こんにちは、株式会社Amufiです。私たちは今、「日本の産業を復興させる」という大きな挑戦に向け、経営の中核を担ってくださるCFO候補の方を本気で探しています。

私たちのCFOを務める平本は、新卒で入社した株式会社レノバで、プロフェッショナルとしての基礎を徹底的に叩き込まれました。

この記事では、私たちが「なぜ彼と共に働きたいと思ったのか」、そして「Amufiが求めるプロフェッショナリズムとは何か」の原点でもある、平本の前職での経験と想いをご紹介させてください。

 ――本日はよろしくお願いします。まずは平本さんのキャリアの原点である、レノバでのご経験についてお伺いしたいと思います。そもそも、なぜ新卒でレノバを選ばれたのでしょうか？

平本： 学生時代から「社会の構造的な課題に本気で向き合う」ということに関心がありました。大学・大学院では、途上国における人の自立をテーマに研究し、無償援助が逆に依存を生んでしまう構造を目の当たりにしました。

表面的ではない本質的な課題解決とは何か、それをビジネスの世界で実践したいと考えていたんです。就職活動では、サステナビリティや脱炭素を本業で解決している事業会社か、それを支援するコンサルティングファームを志望していました。

そんな中、研究室の先輩がいたレノバと出会ったんです。「再生可能エネルギーだけで、東京電力の時価総額を超えるぞ」と本気で語る彼らの姿は、まさに僕が求めていた「本質的な課題解決に挑む」という姿勢そのものでした。その熱量に強く惹かれ、入社を決めました。

――入社後は、どのようなキャリアからスタートされたのでしょうか？

平本： それが面白いところで。当初は海外事業推進を希望していたのですが、組織の立ち上げフェーズで新卒の自分が入る余地がなく、国内の事業開発チームに配属されそうになったんです。正直、あまり興味が持てなくて「それなら、辞めようかな」と本気で悩みました（笑）。

そんな時、当時のCFOが声をかけてくれたんです。「うちのチームに来ないか」と。

財務や経営企画を担うCFO直下のチームで、そこに新卒で入るのは異例のことでした。

なぜかというと、当時の経営企画室は、ゴールドマン・サックスやJPモルガン、ローランド・ベルガーといった、いわゆる“外資系プロフェッショナル”出身者や監査法人出身者ばかりが集う少数精鋭のチームだったからです。業務の難易度も求められる基準も極めて高い。

それでも、国内の事業開発をやるよりはずっと面白そうだと思い、飛び込みました。そこでのインターンを経て、正式に配属が決まり、私のファイナンスキャリアがスタートしました。

――CFO直下チームとは、具体的にどのようなお仕事を担当されていたのでしょうか。

平本： 主に2つです。1つは、発電所を建設するためのプロジェクトファイナンス。木質バイオマス発電事業など、1案件で数百億円という規模の資金を金融機関から調達する仕事です。

最終的に、数千億円規模の調達に関与しました。会社の時価総額が1,000億円規模でしたから、いかに大きな挑戦だったか分かると思います。

もう1つは、レノバという会社全体の資金繰り管理です。プライム市場上場企業の財布を預かり、何百億円というお金の出入りを管理し、事業サイドにも働きかけ、リスク管理委員会の事務局も務める。最初は5人いたチームの仕事が、メンバーの退職が重なった結果、最終的にはCFOと私の2人だけで回していました。

とんでもなくハードでしたが、年次や経験に関係なく、バッターボックスに立つ機会が本当に多かった。この経験が今の自分を形作っています。

――まさに濃密なご経験ですね。特に印象に残っているエピソードはありますか？

平本： やはり、あの環境で叩き込まれた仕事に対する「基準の高さ」ですね。

資料1枚作るにも「神は細部に宿る」という考えを徹底する。アウトプットする数字や情報は、すべて一次情報まで自分で辿り、誰に対しても説明できる状態でなければならない。

「これくらいでいいだろう」という甘えは一切許されません。

当時の上司に「お前は詰めが甘い」と毎日のように叱られていました。ある時、上司の娘さんが学習机に貼っていたという「油断大敵」の張り紙を渡され、自席に貼るように言われたこともあります（笑）。

でも、そのおかげで「正しいだろう」という思い込みではなく、事実という盤石な土台の上にすべてを積み上げるという思考が体に染みつきました。

ファイナンスの仕事は、単にExcelを叩いて収支モデルを作ることではありません。金融機関を納得させるために、彼らが審査部門にどう説明すれば良いかまで考え抜き、ストーリーを設計する。

時には、現場の燃料購入契約の文言を変えてもらい、ボイラーの設計にまで口を出す。すべては、盤石なキャッシュフローを生み出し、プロジェクトを成功に導くためです。その執念とプロ意識は、間違いなくあの環境で培われました。

――順調なキャリアを歩まれていたにも関わらず、なぜスタートアップであるAmufiへの参画を決意されたのでしょうか。

平本： レノバでは本当に貴重な経験をさせてもらいました。ただ、入社して数年経った頃、5年後の自分の姿が「CFOの1つ下の本部長」だと、なんとなく見えてしまったんです。

世間一般で見れば素晴らしいことですが、僕にとっては「遅いな」と感じてしまって。

このままでいいのだろうか。そう考えた時、頭に浮かんだのがAmufiの創業者、江渕の顔でした。

──CFO直下で会社の根幹を支え、プロフェッショナルとしてのスキルを極限まで高めた平本。順調に見えたキャリアを離れ、彼がAmufiへジョインするに至った理由とは何なのか。次回は、創業者・江渕との出会いから、共同代表にまで登り詰めたストーリーをご紹介いたします。