐渐多了起来。

其实今天,我想写的不是《三体》,而是老刘的另一部短篇小说《带上她的眼睛》。

注意注意!前方有大量剧透!

故事发生在未来。太空宇航员已经成为了普通的职业。故事的主人公“我”在空间站连续工作了两个多月,不堪疲惫申请了休假,选择了去地球表面旅行。航天局为此还研发了一种传感眼镜,交给前往地球旅行的人,在外太空的人可以通过同样的一副眼镜接收看到的景色并且能和地面的人交流。

“我”也得到了一副。眼镜的另一端好像是个不谙世事的女大学生。

她近乎病态得对眼前的景色大惊小怪,还总是指挥“我”去往她指定的地方、或者干脆在某一个地方停留很久,只为了看她想看的风景。

她会给每一朵映入眼帘的花儿起名;
也会轻轻哼着德彪西的《月光》,欣赏一整晚的夜色;
还会因为眼镜被雨水打湿,没办法欣赏草原上的日出而哭泣。

与她相比,“我”或许过于“普通”了。
“我”当然不会给每一朵遇见的小花起名,
也不会选择牺牲睡眠就为了欣赏黑夜,
更不会因为错过了一次平凡的日出而痛哭流涕。

很不耐烦地结束了这次旅行,“我”归还了传感眼镜,回到了原来的生活。
也是在很久后“我”才从别人那儿得知,原来她不是太空中的宇航员。她所处的飞船名为落日六号。

人类使用地层飞船深入地球内部进行探险,一艘地层飞船在航行中失事,下沉到地心,船上只剩下一名年轻的女领航员,她只能在封闭的地心度过余生。
这艘飞船的名字就是落日六号,她是那个唯一的女领航员。

“一切都融化成岩浆翻滚着,整个地球压在她的身上,而她将一个人在那个狭小的空间度过余生剩下的五六十年,和外界没有任何联系。”

我是在很多年前的凌晨两点一口气读完小说的。放下书的时候周围静悄悄的,仿佛感受到了她的“极致的孤独”。
那是我第一次读科幻小说读到泪流满面,同时也思考了一个问题:我有多久没有好好欣赏过景色了?

想起读古诗词的时候也有这样的感受:“昨夜西风凋碧树”的离情,“落霞与孤鹜齐飞,秋水共长天一色”的苦涩,“海上生明月,天涯共此时”的相思…一千年前的诗人们总是能因为自然美景而发出很多感慨。

自然景色对于古人们,对于落日六号中的她带来的感官刺激好像远远大于了我。
方才醒悟总是匆匆活在自己的世界里,反而忘记了慢慢感受周围真实的世界。

是不是该等一等了?


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