日本で住宅・求人領域のフリーペーパーの営業・制作を経験した後、20代後半で台湾へ渡った山崎充香子さん。
日本での会社員生活、台湾への移住、現地企業での仕事、出産・育児、業務委託での働き方を経て、2025年10月にMarcheへフルタイムで参画しました。
なぜ海外へ渡ったのか。子育てをしながら、なぜもう一度「会社に所属して働く」ことを選んだのか。そして、実際にMarcheで働いてみて感じていることとは。
今回は、台湾在住14年目となる山崎さんのこれまでのキャリアと、Marcheで働くリアルについて聞きました。
山崎充香子 プロフィール
2025年10月、Marche株式会社に入社。
日本では住宅・求人領域のフリーペーパーの営業・制作に従事。その後、海外での仕事に挑戦するため台湾へ渡り、人材コンサルティング会社でのインターンを経験する。
インターン終了後も台湾に残り、中国語を習得。現地のマーケティング支援会社へ転職し、日系企業を担当したことをきっかけにWebマーケティングのキャリアをスタートした。
出産・育児を機に一度仕事を離れた後、在宅での仕事を開始。広告レポートの作成やリサーチ、資料作成などを経て、複数企業の業務を業務委託として担当する。
現在は台湾で子育てをしながら、Marcheでマーケティング業務に携わっている。
「誰に、何を伝えるのか」は、媒体が変わっても変わらなかった
――まず、これまでのキャリアについて教えてください。
台湾に渡る前、日本では住宅と求人の領域でフリーペーパーの営業・制作をしていました。
当時は今ほどWebメディアが中心ではなく、毎週のように絶対に後ろ倒しにできない締め切りがあり、原稿を作って校正や校了を迎えて、印刷された冊子ができあがるという仕事です。印刷工程後の修正はできないので、Web媒体のように間違っている部分があったら即上書き修正とはいかない緊張感はあったと思います。
住宅広告であれば、「この間取りに興味を持つのはどんな人だろう」「20代の夫婦なのか、30代なのか」と考えながら、誰に何をどう伝えるのかを組み立てていました。
今はWebマーケティングの仕事をしていますが、振り返ると「誰に、何を伝えるのか」を考えること自体は、ずっと変わっていないんですよね。
媒体や手法は変わっても、マーケティングの根っこにあるものは同じなんだなと感じています。
やり残したことに挑戦するため、20代後半で台湾へ
――そこから、なぜ台湾へ行くことになったのでしょうか?
20代後半になるタイミングで、自分の人生を改めて考える時期がありました。
そのときに思い出したのが、大学時代に留学を断念したことでした。
「これから先、自分がやり残したことは何だろう」と考えたときに、海外に挑戦してみたいと思ったんです。
ただ、社会人経験を積んだあとだったので、語学留学だけではなく、仕事の経験も得られるものにしたいと思いました。そこで選んだのが、海外での社会人向けインターンシップです。
もともと台湾を希望していたわけではありませんでした。
むしろ英語圏を想像していたので、行き先が「台湾です」と決まったときは、「え、台湾!?私中国語全然できないのに?」という感じでした(笑)。
まさかそこから14年も住むことになるとは、当時はまったく思っていませんでした。
台湾でWebマーケティングのキャリアを築いた
――台湾では、どんな仕事を経験しましたか?
最初のインターン先は、人材コンサルティングに関わる会社でした。
台湾の日系企業や、日本企業が台湾へ進出するときのサポートとして、人材採用、人事評価制度づくりなどのプロジェクトにアシスタントとして関わりました。
日本で使っている制度を、そのまま海外へ持っていくことはできません。
法律も文化も仕事に対する考え方も違う中で、「その会社が大切にしているものは残しながら、どう現地に合わせるのか」を考える仕事でした。
インターン終了後は、「せっかく台湾に来たのに、中国語も使えないまま帰っていいのかな」と思うようになって。
そこから台湾に残る決意をして本格的に中国語を勉強しました。
日本人コミュニティにいれば日本語だけでも海外である程度生活に不自由はしないのですが、あえてそこから少し距離を置いて、とにかく中国語を勉強する環境に自分を置いている期間もありました。
仕事でも使えるレベルまで中国語が身についたタイミングで、台湾のマーケティング支援会社へ転職しました。そこで日系企業を担当したことが、Webマーケティングのキャリアのスタートです。
出産とコロナ禍を経て、働き方を見つめ直した
――その後、働き方が大きく変わるタイミングがあったそうですね。
妊娠をきっかけに、一度仕事から離れました。
妊娠中は体調面の理由から仕事をすることが難しく、出産後も育児が始まります。
「子どもが1歳くらいになったら、また働き始めよう」と当初は楽観的に考えていたのですが、その頃ちょうどコロナ禍になりました。
保育施設の受け入れ自体が難しくなり、予定していたようには社会復帰できませんでした。
子どもが2歳になり、ようやく幼稚園へ通えるようになってから、少しずつ仕事を探し始めました。
ただ、夫の仕事は長期の出張が入ることも多く、近くに頼れる親族もいません。
子どもが体調を崩せば、自分が対応する必要があります。
「毎日決まった場所へ出社して働くのは、今の自分には難しいな」と思い、そこから在宅でできる仕事を始めました。
――在宅では、どんな仕事をしていたのでしょう?
