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【インタビュー】1万6千人の料理ブロガーが発信する「時代にフィットしたレシピ」の威力

こんにちは。広報の伊藤です。

メンバーインタビューの第3弾は、『レシピブログ編集長・久永千恵』です。

2018年に開設13年目を迎える「レシピブログ」は、料理がメインテーマの約1万6千ブログをネットワークする日本最大級の料理ブログポータルサイトです。積極的な発信意欲を持つパワーブロガーのブログが集まっており、人気ランキングで上位入りした料理ブロガーは書籍出版やメディア出演、プロモーション企画など、幅広く活躍されています。

今回は、レシピブログに参加する料理ブロガーの姿を通して、インフルエンサーマーケティングや料理ブロガーが求められる背景を語っています。

膨大な数のブログから浮かび上がる「時代にフィットしたレシピ」


▲入社以来10年にわたりレシピブログを担当する編集長の久永千恵

大手ECサイトのディレクターを経て、久永がアイランドに転職したのは2008年。レシピブログは開設3年目を迎えた頃のことでした。

2012年からは複数人体制で運営していますが、入社後数年間はユーザーからの問い合わせ対応、メールマガジンの執筆・配信、アプリやスマートフォンサイトの立ち上げ、イベント運営などをひとりで担っていた久永。「想像していた以上にいろんなことをやるんだなと思いました」と笑います。

レシピブログのコンセプトは「暮らしの中にレシピがある。レシピの中に暮らしがある」。普段の暮らしの中にある料理やライフスタイルをブログで発信している人たちを束ねているサービスです。

投稿型のレシピサイトと比べ、レシピブログは料理ブロガー個人にフォーカスし、個人にファンが付きやすいような仕組みになっています。

レシピブログは、食にまつわる企業のプロモーションや広告収入などで運営するビジネスモデルを採用しているため、ブロガーは利用料無料で登録・利用することができます。

たとえば、食品メーカーの新商品が出る際、レシピブログの料理ブロガーに、使い方やレシピ作成を提案・依頼します。ブロガーが自身のブログで自由にレシピを発信することで、新商品がどんどん拡散される仕組みです。ここ数年、こうした仕組みが「インフルエンサーマーケティング」とも呼ばれ、あらためて注目されています。

久永「メーカーにとっては、新商品のプロモーションになります。料理ブロガーにとっては、新商品をいち早く体験でき、新レシピを発信することができますし、レシピブログとしてはコンテンツが増え、かつ広告収入が得られるという、まさに三方良しのビジネスモデルだと思います」

開設当初から今に至るまで、毎年どんなレシピが流行ってきたかをまとめた際、「時代背景と連動して、はやるレシピも変わってきている」と久永は分析しています。

たとえば、直近では共働き世帯が圧倒的に増えたことにより、レシピブログでも「時短」「つくりおき」などが人気キーワードとして上がってくるようになり、“時代にフィットしたレシピ”が多く見られるようになりました。

膨大なブログから浮かび上がってきたキーワードだからこそ、ニーズが顕在化しており説得力もあります。

普通の主婦が月間300万アクセスの人気ブロガーに!

▲編集部監修のものをはじめ、料理ブロガーによる出版は500冊以上

レシピブログは、日本最大級の料理ブログのポータルサイトとして、開設以来、PV・UUともに右肩上がりの成長を続けており、月間約1800万PV(2018年4月現在)を誇るサービスになりました。

成長を続けている理由のひとつに「等身大のレシピ」があります。

久永「インスタ映えという言葉ができるなど、オシャレで華やかな食卓の写真を好む・発信する人が多い一方、実際は忙しい毎日を送る主婦の方が大半なんですよ。だから、『これなら忙しい私でもできそう』『料理は苦手だけど、これくらいならつくれそう』など、等身大のレシピを発信している料理ブロガーさんのニーズがあるのではと感じています」

レシピブログに参加しているブロガーの中には、レシピ本を出版している人も多くおり、レシピブログ監修のものも含めると、500冊以上のレシピ本が出版されています。

中には累計売上500万部以上のブロガーもおり、時代のニーズにフィットした等身大のレシピを発信できる料理ブロガーの需要は、ますます高まっているといえます。

2015年頃からの人気のキーワードには「時短」「お弁当」「節約」「つくりおき」などがあります。月間300万アクセスの人気ブロガー たっきーママさんは、「つくりおき」×「お弁当」で、2018年3月「たっきーママの朝作らない!作りおきおかずのお弁当(扶桑社)」を出版。

「つくりおき」が流行っていますが、週末に何時間もかかるのでは本末転倒。それを1時間で1週間分のおかずをつくることができ、毎朝10分でお弁当ができるという究極の「スピードつくりおき弁当」を提案する内容で、発売後すぐに重版が決まりました。

