みなさんはじめまして。東京でAnsatz会社を代表の私古賀ともう1人の社員の2名で運営しています。2021年に創業してから、約3年間、メインの事業であるマーケティング支援領域を取り組んでいる中で、新たな事業として2024年、コーヒースタンドをM&Aし、弊社にて運営を開始しました。
はじめてお会いする方になぜ新しい事業をはじめたのか、よく聞かれる内容でしたので今回の記事では改めて僕らが何を考え、なぜこのような行動に至ったのか。このあたりにフォーカスをして僕らの想いや考えをお伝えできればと思います。
理想論だけの会社にならないために
支援業をしていると、「言ってることは仰る通りなんですけどね…」で終わる提案に何度も出会います。理想論的なものは「取り組む理由」にはなりえますが、「人を動かす理由」になるわけではありません。
若い頃は「やるべきと思っていることがあるならばなんでやらないんだ」と思ったものですが、30代中盤、すっかりおじさんになった今では現場の事情があることも重々理解しています。
21年に創業するというタイミング、でこの会社のテーマを「問いを立て、実装し、価値をつくりだす」というものに設定しました。単に理想を語るだけでは意味がない。実装をしてはじめて価値が生まれる、という考えですが、実装することは、目の前にある困難に立ち向かうということと同義であると思います。
理想論だけを語るのではなく現場の想いも理解したうえで支援業に向き合う。そのためにも自分たちも手を動かし、事業に真正面から向き合う。その機会を増やしたい。この想いを具体化する新たなチャレンジの機会を伺っていた数年間でした。
未経験の「コーヒースタンド」を次のチャレンジに選んだ理由は
そんなことを考えていたのもあって、一つの選択肢としてスモールM&Aにも興味を持っていました。TranbiやBatonzなどを頻繁に眺めていたなかで、オンラインストアの運営やブランドライセンスの譲渡、インフルエンサー事業など何件か話を聞くこともあったのですがいずれも我々のレベルで譲渡を受けられるものはP/Lを考えてみてもあまり現実的な数字感になることがなく、ぐっとアクセルを踏もうと思えるものがなかったです。
そうしたなかで、たまたま出会ったのが今回のコーヒースタンド。これまでデジタルを中心とした事業を行ってきた自分たちにとって一番縁遠く、現場感のないリアル(リテール)なビジネスです。「新規事業開発」でやるべきではないと挙げられるポイントをあえて地で行く形にはなりますが、自分が経験したことがない領域にチャレンジできる機会があるのであれば、そのほうが自分たちの求めている経験を得られるのではないか。そう考えチャレンジすることを決意しました。
デジタルマーケティング会社がコーヒースタンドに目を付けた理由(TRANBI)
「言うは易く行うは難し」を超えるために
交渉開始からわずか1か月、2023年12月にスモールM&Aが成立。ある種勢いでプロジェクトを進めました。2024年1月には事業を引き継いだ形になりましたが、実際に店を再オープンできたのは5月。アルバイト採用やオペレーション整備など、売上が立たない準備期間の長さを痛感しました。
それから1年。
- 新メニュー開発
- ギフトボックスの企画
- フード提供の開始
- 近隣へのポスティングで集客テスト
など、失敗と発見を繰り返しながら挑戦中です。
やはり「言うは易く行うは難し」というのはその言葉の通りで、正直今も日々たくさん課題があがってきて、そのたびに頭を抱える日々です。
リソースや現場の負担などからやりきれないことも多いのですが、言い訳をなくし、とにかく現状の1店舗の売上最大化にむけてできることに取り組んでいきたいと思っています。
いま目指したい先は”スモールビジネス”スタジオ。
スタートアップスタジオという言葉があります。
定義1 スタートアップスタジオとは、同時多発的に複数の企業を立ち上げる組織である
定義2 スタートアップスタジオとは、起業家やイノベーターが新しいコンセプトを次々に打ち出す上で理想的な場を提供する組織である。(アッティラ・シゲティ著『Startup Studio』参照)
連続的に可能性のある事業をクイックに立ち上げ、大きくしていくことを前提に組織や法人を作っていく取り組み、と整理できると思いますが、今回のコーヒースタンドを起点に、ニーズが明確で安定した事業運営が行える “スモールビジネス” 版で実現したいと考えています。
支援領域をキャッシュエンジンにしつつ、様々なスモールビジネスに取り組むことによって、自社に知見を増やし、提供価値を広げていく。そんなことを会社として目指していきたいです。
これはあくまで絵物語で、現状はコーヒースタンドにフォーカスをするべきだと考えていますが、まずは事業といえるレベルまで引き上げて、次のチャレンジに進めるよう、これからも尽力していきたいと思います。