インターネットテレビ局のAbemaTVは、2016年のサービスリリースからコンテンツを増やし、多くの方に見ていただけるようになりました。
AbemaTVでモーショングラフィックスを担当する白戸は、入社2年目。「初めはサイバーエージェントに馴染めるか不安だった」そうですが、今では全社を巻き込むイベントの映像を一人で手がけることもあります。
クライアントワーク中心の制作会社から転職をし、職場環境もプライベートも大きく変わったという白戸。転職後の変化や、黎明期のAbemaTVでのやりがいなどを聞きました。
白戸 裕也
株式会社AbemaTV モーショングラフィッカー/エディター。
2014年、日本大学芸術学部卒業。大手制作会社に新卒で入社し、テレビCM・WebCM制作等を経験。
2016年、株式会社サイバーエージェントに中途入社。AbemaTVで番組宣伝映像やオープニング映像の制作を担当している。
イケイケで華やかな会社だというイメージは、良い意味で裏切られました
———なぜサイバーエージェントへ転職をしようと思ったんですか?
前職ではテレビCMやWebCMを制作していたのですが、僕がやりたいモーショングラフィックスに関しては外注が多く、実制作をする機会が少なかったんです。転職を考えていた時にAbemaTVがモーショングラフィッカーを募集しているのを見て、「これは応募しないと!」とエントリーしました。すぐに担当者から連絡がきて、あれよあれよという間に面接に進みました。
面接官は第一線で活躍する現場のクリエイターで、まだ入社が確定していないのに「ランチに行こう」と誘ってくれたんです。仕事についていろんな話をして、今日にでも入社したい、と思いました。すぐに採用も決まって、すべてがとてもスピーディーでした。
———入社前、サイバーエージェントにはどんなイメージを抱いていましたか?
イケイケのパリピみたいな人たちがたくさんいる華やかな会社、というイメージでした。自分は暗い編集室でパソコンに向かって作業をしている地味なタイプだったので、馴染めるかな……とものすごく不安でした。でも実際に入ってみると、みんな仕事に対して真摯に向き合っていて、日々切磋琢磨している。いい意味でイメージが裏切られました。
上長との距離が近くて風通しが良く、誰もが楽しそうに仕事をしているので、それが華やかなイメージに繋がっていたのかもしれません。
入社1年半で大きな裁量権を持てる環境です
———入社して、働く環境はいかがでしたか?
入社してすぐ、AbemaTVで流れる30秒CMの制作を任されました。前職ではアシスタントからのスタートでしたが、すぐに制作を一人で任せてもらえることに驚きましたね。必要な機材やソフト、プラグインがあれば購入してもらえるし、わからないことがあったら社内のチャットツールで質問すると、チームメンバーだけでなく、チーム外のメンバーからもすぐに返事があります。入社面接と同じで、なにもかもスピードが速いです。
———入社してどんな仕事を手がけられましたか? また、どのように社内での仕事が決まるのでしょう?
今はAbemaTV内で流れる番組宣伝映像や、「タップル誕生」「AWA」など自社サービスの広告映像制作、CI(コーポレートアイデンティティ)、社内イベントで流すムービーなど幅広く制作しています。最近では、サイバーエージェントの技術力強化を目的とした、エンジニア・クリエイターの合同技術カンファレンスのオープニング動画を制作しました。
モーショングラフィックスだけでなく、編集作業や合成作業などももちろん行います。プロデューサーやディレクターと一緒にチームで仕事をすることもあるし、経営メンバーから直接制作を任されることもあります。基本的には一案件につき一人のクリエイターが担当するので、とにかく個人の裁量が大きく、自由な反面、自分で決断していかなければいけません。同時に「やりたいことはやればいい!」という社風なので、やってみたいことがあればどんどん挑戦できる環境です。入社から約1年半でこれだけ自由に、責任を持って取り組める環境は、とてもありがたいです。
クライアントワークからの転職は、強みも変化も大きい
———中途入社であることは、今の仕事にどう影響していますか?
前職の制作会社で身につけたことがとても役立っています。映像の基礎知識がなければ、カットの繋ぎ方や、馴染みのいい合成の仕方など、短い時間でいかに表現するかに手間取っていたと思います。ネットで調べても出てこない現場での細かいニュアンスがわかるのは、中途入社の強みだと思います。
———前職ではクライアントワークでしたが、自社コンテンツに関わるようになってどんな変化がありましたか?
