2024年に新卒入社したエンジニアメンバーの茂木がまもなく3年目を迎えます。茂木はこの2年間で何を学び、どのように成長を遂げていったのか。
今回は、開発本部を率いる執行役員の惠良とともに、茂木の2年間を振り返りながら、GOの若手エンジニアが難所に入っていくためのヒントを探ります。
茂木 貴紀 開発本部 ソフトウェア開発統括部 バックエンド開発部
大学を休学し、医療系スタートアップでエンジニアインターンとして開発にフルコミット。その他にも複数社でのインターンを通じてプロダクト開発の現場を経験し、2024年4月にGOへ新卒入社。バックエンド開発を担いながら、有志の技術広報チームとしてテックブログ発信やオンライン勉強会「GO TechTalk」の運営にも携わる。
惠良 和隆 執行役員 開発本部 本部長
株式会社フロム・ソフトウェアに入社後、家庭用ゲームソフト開発に従事。執行役員兼技術部部長として、PCやPS3、Xbox360などをカバーするクロスプラットフォームフレームワーク開発や開発環境の整備を推し進め、後の世界的ヒットタイトルを生み出す土壌を築く。2013年より株式会社ディー・エヌ・エーへ入社し、モバイルゲームの基盤技術を構築。2018年よりオートモーティブ事業本部に異動し、翌年、タクシーアプリの開発責任者に。2020年4月よりGO株式会社に開発本部 本部長として転籍。2021年6月より取締役として経営に参画。2026年2月より現任。
目次
- 新卒入社からまもなく2年。この2年間はどうだった?
- 3年目を目前に控えた心境の変化と新たなチャレンジ
- 期待に応えるために必要なのは「考えること」
- エンジニアリングは、あくまでも手段のひとつ
新卒入社からまもなく2年。この2年間はどうだった?
── 前回のインタビューからもうすぐ2年経ちます。当時から変化はありましたか?
茂木:ミッションは大きく変わっていません。引き続き、タクシーアプリ『GO』のバックエンドを開発しています。僕が所属するバックエンドチームでは、誰もがプロジェクトのリードを任されるチャンスがあるので、主体的にチャレンジしているつもりです。
これまでは主にタクシー乗務員さまとコミュニケーションをとったり、連携を取ったりする際の基盤になるようなサーバーを手がけてきたのですが、最近はユーザーアプリの案件を設計する機会も増えてきたので、双方の領域を横断しながら他の機能への影響なども考えるようになってきました。
── それによって目線や考え方に変化はありましたか?
茂木:入社した頃は、目先のことだけでいっぱいいっぱいでした。ユーザー体験まで考慮するのに時間もかかっていました。
でも最近はより大きな案件を担当するようになり、開発する機能単体だけでなく、既存の機能やユーザーの利用状況など考慮すべき観点が増えました。結果として、全体を踏まえた設計ができるようになってきた感覚があります。
具体的には新しい機能を追加する際にも、すべてのユーザーに一律で適用するのではなく、アプリのバージョンや利用状況に応じて最適な挙動を設計する必要があります。そうした複雑さを整理しながら設計していくことに、やりがいを感じています。
── 惠良さんから見た茂木さんの2年間はいかがでしたか?
惠良:新卒エンジニアとしては、順調に成長しています。もちろん失敗することもありますが、それも含めて。
特に、今メインで担当している『GO』アプリのバックエンド開発はチームのやり方も含めて茂木さんにフィットしているのではないでしょうか。
GOのシステムは複雑で、シニアエンジニアでもすべては把握できていないので、基本的には周囲とコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めていきます。かなりいろいろ任されるけど「ここを変更しようと思っています」と提案して、もし考えが甘かったら、「それ、ちょっと待って」とツッコミがちゃんと入る。足りない部分をすぐにインプットできるので、吸収できる素養があれば一気に成長できる。
まさに吸収して成長できているのが、“今”なのではないでしょうか。
茂木:確かにシニアエンジニアからフィードバックをもらいながら設計の精度を高められている感覚はあります。何よりすごく話しかけやすいのがありがたいです。
今の組織にはバックエンドエンジニアが20名ぐらいいて、小チームに分かれて動いています。もちろんチーム内で相談することもありますが、全体への相談もカジュアルにできるし、先輩たちも丁寧に対応してくれる。相談、学習、相談……と、繰り返す過程で成長できている実感はあります。
── 刺激を受けるのはどんな先輩ですか?
茂木:去年、お子さまなどご家族のタクシー利用を見守れる「あんしん見守り」という機能をリリースしたのですが、開発だけではなくユーザーアプリのエンジニアとしての振る舞いも含めてリードしている先輩には驚かされました。
ユーザーアプリのエンジニアでありながら、領域にとどまらず全体を見ながらバックエンドも実装して、しかも、機能の方向性についても複数の選択肢を持ったうえで判断している点に驚かされました。「選択肢を増やしたうえで決める」動き方ができる人には憧れがあるんですよね。自分はユーザーアプリについて詳しいわけではないけれど、「自分はユーザーアプリ担当ではないから」ではなく、自分なりに理解を深めておくことの重要性を感じました。
3年目を目前に控えた心境の変化と新たなチャレンジ
── まもなく3年目ですが、心境の変化はありますか?
