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【アカデミストスタッフインタビュー】第1回:代表取締役 CEO 柴藤亮介

2014年、研究者が研究アイデアを幅広く伝えることで、研究活動の自由度を拡げることを目指したクラウドファンディングサイト「academist」がリリースされた。これまでに約80名の研究者が同サイトにてクラウドファンディングプロジェクトに挑戦し、総額約1億円の研究費の獲得に成功してきたという。

今回は、サイト立ち上げ時から4年間で合計300名以上の研究者に研究ヒヤリングを行い、約100件の研究プロジェクト立案・コンテンツ作成に携わってきたアカデミスト代表取締役の柴藤亮介(しばとう・りょうすけ)氏にアカデミストの魅力や今後の展望についてお話を伺った。

——柴藤さんは、アカデミスト立ち上げ前には何をされていたのでしょうか。

大学院の博士課程で理論物理学の研究を行っていました。具体的には、原子核の動的なふるまいを理解するために、基本的な理論を勉強しながら、紙とペン、ときにはコンピュータを用いて理論計算を進めていました。しかし、研究を進めていくうちに、他の分野の大学院生たちはどのような研究をしているのだろうという疑問を抱くようになりました。

そこで、友人たちと一緒にさまざまな分野を専門に研究を行う大学院生を集めた異分野交流会を企画してみました。開催前には他の研究分野のことなんて難しくて理解できないだろうと高を括っていたのですが、実際に話を聞いてみると、想像以上におもしろかったんです。研究の細部まではわからなくても、研究背景や動機、大まかな研究の流れ、最終的に明らかにしたいことを把握することで、さまざまな学問分野の魅力に迫れることに気付きました。そして何よりも、研究について熱く語る研究者のたまごたちがカッコよかった。こうした研究者の魅力をもっと知ってもらいたいと思い、2014年4月に学術系クラウドファンディングサイト「academist」を立ち上げました。

——アカデミストのサービスについて教えてください。

クラウドファンディングサイト「academist」と、学術系メディア「academist Journal」を中心としたサービスを運営しています。

academistは、日本初の研究費獲得に特化したクラウドファンディングサービスです。クラウド(Crowd:群衆)+ファンディング(Funding:お金を集める)という語源からわかるように、研究者が研究アイデアを実現するための資金をインターネットを通じて多数の支援者から集めることを目的としています。これまでに約80名の研究者が「academist」にてクラウドファンディングプロジェクトに挑戦し、総額約1億円の研究費の獲得に成功してきました。

academist Journalは、研究者が主役となる一般向け学術メディアとして、研究者自身が執筆したコラムや、第一線で活躍する研究者へのインタビュー記事を数多く掲載しています。若手からトップランナーの研究者まで、これまでに300名を超える研究者の方々にご協力いただきました。



——アカデミストはどういう会社ですか? 雰囲気やメンバー、柴藤さんが思うアカデミストの魅力について教えてください。

さまざまな分野や年代の専門家と出会えることが、アカデミストの一番の魅力です。研究者の方々とは研究内容はもちろん、これからの大学のありかたや研究費問題についても一緒に議論しています。研究者はすべての物事をクリティカルに考える傾向にあるので、どんなトピックの会話をしていても、聞き手に対して新たな視点を提供してくれるんです。

そしてこれと同じことが、アカデミストのメンバーにも言えます。博士号取得者や編集者、エンジニア、デザイナーなど、それぞれの領域におけるプロフェッショナルと一緒に、どうすれば研究者にとって良いサービスができるかを日々議論し、実装することができています。

——今後の目標や目指していることを教えてください。

まずは、アカデミストを通じて科研費の1%(約20億円/年)の研究費を流通できる環境を作ります。国の力が衰退してきている以上、これまでと同じ制度で多様な科学研究をサポートすることは困難です。過去に出版文化の台頭によって個人の知識人が影響力を獲得したのと同じように、academistで情報を発信した研究者に資金・情報・人材が集まり、ゆくゆくは国から独立した研究所を乱立させていけるような仕組みを作っていきたいと考えています。

——今後の発展を楽しみにしています。ありがとうございました。

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