What we do
コエカルは、診察中の会話を、そのまま診療記録に変える医療特化型の音声AIサービスです。
やっていることはシンプルです。医師と患者の会話を録音し、AIがその内容を読み解いて、わずか数秒でSOAP形式のカルテを自動生成する。医師は診察を進めるだけで、記録という別作業を並行してこなす必要がなくなります。
これは単発の文字起こしでは終わりません。生成された記録は電子カルテに転記できる形で残り、患者ごとの過去の診察データとして蓄積されていきます。その蓄積があるからこそ、次の診察前には症状の経時変化を瞬時に把握でき、他院への紹介状や診療情報提供書、サマリーといった書類も、過去のやり取りをもとに自動で下書きできるようになります。つまりコエカルが担っているのは、「その日のカルテを書く」ことだけではなく、「診療にまつわる記録業務全体の負荷を、限りなくゼロに近づける」ことです。
この積み重ねは、すでに数字として表れています。全国300施設への導入を通じて、記録作成にかかる時間は平均70%削減され、医師一人あたり年間600時間以上の時間が生まれています。空いた時間は、パソコンの画面ではなく、目の前の患者に向けられる時間になります。
Why we do
診察室で今、多くの医師が向き合っているのは、患者の顔ではなく画面です。医師一人あたり、記録作業に費やす時間は1日2.3時間、年間では600時間を超えます。カルテは患者ごとに内容が異なり、定型文のコピペでは済まず、翌日に繰り越すこともできません。だから記録は、診察中も、診察の合間も、閉院後も、常に医師について回ります。
その積み重ねが現場に生む影響は、数字だけでは測れません。入力に追われて対話が途切れる。1人分の記録が、次の患者の待ち時間として積み上がる。一日の診療が終わったあとも、会話を思い出しながらカルテを仕上げる。そうした日々の中で、「先生がこちらを見てくれなかった」という患者の声が生まれてしまうことがあります。医師も、望んでそうしているわけではありません。
一方で、国は「医療DX令和ビジョン2030」のもと、2030年までに電子カルテ普及率100%を掲げ、医療現場のデジタル化を加速させています。ただし、デジタル化そのものは目的ではないはずです。効率化のためのシステムが、結果として医師の入力負担を増やし、患者と向き合う時間を奪ってしまうのであれば、それは本末転倒です。
私たちのメンバーには、元病院薬剤師も含まれています。効率化の名のもとに、現場の負担がむしろ増えていく矛盾を、外からではなく内側から見てきました。だからこそ私たちが取り組んでいるのは、記録作業を効率化すること自体を目的にするのではなく、その先にある「医師が、患者の目を見て話せる時間を取り戻すこと」です。声が、そのまま記録になる。それによって生まれた時間を、対話に返す。それが、コエカルを続けている理由です。
HP: https://www.advatec.co.jp/
https://info.coekar.com/
How we do
コエカルが現場で機能する理由は、汎用の音声AIではなく、"医療特化"であることに徹底してこだわっている点にあります。
まず土台となるのが、独自の医療辞書によるチューニングです。汎用の音声認識では薬剤名や疾患名、専門用語で誤変換が頻発しますが、コエカルは医療現場の言葉を正確に聞き取るよう設計されており、認識精度は90%に達しています。この土台があるからこそ、次のステップが機能します。
聞き取った会話は、録音停止と同時にAIが文脈を理解し、S(主観的情報)・O(客観的所見)・A(評価)・P(計画)へ自動で構造化されます。テキストを羅列するだけの汎用ツールと違い、医師が診察後に手動で整形し直す手間がありません。診察が終わった瞬間には、カルテの下書きがすでにそこにあるという状態を目指しています。
同時に、扱っているのが患者の診療情報である以上、セキュリティは機能と同じ重みで設計しています。エンドツーエンド暗号化を採用し、医療情報システムの安全管理ガイドラインに沿った設計とすることで、院内インフラと同等水準の保護を実現しています。
この精度と安全性を裏付けているのが、医師監修という体制です。江戸川病院の明星智洋医師に監修いただくことで、開発チームだけでは見えない臨床現場の実態を反映し続けています。実際に画面ではなく患者を見て話せるようになったという声は、この監修体制があってこそのものです。
そして、ツールを渡して終わりにしない。導入は最短2週間で完了しますが、そこがゴールではありません。要件ヒアリングに始まり、診療科別の辞書調整、医師・スタッフへの操作トレーニング、パイロット運用を経た全体展開、そして月次レビューによる継続的な改善提案まで、カスタマーサクセスが院内オペレーションの設計そのものに伴走します。コエカルは「導入して終わる製品」ではなく、「現場に定着するまで責任を持つサービス」として設計されています。