茂木:危機感は大きくなっています。新卒として入社しましたが、そう見られない振る舞いをしなければならないし、より成果を求められるようになってくると思います。
これまでは「こういう成長ができました」で評価してもらえた部分はありますが、これからは、価値を生み出すことと、精度の高いアウトプットを出し続けることが、よりシビアに求められると思っています。
ただ、幸いなことに日々の業務での学びも非常に多いです。先ほどお話した「あんしん見守り」では、そもそも新機能で、ユーザーアプリへの影響範囲も大きかったので、タクシー事業者さまとの連携の取り方で判断の選択肢が広がりましたし、他の案件ではパフォーマンスを意識して改善していくことを学べました。
サービスが複雑で、ユーザーアプリとのコミュニケーションに加えて、乗務員の方たちとのコミュニケーション、決済周りの基盤、ユーザー数が多いので常にトラフィックがある……などなど意識すべき論点は多いです。だからこそ、毎回の案件が学びになる感覚があり、バックエンドとしての視野が広がっている実感があります。
── 後輩の存在はいかがでしょうか?
茂木:もちろん刺激になっていますよ。かわいい後輩ですが、エンジニアとしては優秀だし、英語もペラペラなので(笑)「自分も謙虚に頑張っていかなきゃな」と。
── 茂木さんは技術広報にもチャレンジしています。どういう狙いがあるのでしょうか?
茂木:大きく分けて2つあります。1つは、新卒のエンジニアを増やしたいから。僕が入社当初GOを選んだ理由のひとつは「新卒が少ないから早期の活躍が期待される」でしたが、今は後輩もほしいし、刺激も受けたいですからね。
もう1つは社外のエンジニアとの交流を深めて、自分自身の視野を広げると同時に、GOの開発やエンジニア組織の魅力を発信していきたいと考えたからです。「○○社のエンジニアはどういう動機でその会社を選んで、何にやり甲斐を見出しているのか」を知ることで、その学びを自分のキャリアや今後のGOの技術広報としての発信にも活かしていきたいと思っています。
── 自社を客観視したり、社外の方たちとコミュニケーションを取ったりする機会を通じて変化はありましたか?
茂木:めちゃくちゃあります。
GOはSRE基盤が強く、SREメンバーもたくさん情報を発信していて、話題になることも非常に多い。エンジニアとして働いているだけだとなかなか感じられなかったかもしれませんが、技術広報として世の中の反応に触れることで「本当に技術的に強い会社なんだ」と実感する機会は大いに増えました。
期待に応えるために必要なのは「考えること」
── 惠良さんが考える、茂木さんの成長の要因は?
惠良:まず、今の環境で物おじせずに周囲とコミュニケーションを取れていることですね。ストレスが少ない状態でパフォーマンスを発揮できていることは大きいのではないでしょうか。
実は、以前別の事業にトライしてもらったことがあったのですが、チーム構成なども含めてだいぶ違ったことで、少し苦戦する場面もありました。
異なる環境を経験したことで、自分に合った働き方や強みの活かし方が見えてきたのではないかと思います。
そういう意味では今は、力を発揮しやすい環境にうまくハマっている状態だと思います。
茂木:は、はい(笑)。
── 3年目を迎える茂木さんへの期待は?
