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aba CEOインタビュー「よく生き、よく死ぬ、未来つくり」

こんにちは、aba広報担当です!

株式会社abaでは、においで尿と便を検知する、業界初の排泄センサー「Helppad」を開発。今回はCEOの宇井に会社の設立背景や事業への想いを聞いてみました。

会社設立の経緯を教えてください!

私は学生時代に千葉工業大学の未来ロボティクス学科にいました。そこで、この会社の前身となる学生プロジェクト「aba」を立ち上げます。その後、扱っていたテーマを製品化するために株式会社abaを設立しました。

介護事業を始めたきっかけは、中学生の時に祖母がうつ病になってしまったことです。祖母は一日中ネガティブな発言をしていて、家族全体が疲弊していました。その時に、うつ病の本人も大変ですが、「周りで支える介護者の負担がとても大きいこと」や「その介護者たちに、ある程度のスキルがないと支えることができない」ことを学びヘルスケア領域に興味を持ちます。

介護スキルについてはどのように学んだのですか?

ユーザーについての知見を深めたいと思い、起業後にボランティアを含めて3年ほど介護職に就きました。この時期に介護スキルを取得し、サービス提供ができるまでになります。同時に「必要な時に必要な介護の重要性」を知ることもできました。勤務していたところが認知症ケアに力を注ぐ事業所で、利用者が着々と回復するのを目の当たりにします。ベテランヘルパーの接する認知症患者は回復が早く、当時新米の私は、スキルの大切さを学ぶことができました。そこで、介護経験はないけど何か役に立ちたいと思う人たちに対して、テクノロジーの力で何かしらの価値提供ができるのではないかと考えました。


(介護職時代の添い寝の写真)

今後の事業展開を教えてください

介護未経験者がベテラン介護職員と比べてスキルが届かないまでも、一定水準は担保できるようにテクノロジーでカバーできる世界を作りたいと考えています。介護未経験者とは、ある日突然介護をしないといけない状況に置かれる人たちのことです。自宅に要介護者がいる家庭では、年間約10万人が自分の仕事を辞めて介護を行わざるを得ない現状にあります。

このようなシーンで2つの社会的ニーズが発生します。

1つ目が、経済的ニーズです。要介護者一人分の年金で、二人で暮らさないといけない。貯蓄を切り崩して生活するケースが多いので、経済的な問題が発生します。そこでテクノロジーを通して介護負担を減らし、仕事に復帰するための時間確保をしてほしいと考えています。

2つ目が、介護職人材の離職率です。昨今3年以内に離職する割合が7割を超えます。しかし、介護施設は人員配置基準も決まっていますので、施設経営者は止むを得ず、無資格未経験者を雇っています。スキルが乏しい人材だと上手く介護をすることができないので、施設側が常時研修をやらないといけない。しかし、研修を行うためのリソースが足りないなどの問題が発生します。

この2つに共通することは、医者や看護師のように国家資格を取得してから現場で働く、という段階を踏めずに、いきなり介護をせざるを得ない状況です。そのような方たちを支えたい想いが私自身のバックグラウンドとしてもありますし、今の日本で求められていることだと思っていて、介護者支援システムを作りたいと考えています。

理念・ビジョン・ミッションの定義について教えてください!

弊社では、理念を北極星、ビジョンを星空、ミッションを星空の作り方と定義しています。

「理念」の北極星は、どの場所から見ても天辺にあるもの。時代や見る場所が変化しても永遠に天上にあるものだと位置付けています。

「ビジョン」は北極星に対して、今の時代にどのような星空が見えているべきかを定義しています。

そして「ミッション」は、ビジョンの作り方です。本来、星空がどのように見えているべきかを考えた時に、いつ、誰が、何をしなければいけないかが分かるようにしています。

理念・ビジョン・ミッションについてもっと教えてください!

