「有名じゃない場所」を、あえて選んでいます。
こんにちは。株式会社ダイブグループ 新卒採用担当の北村です。
"ダイブ"と聞くと、リゾートバイトの会社というイメージを持つ方が多いかもしれません。実はもうひとつ、自分たちで施設をつくって運営する「地方創生事業」という柱があります。
グランピングブランド「ザランタン」と、滞在型ホテル「CRAFT HOTEL」。現在、全国6拠点で展開しています。
面白いのは、選ぶ場所です。私たちが向かうのは、有名観光地ではありません。まだ魅力に気づかれていない「非観光地」。そこにある使われなくなった施設や土地を、地方自治体と手を組んで生き返らせる。それがザランタンのやり方です。
ブランド名の由来も、そこにあります。まち(TOWN)の魅力をつなぐ(LAN)ことで、地方創生の火をともす。「ザランタン」=灯り、という意味が込められています。
CRAFT HOTELには「手作りのあたたかみを感じる工芸品(CRAFT)」という意味が込められています。民間や行政を問わず、地方にある遊休物件(閉業したホテルなど)を「ただのホテル」として再利用するのではなく、ひとつひとつに小さなこだわりを詰め込み、手作りのようにあたたかみのあるホテルとして再生させたいという想いから名付けられました。
この記事では、私たちが各地域で実際にやってきた施策を、できるだけたくさん並べてみます。読み終わったあとに「思ってたよりずっと地域に入り込んでるな」と思ってもらえたら嬉しいです。
目次
【はじめに】そもそも、なぜ「非観光地」で成り立つのか
ここで先に、いちばん聞かれる疑問に答えておきます。
なぜ、わざわざ人が来ない場所で宿泊事業ができるのか。
多くの会社が非観光地を避けるのは、理由が2つあるからです。お客さんが来ない、そして働く人が採れない。地方の宿泊事業がうまくいかない原因は、だいたいこの2つに集約されます。
ダイブは、その2つを自社の別事業でまるごと持っています。
① 集客 ── 自社メディア『GLAMPICKS』
年間UU450万以上のグランピング専門メディアを、自分たちで運営しています。だから「そこがどこにあるか知られていない」立地でも、いま全国でグランピング施設を探している人に直接届けられます。誰かの集客に頼らず、自分たちで人を連れてこられる。これが1つ目のエンジンです。
② 人材 ── リゾートバイトダイブ
もう1つが、ダイブの本業である観光特化の人材サービスです。寮付きの求人を全国に展開し、47都道府県・累計5,900施設以上の観光施設との取引実績があります。
ポイントは、「移動できる人材」を確保できること。地元の労働力人口が少ない町でも、全国から働きたい人が来てくれる。だから、どんなに田舎でも運営できるんです。
③ そのうえで、初期投資が小さい
拠点はすべて、地域の遊休施設・遊休地の活用です。ゼロから建てないので、開発コストを抑えられます。
集客できる。人を確保できる。初期投資も小さい。だから、1泊2食付き1万5千円前後という手の届く価格で、質を落とさずに運営できる。この3つが噛み合ったとき、「非観光地」はまだ誰も手をつけていない市場に変わります。
グッドデザイン賞の審査でも、この構造そのものが評価されました。「手頃にグランピング体験を得たい利用者、眠れる地域の魅力発掘、地域経済への刺激といったいくつもの効果が好循環している」と。
前置きが長くなりました。ここからが、実際にやってきたことです。
▼私たちが施設を運営する岡山県あば村の地方創生の実例
施策① 使われなくなった施設を、そのまま再生する
まず、拠点そのものが地域の遊休施設の再生です。
- ザランタン東かがわ(香川県東かがわ市/2024年7月開業) — 平成6年開設、瀬戸内海を一望できるのに利用者が減り続けていた「大池オートキャンプ場」を再生。約8万平米の敷地です。
- CRAFT HOTEL 瀬戸内(香川県東かがわ市/2024年3月開業) — 1989年開業、コロナ禍で2020年に閉鎖した「旧・三本松ロイヤルホテル」をリノベーション。
- ザランタンあば村(岡山県津山市/2021年5月開業) — 「にほんの里100選」の里山にある阿波森林公園を活用。
- ザランタン三瀬高原(佐賀県佐賀市三瀬村/2021年7月開業) — 天然温泉「三瀬温泉やまびこの湯」と一体で運営。テントサイトから徒歩3分です。