惠良:もう「新卒だから」「新人だから」と言われることはなくなって「コアメンバーとして責務を果たしてね」と言われるようになることを本人も自覚しているので心配はしていないのですが、同時に自分のなかで自信を積み重ねていってほしいですね。
難しい案件、たとえば日本初の取り組みでも成果を出して、経験値と一緒に自信も積み重ねていければ、少し余裕が出てきて、より視野が広がっていくはず。
茂木さんには、将来、組織やプロダクト開発をリードするようなメンバーに成長できる期待感を抱いています。もちろん、茂木さん以降に入社したメンバーにも同様の期待をしているので「油断すると追い越されちゃうぞ」という話もしているのですが、経験値と自信は現場でなければ培われないので、1年でも早く入社したことは明確なアドバンテージです。それなりに危機感を持ちながらも決して悲観的にはならず、着実に成長していってほしいですね。
そのためには、エンジニアリングの範囲外の業務にも一歩踏み出してほしい。プロジェクトの背景にあるコンテキストを理解したうえで「こうしたほうがいいんじゃないですか?」とビジネスサイドやPdMと壁打ちできるような存在になってほしいからです。
あるべき姿を見極めて、誤った方向に仕様が向いているなら軌道修正をして……ということができて初めてプロジェクトをリードできているといえるわけですから。難易度が高いので、誰でもできるわけではないのですが、茂木さんには期待したいですね。
茂木:そうですね……まだまだ技術的に未熟な点も多いので難しい部分はありますが、最近はAIがコードを書くと開発期間を大幅に短縮できるので、それ以外のことを考えたり、検証したりという工程にリソースを割いていきたいですね。新しい目線でエンジニアリングに向き合っていきたいと考えています。
惠良:大切なのは「考えること」なんですよね。「考えること」はキャリアに関係なく、誰でもできること。普段から考えていないと、本当に困ったときに動けないし、正しいアウトプットも出せません。
「今はこういう仕事だけど、もっと広い目でみたら何かできることはないのか」と考え抜くことが当たり前にできるようになることが重要です。
そのためには、プロダクト開発のなかで考えまくってもらって、どんどん染み出していって、言われている範囲以上のことをできるようになっていけば、エンジニア以外のメンバーとも対等にコミュニケーションできるようになっていくはず。そうなると、社会人としても段違いのスピードで成長していけます。
実際、GOで若くして役員に就いているようなメンバーは、新卒時代に考え抜いていた経験をしているはずです。茂木さんも、とにかくいろいろなことにチャレンジして、触れて、感じたことをどんどん考えていくというプロセスを繰り返してほしいですね。
特に最近はAIがありますからね。Geminiと壁打ちすれば考えも洗練されていきますから、思考の質とスピードを高めていくためにもどんどん活用してください。
エンジニアリングは、あくまでも手段のひとつ
── 惠良さんからのメッセージを受けて、いかがですか?
茂木:この2年で強く思うようになったのは、技術を磨くだけで完結する仕事じゃないということです。プロダクトが事業や現場にどう活かされるのかまで目線を広げて、会社の成長につながるアウトプットを出せるように、日々の業務に向き合っていきたいです。
最近では、『GO』アプリに関わることが多いのですが、プロダクトや機能が事業にどのような価値や成果をもたらしているのかはまだ十分に捉えられていない部分もあります。そのため、現場で本当に役立っているのか、そしてより事業の成長に貢献できるよう、売上などのビジネス指標やその背景についても理解を深めていきたいです。
もちろん今のタクシーという移動手段を、現場の事業者さまや乗務員さまと一緒にアップデートしていくこと自体が、すでに社会インフラを支える仕事だと思っています。
そのうえで、自分は自動運転のように“次の当たり前”になっていく未来にも夢を抱いて入社したので、「その未来につなげるために、いま何を積み上げるべきか」をもっと意識しながら取り組んでいきたいですね。そうした方が、社会に貢献している実感もより強く湧いてくる気がしています。
── 頼もしいコメントありがとうございます。最後に惠良さんから「これからどんな若手エンジニアを迎えていきたいと考えているのか」を教えてください。
惠良:もちろんプロダクト開発において技術は大切ですが、あくまでも手段のひとつ。技術だけに固執するあまり「事業における成果や事業を通して、社会貢献していくこと」にコミットできないと、入社してから方向性の違いを感じることになってしまうでしょう。
もちろん技術を磨かなければいいプロダクトはできないのですが、「APIのレスポンスが速くなった」「待ち時間が減った」などの体験は表層的なもので、『GO』アプリでいえば、事業者さまや乗務員さまと一緒に現場の課題を解きながら、業界をもっと前向きに盛り上げていくことまで含めて取り組みたいわけです。
その意味で、「この機能を入れたら一気に良くなる」といった魔法の一手は、ほとんどありません。『GO』は、アプリの中だけで完結するサービスではなく、事業者さま・乗務員さまの運用や現場の体験とセットで価値が決まるものです。
だからこそ、現場の声を起点に「これなら使い続けられる」「この運用なら回る」という改善を、地道に積み上げていく。その積み上げが信頼になって、結果として業界が前に進むんですよね。もちろん、それはエンドユーザーにとってもUX向上につながります。
GOが世の中に提供しているのは、デジタルサービスだけではないんです。
サービスが浸透すればするほど、『GO』アプリはなくてはならない存在になっていく。もしかしたら「このプロジェクトは何の意味があるんだろう?」と感じるものがあるかもしれませんが、背景には意図があります。そのあたりをきちんと理解できることが重要です。
例えば、これまでなかったものを社会にインストールさせていくことには時間もかかります。目に見える成果に飛びつくのではなく、ある程度時間がかかることや回り道になりそうなことにも向き合い、できることをやっていくことが大切ではないでしょうか。「ユーザーにインパクトを与えたい」という声はよく聞きますが、正直、それはそんなに簡単じゃない。
でも、簡単じゃないからこそ面白いし、挑戦する価値がある。目に見えにくい地ならしを積み上げた先で、ようやく社会の当たり前が動く。そういう仕事を、一緒にやりたいですね。
茂木:たしかに、近道より“積み上げ”の方が効くんだな、という実感があります。「もっと頑張らなきゃな」という気持ちになりました(笑)。ありがとうございました!
※掲載内容は2026年2月時点の情報です。