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賃貸リフォームはニッチだけど尊い。業界の為なら敵に塩も送る『創業メンバー×年12,000件ニッチ事業』【アーキテックスの歩き方Ep.2】

越前 貴司 愛知県出身。大学卒業後は呉服の販売大手に入社し営業職として勤務。幼馴染であった現代表取締役社長の近藤と3人で友人宅ガレージにFAX1台を置き、事業用不動産のクリーニング会社として現在のアーキテックス株式会社を創業。現在まで創業事業をけん引し、現ブランド名に『アテイン』の事業責任者として年間実績数12,000件以上を実現。

アーキテックスの創業事業であり、現在も会社の根幹を担う賃貸総合サービス事業であるアテイン。この事業のトップはアーキテックス創業メンバーでもある越前だ。24年の歳月はこのアテインを日本でもトップレベルの事業に押し上げた。これまでの歴史だけでなくその目に見据える未来まで語ってくれた。



越前さん、よろしくお願いします。アテインは私がアーキテックスを魅力的に感じた理由のかなり大きな部分を占めていますので、この機会を楽しみにしていました!

越前:よろしくお願いします。そうなんですか?(笑)なかなかニッチな業界なので珍しいですね。

実は、不動産管理会社やリクルート時代のSUUMO、前職と不動産や賃貸領域でのキャリ アが長く、クライアントとしてアテインのような会社さんとのお付き合いや、支援をさせて頂いた経験がありまして。

越前:そういうことですね。わかりました。何でもお話させて頂きますのでよろしくお願いします。

越前さんはアーキテックスの創業メンバーでもいらっしゃいますが、立ち上げ時のお話から伺えればと思うのですが、代表の近藤さんとは元々ご友人関係だと伺いました。

越前:代表の近藤とは高校の同級生でした。同じ友人グループで一緒に遊んでいましたね。馬鹿話で盛り上がることの方が多かったですが、たまに想いを語るような時間もあって。ほら、男同士で将来はこうなりたいなとか、俺は絶対これをする、みたいなやつです。だけど、近藤社長とは特別に熱く語り合ったような記憶はありますね。内容は恥ずかしいので控えさせてください(笑)

それから、彼は高校卒業後アメリカへ留学し、僕は日本の大学に進学することになり、彼が帰国したタイミングやお互い就職してからもちょくちょく会うような関係は続いていました。

そこからいきなり起業ではなくお二人とも就職なされるんですよね。

越前:僕自身は大学を卒業して、呉服関連の企業に営業として勤めていました。近藤社長も商社に就職して働いていましたが、たまに会うたびに自分で何かをしたい、事業を起こしたいという思いを話してくれて「一緒にやろう」と誘ってくれました。僕自身、仕事自体は順調でしたし、特に不満や転職とかも考えていませんでしたが、昔から考える力や行動力は同級生だけでなく、周囲の大人と比べても圧倒的に感じていましたし「こいつとなら」と決意しました。当時既に結婚もしていましたが、妻も二つ返事で「やってみたら」と言ってくれたので、事業も何も決まっていませんでしたが、自分たちで何かやろうと決めましたね。

そこから何をするかを決めたのですが、当時は今と違ってインターネットも気軽に使えない時代でした。リクルートさんが“アントレ”という紙の情報誌を出していて、それを眺め ながら事業アイデアを話し合っていました。創業時の僕たちにはコネもお金も特別なスキルもなかったので、それでもできることは無いかと考えていた時に目に留まったのが室内のクリーニング、クロスと呼ばれる壁紙を“洗う”仕事だったんです。当時フランチャイズ 加盟店を募集している広告を見て『これなら自分たちもできる』と思い、大阪や東京に研修を受けに行ったりして創業したのが今のアーキテックスです。

