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スタートアップだからこそ知っておきたいCloud Adoption Framework(中編)

◯テンプレートを活用しまくる

CAFでは各セクションにおいて様々なツールとテンプレートが用意されています。

結構すごい量で、ページ数で言うと1000ページ超えるくらい。

1個1個説明していくとキリがないので、今回はこの中からスタートアップに知っておいて欲しいものだけをかいつまんで話そうと思います。

CAFはクラウド技術者、意思決定者双方において共通の情報を取り扱います。

なので、最低限知っておかなければいけないことがあります。

共通の前提情報を持ったうえで、CAFを構成していくわけです。

①チームの全てのメンバーはAzureがどのように機能するかについて、基本的な理解を持っている必要がある

技術メンバーも基本的にAzureを知っていることがすごく大事。

Azureを知らなかったら、まずAzureを知るところから始めます。

②候補となるワークロードのポートフォリオは、戦略的、リリース計画、イデレーション内の技術的タスクの完了時に使用できるよう、全てのチームメンバーが利用できるようにしておくこと

つまり、全て資産として共有できているということです。

③技術戦略は、ホスティング階層のどのレベルで使用されるか、また、それらの用語がビジネスにどのような意味を持つか明確にする

例えばPaaS、IaaSなど、様々な大きいカテゴリーがありますよね。

リソースの名前から、その技術がどのように使われるのかが戦略上分かるようにしましょうということです。

④ネーミングとタグ付け

個人的にすごく大事なポイントだと思います。

これでルールを作っておくわけですが、実はこのルールがめちゃくちゃになると、その組織もだいたいバラバラになっていくんですね。

なぜならば情報が共有されないから。

⑤ホスティング階層は、リソース設計、サブスク設計に反映させること

これはセキュリティーの問題もありますが、そういったものもすごく大事です。

⑥そして、クラウドの機能、チーム、RACI構造を上記の基本的な概念に合わせていく

以上のように、前提知識を必要とするのがCAFです。

前提知識がないなら、最初にそれを頭に入れなくちゃいけないんです。

何もしてない人がCAFを扱えるわけではないってことですね。


◯じゃあ何からやればいい?

最初の意思決定テンプレートを使って、KPIを作っていきます。

最初の意思決定テンプレートにはすごく深いことが書いてあるんですね。

ビジネスポートフォリオを定める

Azureについての理解を深める

「推奨される名前付けおよびタグ付け規則」を利用して資産にルールを作る

資産にルールを作るというのは、ルールをチームで共有して、統一された思考言語で会話ができる状態にするということです。

これが最初の意思決定テンプレートというもので、まずこれを使うんですね。

進め方は前回言った通りです。

戦略、計画、準備、移行という順番にやっていきます。

ガバナンスと管理は構築してからではなく、構築前から入っていく。

これらを単純に1個1個やっていけばいいです。

ただ、1個1個のボリュームが非常に深くて広いですから、そこで先ほど紹介したテンプレートを作りながらやっていくわけです。

テンプレートを作るだけでも全然ありで、実際にやるのは後回しでもいいと思います。

テンプレートで情報をまとめて、チーム全員で共有し合うだけでもすごく価値がある取り組みだからです。

ここで1個、面白いツールをご紹介します。

Cloud Journey Trackerです。

https://docs.microsoft.com/en-gb/assessments/?mode=pre-assessment&session=local

設問に答えていくとあなたの会社、組織のクラウドへの道のりはこれぐらい険しいですよという、現在のクラウドの達成状況を評価してくれるツールです。

僕も時々やっているんですが、なかなか高評価になりません。厳しめな評価をしてくれます。

全部英語なのですが、DeepL使えば問題ないでしょう。


◯戦略と計画テンプレート

戦略を作る時、戦略と計画テンプレートというものを使っていきます。

アーキテクチャはビジネスと非常に密接な関係を持ってると僕は思っていて、特にスタートアップはSaaSを提供するので、そのSaaSのマーケットや開発ロードマップがビジネスに大きな影響を与えると思っています。

戦略と計画テンプレートは

財務成果

機敏性成果

到達性成果

顧客エンゲージメントの成果

という4つの成果に対するKPIを定めていくシートです。

このシートは意思決定者、いわゆる経営者だけでなく、エンジニアもこのシートを理解して仕事していくことが大事です。

スタートアップだとよくCEO、CFOの人がKPIを作るんですが、ぜひCTOが率先して戦略と計画テンプレートを作っていただきたいなと思います。(後編へつづく)

☆本記事はオルターブースYouTubeチャンネルの配信動画をもとに再構成しています。

☆配信動画の本編をご覧になりたい方はこちらから!(小島発表パート 1:41:32~2:03:17)


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