ギリギリの時間までクオリティーに挑戦できるようになりました。社内コミュニケーションのスピードも早いので、制作してフィードバックをもらってブラッシュアップして……の繰り返しが何度もできます。良いものを創るために、とことんこだわることができるので、クリエイターにとっては挑戦しがいのある環境です。
また、クライアントワークとは違い、手がけた仕事を「僕がやりました」と外部に発信しやすいのは、自社コンテンツのいいところです。責任もありますが、とてもやり甲斐がありますね。
サイバーエージェントならではだなと思うのは、他部署の人とも気軽にランチや飲みに行くことです。直接会ったことがない人とも「今度ランチでも」と出かけ、新たな繋がりが生まれたりします。先日も人事の新卒採用担当メンバーと「こういう人材と働きたいな」とか「こんな学生がいるんだけど面接してもらえないか」などご飯を食べながら話しました。
SNSで知り合った学生さんともよくランチに行きますよ。スキルの高い方も多いし、いろいろ質問をしてくれるので僕も勉強になります。たくさんの方に出会って学びたいし、部署や会社という垣根をこえて、映像業界全体が盛り上がればいいなと思っています。
自分で決められる環境で、出会いやアイデアが広がった
———転職して大きく変わったことはなんでしょうか?
これまで述べたような仕事環境の変化もありますが、スケジュールを自分で決められることで、自分への投資のために使える時間が増えました。
モーショングラフィックスについてより知識を得るために、テレビ番組やCM、ビデオオンデマンド、写真、演劇、音楽、SNSなど、あらゆるメディアをチェックしています。他分野の技術について学ぶことは、必ず映像制作にも繋がるなと思っているんですよ。医療やスポーツは色や動きの仕組みに関係しているし、認知心理学は映像から受ける印象に関わります。
最近では写真スタジオに勤めている知人に映像技術を教えたり、編集のお手伝いをしたりしています。そうやって他の業界の方と関わることは、20代のうちに一番やりたいことです。それが実現できる環境にとても感謝しています。
休みの日は、趣味のディープスポット巡り。暗渠(地面の下の水路)やトマソン(意味のない建築物。どこにも繋がらない階段や、開けられないドアなど)を見に出かけたりしています。アイディアのヒントにも出会えるので、相乗効果で仕事も楽しくなるんですよね。
クリエイターのメンバーとは年に1回有志でキャンプに行っています。ベテランも若手も関係なく、1泊2日を過ごし、いい気分転換になりました。
AbemaTVは今がもっとも面白い時期
———これから、どんなことに取り組んでいきたいですか?
「AbemaTVって面白いよね、クオリティー高くてもっと見たくなっちゃう」と言われるように、デザインやモーションのクオリティーをどんどん上げていきたいです。AbemaTVはまだ黎明期で、コンテンツも充実してきていると同時に、新しいことにも挑戦でき、自分で決められることも多いです。「これからどう面白くしていこうか」と考えられる、一番わくわくする時期じゃないかなと感じています。
また、いろんな方に会ったり、僕だけでなくチームメンバーのスキルも上がるような勉強会やイベントももっともっと積極的に開催したいです。
最終的にはサイバーエージェントを日本有数の、ひいては世界有数のクオリティが出せる組織にできたら嬉しいです。もちろん自分のエッジも立たせていきたい。それができる会社なんじゃないかな、と前向きな気持ちで頑張っています。
———どんな方と一緒に働きたいですか?
映像に対して「いいものを作りたい」という熱意がある方と働きたいです。技術的なことは、IllustratorとPhotoshopは必須ですが、編集合成ソフトなどは指定のツールはありません。自分が使いやすいソフトで完成させられれば、手段はなんでもかまわないのです。テクニックよりも、すごく映像が好きだということが一番大事ですね。
———もし今サイバーエージェントへの入社を迷っている方がいたらどんな声をかけたいでしょうか?
高校の先生に言われた言葉で、「Where there is a will, there is a way. 意志あるところに道は開ける」です。まさにその通りで、自分が動かないと始まらない。迷ってるくらいなら入っちゃおうよ、と。
僕は入社して、昔からの知り合いに「明るくなった、楽しそう」と言われることがあります。自分でもこんなに毎日が楽しく、充実するとは思っていなかったので、勢いよく飛び込んでみてよかったなと思っています。ぜひ一緒に、映像で世の中を楽しくしていけたら嬉しいです。