越前:先ほどお話した通りスタートはクロスのクリーニングから初めて、クロスの張替え、床の張替えや設備の交換等、賃貸物件の内装工事が一通りできるようになりました。最初は地場の小規模な不動産会社さんとお取引をしていましたが、ある時地場大手の1社さんをご紹介頂く機会があり、そこから大きくスケールしていきました。リフォームの中でも新規獲得難易度は高いと思いますが、反面一度ファンになるとサービス離脱し辛いという側面もあります。管理会社さんも発注先選定には慎重な姿勢を取られる中で「X社さんが利用しているなら」という実績は非常に大きなものになりましたし、今振り返っても本当にありがたいなと思います。

現在では年間で10,000件以上の施工実績があります。ニッチな業界なので伝わりづらいか もしれませんが、業界を経験している私からするとかなりの件数だという印象ですが。

越前:先期は約12,000件の実績を残すことができました。賃貸住宅事業を管理や仲介等ワンスト ップで行われている大手会社さんが、自社の傘下やグループ内でお持ちの会社を除けば業界でも数えるほどの規模まで成長することができました。我々は愛知県を中心に東海エリアでのみ事業展開をしていますが、この地域では一定のシェア、管理会社さんやオーナーさんからご支持を頂き本当にありがたいと思っています。

私が驚いたのはこの件数を僅か5拠点のみで実行されていることです。かなりの効率化や生産性を高めないと難しいと思うのですが、お伺いできる範囲で教えてください。

越前:あまり語る機会もなかったので初めて公で話しますが大丈夫ですか(笑)

25年目で初とわれるといて良いものか少し躊躇します(笑)

越前:安心してください冗談ですよ。その通りで生産性の向上を徹底的に磨いてきました。例えば案件管理システムは自社のオリジナルで開発をしています。物件や工事データ、単価や協力会社さんのデータまで受発注はもちろん、打ち合わせに必要なものまでほぼ全て集約されています。協力会社さんにもこのシステムを通じて工事や請求等のやり取りを行います。ペーパーレスだけでなく“段取り”と呼ばれる工数が圧倒的に削減できました。

その他は完了検査の専門チームを組成しチェック項目を明確化し、物理的な距離やルートの最適化により工事の終了した物件を効率的に周って頂けるようにしています。これはいたずらにエリア拡大をせず、この地域のみに注力したおかげですが移動効率を上げることで営業パーソンが“自身しかできない”お客様ごとへの最適なサービスに注力する体制を可能にしました。

アーキテックスの中でも成熟したようにあるアテイン事業ですが、これからの目標や越前さん自身の夢があればお聞かせください。

越前:来季は基幹システムの大幅アップデートを予定しています 現在も営業メンバーはノートPCを持って仕事をしていますが、タブレットのみで仕事のほぼすべてが完遂できるようになります。これによりお客様とのやり取りや受発注がよりスピードアップできますし、移動時間の短縮等働く側の労働時間削減にもつながります。今後はシステムだけでなく、これまで培ってきた仕組みやノウハウを外部に販売することやFC化も検討しています。

越前:個人の夢…というほどではないのですが、今では業界団体の役員も務めさせて頂き、若い世代の方から相談を頂く機会もあるのですが、自分たちがぶつかった課題や通って来た険しい道に今まさに差し掛かっていらっしゃるんですね。たとえ競合であっても真剣に聞いてもらった時にはアドバイスさせて頂くこともあります。敵に塩を送ると言えばかっこいいですが、商売としてはNGでしょう(笑)けれど、自分たちの創業時を思い出した時に、やっぱり周囲の人たちから様々な形で応援してもらったと思うんです。僕もこの業界に飛び込んで、賃貸とはいえ、たとえ一件の売上は小さくともオーナーさんにとっては大切な物件ですし、入居者さんにとってはかけがえのない“我が家”なんです。そんな尊い仕事だけれど、社会では認知も高くなく日 の目を浴びることもありませんが、この業界を盛り上げる、おこがましいかもしれませんがそんな想いは持っています。

素晴らしいと思います。建設業って3Kと呼ばれるマイナスイメージが先行したりしますが、私もそのイメージを変えたいし、もっと雇用を増やしたいと思っています!

越前さん本日はありがとうございました。

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