まずは理念からお願いします。

理念に関しては私は創業時から「よく生き、よく死ぬ、未来つくり」と言っています。ここでは「よく」がキーワードです。具体例を挙げると、弊社でたばこがとても好きな技術者がいます。彼は1日1箱ほど吸うのですが、「そんなに沢山吸うと死ぬよ」「早死にするよ」と過去に伝えた時に、「俺はただ意味もなく長生きするよりも、、好きなだけたばこを吸って死にたい」と言いました。

このとき彼の「よく生きる」とは、自分のやりたいことをやりたいだけやって、スパっと死ぬことだと気付きました。自分がやりたいことをやりたいようにやるということは、人によって考え方が違います。病院で色々な処置をして1秒でも長く生きたいと思う人もいれば、住み慣れた場所や自宅、長く暮らした施設で関係者を呼び、看取られながら死にたいと言う人もいる。「よく生き、よく死ぬ」は一人一人違う。そのような想いを理念には込めています。

また「よく死ぬ」という言葉は、意図的に入れています。介護職時代、関わらせていただいた利用者が亡くなった際に、亡くなった方の住み慣れた場所で、そのご家族とその方の人生について話をする機会が多かったんです。その時間はすごく意味のある時間だな、と感じました。そこで「死ぬ」という言葉を大事にしたいと思って「よく生き、よく死ぬ」と言葉を選んでいます。

ビジョンについてはいかがでしょうか?

ビジョンは「支えあいが巡る社会をつくる。」です。

介護や子育てをするなかで、支えあいが巡ることは、今の時代には必要なことだと思います。お互いがお互いを支えているという意味で「支えあい」という言葉を弊社ではとても大切にしています。

祖母の話に戻りますが、祖母はその後、うつ病に加えて認知症を併発しました。
しかしその頃はすでに私が介護職に就いていました。仕事をする中で、認知症ケアについて学んでいたので、頻繁に地元に戻り、祖母のケアプランについてケアマネさんやヘルパーさんと話し合いました。それがきっかけで、祖母は日に日に回復していきます。その時、祖母との関係性がアップデートされたように思えました。今までは祖母に支えられる側だった私ですが、支える側になりました。これは、まったく予想していなかった未来で、私が祖母を支える側になった時、このような関係も素敵だな、と思いました。「支える」「支えられる」の一辺倒ではなく、「支えあい続ける」のニュアンスにしたいと思って、この言葉を選びました。テクノロジー系のベンチャー企業にしては、珍しいくらいワーディングにこだわっています。

「巡る」に関しても時代が巡るや関係者間で支えあいが巡ることをイメージして「巡る」を選んでいます。

最後にミッションについて教えてください!

ビジョンは、ミッションの作り方として定義しています。「支えあいが巡る」ために、今この時代でどのようなことをしたらいいのかを考えました。現在は、必要な時に必要な介護をテクノロジーで届けられるように準備しています。弊社ではソーシャル・ビジネス・テクノロジーの3軸で事業展開をしています。ソーシャルであり、ビジネス的意義もあり、テクノロジーをしっかり持った会社経営を心掛けています。

行動規範についても教えてください!

行動規範(3e)についても会社設立時に作りました。enjoy、encourage, elevateの3つになります。

enjoyは、富山先生(技術顧問)の教えです。普段から「どんな時でも楽しみなさい!」とよく言われます。そのため、まずは自分が楽しむことを重要視しています。仕事は「楽しい仕事」と「嫌な仕事」があると思いますが、それらを全部楽しめるようになればいいなと考えて作成しました。

その後、自分がenjoyしたら、ビジョンの「支えあいが巡る」に繋がるのですが、不安に思っている人をencourageしましょう、励ましあいましょう、と考えてencourageを選びました。

そして、最終的に個々人が仕事をenjoyして、お互いをencourageして、お互いが高めあえる関係になりましょう、という意味を込めてelevateにしています。そして高め合う以外にも実は意味があります。その時々の一番いいこと、120点を狙って活動しよう、そんな想いを込めて選定しました。

今後一緒に働きたい人について教えてください!

まずは3eが満たせる人と仕事をしたいと思っています。

なんでも楽しめばいいじゃん、と考えられる人はとても貴重です。そういう人は、ポジティブな気持ちを周りに伝達できるので、自然にencourageができて、社内でelevateしてくものだと思っています。だから、そういう人と一緒に働きたいと思っています。

一緒に働く仲間へ一言お願いします!

理念・ビジョン・ミッションを達成することは、とても難しいことです。そして、ソーシャル・ビジネス・テクノロジーの3つを網羅することも、難しいと考えます。しかし、今の時代において絶対必要なことだと思うので、この想いに共感してくれる人を待ってます!

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