今日も誰もが知ってる世界的企業の、面白いマーケティングに纏わる逸話を綴っていきます。
ペプシのソ連取引(軍艦と引き換え)
1989年、ペプシはソ連との取引でルーブルを受け取ることができなかったため、なんと旧ソ連の軍艦や潜水艦をペプシ製品と交換する契約を結んだ。この時点でペプシは、一時的に世界6位の海軍力を持つ企業になったという逸話がある。その後、ソ連崩壊とともにこの契約は終了したが、冷戦時代の企業戦略としては異例の出来事だった。
2. KFCの中国進出時のスローガン翻訳ミス
KFCが中国に進出した際、アメリカのキャッチフレーズ「Finger Lickin' Good(指をなめるほどうまい)」をそのまま中国語に翻訳した結果、「指を食べてしまえ」という意味になってしまった。当然ながら、これは現地で不評を買い、すぐに修正されたが、外資のローカライズの難しさを象徴する失敗例として語り継がれている。
3. アメリカン・エキスプレスの“自由の女神修復”キャンペーン
1983年、アメリカン・エキスプレスは「自由の女神を救え」というキャンペーンを実施。カード1回使用ごとに1セントを修復費用に寄付する仕組みにした。このマーケティングは大成功し、わずか4か月で170万ドル以上が集まり、アメックスのカード利用も大幅に増加。「コーズ・マーケティング(企業が社会貢献活動を通じてブランド価値を高める手法)」の先駆けとして今でも語られる。
4. ミシュランガイドの本当の目的
今や世界的なレストランガイドとして有名なミシュランガイドは、元々フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」が1900年に車の普及を促進するために作ったものだった。当時、自動車はまだ少なく、長距離を移動する習慣もなかった。そこで、ドライバーに「遠出してみよう」と思わせるために、各地のレストランやホテル情報を載せたガイドを無料で配布。これにより車の移動距離が伸び、タイヤの消耗が増え、結果として売上向上につながるという狙いがあった。
5. リーガル・シーフードの「悪評逆利用」戦略
アメリカの有名なシーフードレストラン「リーガル・シーフード」は、食品検査が厳しすぎて供給が安定しないことを逆手に取り、店の入り口に「本日は品質基準を満たさなかったため、〇〇の提供を中止します」と掲示することを始めた。結果、「ここは安全な食材しか使わない店だ」というブランドイメージが定着し、客足が増えた。わざと「売らない」ことで信頼を得るという戦略が見事にハマったケース。