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パートナー探しの極意。5つのピッチ術

撮影場所: WeWork Hareza Ikebukuro

僕らが入居しているコワーキングスペースでは、よくピッチイベントが開催されます。短時間で自分たちの存在を知ってもらう絶好の機会なので、必ず参加するようにしています。
場数を踏んできた経験から「反応が良かった」というポイントを5つピックアップしてみました。

1. 話すことを超しぼる

登壇者の数によりますが、ピッチの持ち時間はだいたい2分から3分。この短い時間で自分たちが何者であるかを伝えることが重要です。
自己紹介や会社紹介は後回しにして、一言目から本題に入りましょう。興味を持ってくれた人は、後で必ず声をかけに来てくれるので、そこでゆっくり話をすることができます。

こんな具合に。

デザイナーって何者かよくわからないですよね。ユーザーエクスペリエンスとか言われても意識高いなと思って、自分には関係ないやって思っちゃいませんか。
でも、皆さんが生活していて気持ちが高まる瞬間ってありますよね? それって実はデザイナーが生み出していたりするんです。

2. 自分の言葉で話す

頭に入ってこない話をする人がいます。こういう人は、たいてい資料を読み上げている人です。
読み言葉ではなく、話し言葉であなたのパーソナリティが出ていれば、耳を傾けてくれる確率が高くなります。緊張してたって、かんだって全然問題ありません。人間味あふれるあなたの姿に聴衆は共感を覚えるはずです。
人として興味を持ってもらえると、その後のつながりが予想外に広がることがあります。

こんな具合に。

皆さんは最近どんな体験をしましたか。僕はチーズバタールというパンが大好きで、1本は多すぎるのでハーフサイズを買うんですが、その日は1本がお買い得の日だったらしく同じ値段だったんです。
そしたら元気な店員さんが「1本どうぞ!」みたいな感じで家族用に包まれたりして。「いや一人で食べるんですが」とはもはや言えない雰囲気に……食べきりましたけどw

3. 誰でも分かるように話す

専門用語を避け、業界のことを知らない人でも理解できる話に例えて話ましょう。身近な話題に変えれば、自分ごとに置き換えて話を理解しやすくなりますよね。
僕らの場合、良い体験を生み出すことが仕事ですが、UXデザインはその確度を高める手段の一つに過ぎません。ピッチで使う言葉ではないんです。同業者や仲間うちで使えばいい言葉です。

こんな具合に。

もし僕がレストランを経営していたら、お客さんに「また来るね」と言ってもらいたいです。
そういうおもてなしって、商売を営む人なら昔からやってきたことですよね。例えば次に予約が入ったときに、メッセージを添えたポップをテーブルに置いて準備するとか。それをデジタルの世界でやってるのが僕らです。

4. ターゲットにだけ刺さる話をする

全員に刺さる話をする必要はありません。聴衆の中から潜在顧客だけに刺さる話題にフォーカスしましょう。
ただ、やはり専門用語は極力控えたほうが良いです。なぜなら、自分の会社とは接点がないけど、知り合いに興味持ちそうな人がいる、といって声をかけてくれる人が少なからずいるからです。
自分が聴衆になった姿をイメージしながら、難しい話をしていないかどうか気を配れば、良いパートナーに巡り合える確率がぐんと上がります。

デザインパートナーを探している企業がターゲットなら、こんな具合に。

デザイン会社ってたくさんありすぎて選べないですよね。伴走という言葉をよく耳にしませんか。
例えばマラソン大会でクルマに乗って指示を出しているコーチがいますけど、それって伴走じゃなくて並走ですよね。マラソンのコーチはそれが仕事なのでいいと思います。
でも、事業に伴走するという会社が実際には並走の会社だったら、たぶん彼らはクルマに乗って「こうしろ・ああしろ」とあなただけを走らせるでしょう。
松岡修造さんっているじゃないですか。彼は汗だくになって絶対に一緒に走ってくれると思うんですよ。そういうのが伴走だと思います。僕らは彼と同じパッションを持っています。

5. 持ち時間をオーバーしない

制限時間を守り、自分も聴衆も一息つけるペースでピッチの内容を構成しましょう。時間通りに終わらせることが大切です。出番を待っている登壇者がいることをお忘れなく。

持ち時間が30秒ならこんな具合に。

デザインの力を見てみたくありませんか。私たちはあなたのパートナーとしてぴったりですよ。なぜなら、あなたたちが作っているモノの仕組みを良く知っているからです。驚くような成果が得られると思います。一度僕らとカジュアルにお話ししませんか。

自分たちも楽しむ!

これらのポイントを押さえたピッチを行うことで、最良のパートナーを見つけるチャンスが広がります。そして、最後の言葉が会場から消えた瞬間に、時間ぴったりで終わると、最高の気分になれます。

運営を讃える余裕があるとベストです。
僕らはイベントを運営することもあるので、設営の大変さを知っています。ピッチの場を用意してくれた感謝を、一言でもいいから伝えて欲しいです。
僕が運営側なら、この人にちょっとボーナス時間あげようとか、SNSに投稿するときに、この人たちのことを必ず書こうという気持ちになりますので。

身振り・手振り・視線は?

余談になりますが、以前にプレゼンの神といわれる方のセミナーに参加した時のQ&Aセッションで、記憶に残った2つのエピソードを紹介します。

質問
登壇しているときの手や腕が落ち着かないんですが。

解答
指輪をグリグリ触ったり、ポインターを両手でコロコロしたりしてます。何かモノを持っていると手の動きが自然になりますし、両手が落ち着ついてリラックスして話しているようにも見えると思います。
質問
視線はどこに向けていますか?

解答
まんべんなく全体を見渡すように視線を変えますが、特定の人と目線は合わせません。人と人との間とか、椅子とか。聴衆もいきなり目を合わせられるとドキッとするので、それくらいのそらし方がちょうど良いと思います。

聴衆への思いやりに満ちた配慮。さすが神といわれる方だと思った次第です。
彼レベルになると、身振り手振りを交えて聴衆をぐいぐい引き込みますが、僕はそのレベルに到底達していないので、シャツのボタンを触ったり耳たぶを触ったりしながら落ち着くポジションを試行錯誤しています 笑。

ぜひチャレンジしてみてください!

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