- ザランタン鹿沼(栃木県鹿沼市/2022年7月開業)、ザランタン芦別(北海道芦別市/2021年7月開業)
ゼロから建てるのではなく、すでにあるものを使う。だから開発コストを抑えられて、地域には「また人が来る場所」が戻ります。
施策② ごはんを、地元の人と一緒につくる
- 三瀬高原のBBQは、食材の90%以上が三瀬産。みつせ鶏、肥前さくらポーク、地元野菜、自家製の米粉麺やソーセージまで。
- あば村は津山名物の「そずり肉」や、湧き水で育てたあば村産のお米。地元の精肉店の干し肉や、津山のソウルドリンク「瓶チュー」も置いています。
- 鹿沼のテントサウナで焚く薪は、「木工のまち」鹿沼の良質な薪。
- 芦別では、富良野のコーヒー店オーナー監修のBBQメニューや、富良野のベーグル屋・芦別のパン屋さんと連携。
施策③ 地域の事業者と、一緒に体験をつくる
ここが一番、数が増えているところです。
- しろとり動物園(東かがわ市)× ザランタン東かがわ — 開園前の動物園を宿泊者だけで貸切にする早朝プラン。キリンと朝食を食べるプランは1日1組限定。
- ファーム富田(中富良野町) × ザランタン芦別 — ラベンダーシーズンの「ラベンダーバス」無料乗車券つき宿泊プラン。
- 出会いの森いちご園(鹿沼市)× ザランタン鹿沼 — 宿泊者限定のいちご狩り。通常は出さない品種を日替わりで試食できます。
- 翼山温泉 (東かがわ市)× ザランタン東かがわ — 隣接する温浴施設と共同で「ザランタン東かがわマルシェ」を開催。地元飲食店のキッチンカーやクラフト雑貨、ワークショップが並びます。
そして、ここに挙げたのはあくまで一部です。
というより、プレスリリースになるのは氷山の一角で、実際には拠点ごとにもっとたくさんの企画が動いています。しかもその多くを、入社1〜3年目のメンバーが自分で持ってきて、自分で形にしています。
たとえば、
- CRAFT HOTEL 瀬戸内では、サウナ好きのご夫婦の披露宴を実施。「サウナのあるホテルで挙げたい」という声から、貸切のウェディングをゼロから組み立てました
- 地元の小学生の職業体験の受け入れ。ホテルの仕事を子どもたちに体験してもらう日をつくりました
動物園と組む話も、いちご園と組む話も、披露宴も、職業体験も、スタートはだいたい同じです。現場の誰かが「これ、やったら面白くないですか?」と言い出したところから。企画書のフォーマットも、稟議の長い列もありません。
「地域の人やお客様と話していて思いついたことを、そのまま仕事にできる」。ここが、ダイブの地方創生事業のいちばん面白いところだと思っています。
施策④ 国の事業の"事務局"としても、まちの再生に関わる
2026年4月、観光庁の「廃屋撤去・再生による地方温泉地等のまちづくり支援事業」の事務局として採択されました(2028年3月末まで)。地方の温泉街に残る廃屋の撤去・減築と、新しい宿泊施設への再生を支援する事業です。廃業ホテルを自分たちで再生してきた実業の知見を、全国の温泉地に横展開していきます。
【おわりに】私たちは、外から口を出すだけの支援者ではありません
ここまで施策を並べてきましたが、最後に、私たちがどんなスタンスでこの事業に向き合っているかを書かせてください。
私たちは、外から口を出すだけの支援者ではありません。
その土地へ深くダイブし、「地域の一員」として、共に汗をかき、泥臭く事業を動かします。
地域に、そして社会に真に必要とされる事業とは何か。私たちは、そんな問いに向き合い続けながら、外から新たなものを持ち込むだけでなく、その土地の歴史や文化、自然、人の想いといった「地域資源」を丁寧に「編み直し」、未来へ続く、強くしなやかな事業を創り出します。
そうして生まれる事業には、他には真似できない「そこにしかない物語」が宿っています。
その物語に触れることで、地域の日常は、住む人の"誇り"となり、 その物語を体験することで、旅の記憶は、訪れる人の"一生モノの感動"となる。
地域に生まれる"誇り"と、訪れる人が持ち帰る"感動"。 この二つの「生きるよろこび」が交差する場所を、私たちは創り抜きます。
もしかすると、きれいな仕事ではないかもしれません。でも、一生モノです。その泥臭さを面白がれる方と、お会いしたいです。
ぜひ、エントリーお待ちしています。