山本ゆりさんは、基本的に手に入りやすい材料を使い、レシピも簡単で失敗しにくいのが特徴のブロガー。出版した料理本は、シリーズ累計510万部以上売れています。

レシピに加え、日々の他愛もないことをブログに書いていて、エッセイ本も執筆。彼女のファンはレシピだけではなく、ブログそのものを楽しみにしているといいます。

山本さんはもともとあまり料理が得意ではなかったそうですが、ブログをはじめることで、レシピ本を出版するまでになりました。

レシピブログには、彼女たちのようになりたいと夢見る人たちが、ブロガーとしてどんどん参加しています。

情報過多な社会では、「自分の好きなブロガー」の情報が深く刺さりやすい

▲山本ゆりさん、たっきーママさんも受賞した料理ブロガーを称える「レシピブログアワード」

レシピブログには、10年以上活躍しているブロガーも多数いらっしゃいます。

クライアントからも「○○さんに新商品のレシピを開発してほしい」「○○さんの書籍を出版したい」など、バイネームでオファーをいただくこともしばしば。

久永「一定のファンが付いているのがわかっているので、企画を出しやすい・通しやすいのではと考えています」

特定のブロガーだけに人気が固定化しないように、レシピブログとしては新人ブロガーにもどんどん活躍してほしいという想いがあります。新しい世代にスポットがあたるように、特集やコーナーで紹介したり、埋もれているレシピを掘り起こして記事化したり、新人やランキング上位者以外も注目されるようにしたりと、さまざまな工夫をしています。

参加ブロガーはレシピブログとのエンゲージメントも深く、何か新しい企画で声をかける際も、ほとんどの人が参加を快諾してくれるといいます。

雑誌の記事広告やテレビCMに比べ、ブログは文章の量も表現も自由。企画に参加してくれたブロガーは非常に丁寧に記事を書いてくれるため、プロモーションとして情報がより深く伝わるのがメリットです。

久永「昨今は情報が多様化し、どの情報を信じたら良いかわからないという声も聞こえます。そんな中で、自分の好きなブロガーからの情報は刺さりやすいのでは。マス向けの情報も必要ですが、自分の信頼する・好きな人からのアプローチは、より記憶に残りやすいんだと思います」

前章で紹介したふたりの人気ブロガーは、日々どのようなことに気を付けて執筆しているかをこう話します。

山本ゆりさん「 1対多数ではなく、1対 1でやり取りしているスタンスで書くようにしています。ブログに初めて訪れた方がいることを意識して、私のことやブログの内容を知っている前提で書かないこと。逆に毎日読み続けてくださる方もいらっしゃるので、レシピを使いまわしたり、同じことを書いたりしないようにしています」
たっきーママさん「毎日書き続けるために、飾らず・気取らず・気張らず。明日も見に来たいと思ってもらえるよう、ネガティブなことは書きません。たまに厳しい意見をいただくこともありますが、真摯に受け止めてプラスにするよう意識しています」

次世代ブロガーを育成する「NEXT FOODIST」プロジェクト

▲「NEXT FOODIST」キックオフイベントを開催(2018年4月)

レシピブログでは、2018年春から「NEXT FOODIST」というプロジェクトを立ち上げます。編集部が厳選した54名に、1年間を通して編集部のさまざまな企画に参加いただき、次世代の料理ブロガーの活躍の場を広げるものです。レシピブログに参加して一定期間の新人ブロガーを対象に、料理写真やスタイリングなどの講座を用意。「参加ブロガーさんには、料理ブログの楽しさや発信することの喜びを感じてほしい」と久永はいいます。

1年間かけてブロガーをフォローしていく。その理由を以下のように語ります。

久永「今は Instagramのように写真を簡単に投稿できるサービスが増え、ブログを書く時間が相対的に減ってきているように感じます。だからこそ、リッチな情報を書く料理ブロガーさんの価値は逆に上がってきています。
レシピブログとしてはそのストーリーや背景が読み手に深く伝わるブログの良さを伝えていきたい。このプロジェクトを通じて、盛り上げていきたいという想いがあるんです」

レシピブログは、自分のライフスタイルや料理のアイデアをどんどん発信することで、人気ブロガーになり、料理を仕事にしたり、本を出版したり、夢を叶えたりする人をたくさん見てきました。ブログによって「料理や暮らしを楽しむ人たちを増やす」ことも社会をもっと豊かにし、世の中に貢献する道筋のひとつだといえます。

レシピブログは、料理ブログを通じてたくさんの食卓に笑顔を届けていく料理ブロガーさんたちと、そのファンの方々をつないでいくサービスであり続けたいと思います。

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