本当にいろいろやりました(笑)。
広告代理店のレポート作成やリサーチ、資料作成、翻訳、補助金申請のサポートなど、最初は単発の案件を中心に受けていました。
そこから少しずつ継続して仕事を任せてもらえるようになり、業務委託として複数の会社の仕事をするようになりました。
子どもが小さい時期には、この働き方がすごく合っていたとは思います。
一方で、続けていくうちに別の課題も感じるようになりました。
子どもの成長をきっかけに、もう一度フルタイムで働くことを決めた
――そこから、再び会社に所属しようと思った理由は?
一番大きかったのは、仕事や収入の不安定さです。
業務委託なので、「今月はこれ以上できない」というくらい忙しい月もあれば、「今月、大丈夫かな」と思うくらい仕事が少ない月もある。私はどちらかというと後者の月も多かったんですよね。
子どもが大きくなるにつれて、これから必要になるお金も増えていきます。
夫もフリーランスなので、「夫婦二人とも不安定な働き方をしていて大丈夫なのかな」と考えるようになりました。
夫の働き方を変えるのは仕事柄難しい。だったら、自分がもう少し安定した働き方を選んだほうがいいのではないか。あと、子どもの成長と共に自分の今後のキャリアはどうしたらいいのだろうかと思うようになり、そこから「フルタイムで、一つの会社に所属して働く」ということを考えるようになりました。
それと同時に、コロナ禍を経験したことで、日本に対する気持ちも大きく変わりました。
台湾は日本から近く、それまでは「いつでも帰れる」と思っていました。
でもパンデミックなどの非常事態で国境が閉じれば、物理的に近くても帰れない。
3年以上日本に帰れない経験をして初めて、自分が思っていた以上に日本を大切に思っていることに気づきました。
だから次に働くのであれば、日本の会社で日本の仕事に関わりたいという気持ちが強くなっていました。
――Marcheとは、どのように出会ったのでしょうか?
知人からの紹介がきっかけでした。
そこでMarcheの代表と話す機会があり、会社が目指していることや、経営に対する考え方を聞きました。
話をする中で、「ここだったら、家庭を大切にしながら、もう一度しっかり仕事やキャリアに向き合えるかもしれない」と感じました。
そして2025年10月から、フルタイムでMarcheに参画しています。
家庭を大切にしながら、キャリアにも向き合える環境
――実際にMarcheで働いてみて、どうですか?
一番ありがたいのは、家庭を大切にすることを特別扱いされないことです。
もちろん仕事なので、自分の役割には責任を持つ必要があります。
でも「家庭があるなら仕事へのコミットが低くても仕方がない」という考え方でもなければ、「仕事を優先するなら家庭は後回しにして当然」という考え方でもない。
自分で責任を持って仕事を進めることを前提に、働き方には柔軟性があります。
母親として働く自分にとって、これは本当にありがたい環境です。
――台湾から働いているということは、Marcheでは海外勤務もできるのでしょうか?
ここは、少し注意が必要だと思っています。
「フルリモートだから世界中どこからでも同じように働ける」というほど単純ではありません。
海外から日本企業の仕事をする場合、国によってビザや税務のルールが違いますし、時差の問題もあります。
私の場合は台湾という、日本との時差が小さい場所だから成立している部分もあります。
大切なのは、場所そのものよりも、それぞれの状況に合わせながら、どうすればチームとしてきちんと働けるかを考えることだと思います。
仕事も家庭も諦めなくていい環境をつくりたい
――これからMarcheでやっていきたいことを教えてください。
自分自身、キャリアが一直線だったわけではありません。
会社員を経験して、海外へ行って、現地企業で働いて、仕事を離れた時期があって、業務委託になって、またフルタイムに戻ってきました。
だからこそ、これからライフステージが変わるメンバーに対して、自分の経験を何か還元できたらと思っています。
出産や育児を含め、働き続けたいと思っている人が「どちらかを諦めなければいけない」と感じなくてもいい仕組みを、会社として少しずつ作っていけたらいいですね。
そして、もう一つ大切にしているのが、自分の子どもに働く姿を見せることです。
海外で育つ子どもだからこそ、自分のルーツの一つでもある日本にも誇りを持ってほしい。
日本の大人や、日本の会社で働く人を見て、「仕事っていいな」「大人になるのも悪くないな」と思ってもらえたらうれしいです。
そのためにも、自分自身が責任を持って仕事をしている姿を、これからも見せていきたいと思っています。
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