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タクシーの後部座席で見かける機会の多いタブレット端末や、乗務員の方たちが操作するタブレット端末。
タクシーアプリ『GO』の安定稼働を下支えする車載システムを開発しているのが、IoT本部です。今回は取締役 IoT本部 本部長の青木と、IoT開発部 部長の狩谷が、総力を上げて取り組む車載システム開発の最前線から、メンバーから「GOしかない」といわれる部門のユニークな特徴まで語ります。移動の未来を描くプロダクト開発に興味のあるエンジニアは、必見です。
取締役 IoT本部 本部長
青木 亮祐
2009年、TDK株式会社の開発部門に入社。電気自動車やハイブリッド車向けセンサなどの開発や海外工場の立ち上げなどを経験。2015年に日本交通株式会社に入社、2017年よりJapanTaxi株式会社に転籍。ドライブレコーダーや配車システムなど様々な車載システム開発を経て、2019年10月よりIoT開発部 管掌執行役員 兼 部長に就任。2020年4月よりGOの開発本部ハードウェア開発部 部長。2021年6月より現任。
IoT本部 IoT開発部 部長
狩谷 洋平
大学卒業後、SIerに入社しバックエンドシステム開発に携わる。その後、美容系Webサービス運営会社やIoTスタートアップ企業で開発、組織のマネジメントなど幅広く経験したのち、2018年に株式会社ディー・エヌ・エー入社。タクベルリリース前から開発に携わる。2020年4月より、GOに転籍。乗務員アプリの開発を担当し、現在は車載端末にインストールされるAndoroidアプリの開発・運用を行う。
目次
- IoT本部念願の統合システムのリリース
- ハードウェアエンジニアとソフトウェアエンジニアが共存する意義
- 統合システムで解決していきたいさまざまな課題
- こんなことを認めてくれるのは、GOのIoT本部だけ?
- 採用情報
IoT本部念願の統合システムのリリース
──── IoT本部の役割と青木さんのミッションを教えてください。
青木:IoT本部の役割は、車載システムの開発です。IoT本部の中にはハードウェアの開発とソフトウェアの開発をするIoT開発部と、フィールドエンジニアたちが導入のディレクションや保守運用などを担当するプロダクト推進部、車載システム全般の品質向上を担うクオリティエンジニアリング(以下、QE)グループがあります。
私のミッションは、IoT本部として信頼されるプロダクトを目指し、安定的な品質をすべてのユーザーに届けることです。「そのために何ができるか」を日々模索しています。
──── IoT本部におけるIoT開発部の役割も教えてください。
狩谷:ハードウェア、ソフトウェアの両面から車載システムの開発をしています。車載プロダクトのユーザーは主に2つに分類できて、ひとつは前の席に置いて乗務員さんが利用するタブレット、もうひとつは後部座席で乗客の方が利用するプロダクトです。いずれにしても、誰もが安心して使える満足度の高いプロダクトを目指している真っ最中です。
実は、車載プロダクトは会社が統合する以前の構成を引きずっているという課題があり、新たな統合版へのリプレイスを2024年からスタートしています。
──── 2つの構成とリプレイスについて具体的に教えてください。
狩谷:『JapanTaxi』アプリ発の「JTX構成」と『MOV』アプリ発の「MOV構成」の2つがあります。タクシーのメーターごとに違いがあるため、さらにいくつかに分岐します。「JTX構成の●●メーター」、「JTX構成の▲▲メーター」「MOV構成の●●メーター」、「MOV構成の▲▲メーター」……と分かれているのですが、統合した方が品質は上げやすいし、フィールドエンジニアも導入しやすくなるので、今まさに進めている段階です。非常に地道なプロセスです。
──── IoT本部としても統合システムのリリースは大きな意味があるのでしょうか?
青木:統合システムの導入がスタートできたことは大きなトピックですね。準備期間は非常に長かったのですが、IoT本部としては「ようやく」です。
──── 今の手応えとして、何合目あたりまで来ている印象でしょうか?
狩谷:ゴールはまだまだ先です。統合がうまくいったあとに品質を上げていくところまでつくり込みたいので。理想としては、乗務員の方が毎日仕事をしていて「このプロダクトで仕事するのって楽しいな」と思えるような状態を目指したい。
そのためには、プロダクトだけではなくGO社内の組織も統合後を見据えて変化していかなくてはいけません。これまでは構成ごとにチームが分かれていて、すべてのメーターを知らないといけなかったので負担は大きかったのですが、今は統合版においてメーターの細かい仕様に詳しいチームと、アプリケーションとして実現したい機能を専任で進めるチームに分けて、頭の使い方でグループの体制を進めています。
具体的な話をすると、メーターの仕様などは大きく変わるものではないのでリリースのサイクルを長めにとらなければいけない一方で、画面の触り心地などはどんどん改善してリリースしていきたい。リリースのライフサイクルに合わせたグループの構成にしていきます。
ハードウェアエンジニアとソフトウェアエンジニアが共存する意義
──── 統合システムを開発するうえでこだわったポイントがあったら教えてください。
狩谷:大きく改善したかったのは、リリースのサイクルが違う要素が混ざっていることと、ひとりのエンジニアがすべてを把握することには限界が来ていたことです。
そのために、組織の形も変えながらプロダクトづくりをしたことがポイントです。ハードウェアがあって、その足周りのソフトウェアがあって、機能としてのソフトウェアがあるというそもそもの構成を大事に考えて、組織を分けました。
複数のサービスが連携してひとつの価値を提供するマイクロサービスのイメージを車載システムにも取り込んで、「足周りを開発する人は、メーターの仕様には詳しいけれど事業計画上の開発プロジェクトには深く関わらなくて大丈夫。逆に事業計画上の開発に関わる人は、メーターの仕様はそこまで把握していなくても大丈夫」という世界観を目指しました。
──── 統合システムの導入までこぎつけられた要因としてはどのあたりだと考えていますか?
青木:ソフトウェアとハードウェアのエンジニアがそれぞれ連携できることは大きいですね。統合システムといえども非常に複雑なので、課題に直面した瞬間にハード起因なのか、ソフト起因なのか、はたまた運用起因なのかを見極めることが非常に難しい。もしハードウェアのエンジニアしかいなかったら解決できない課題でも「ソフトウェア起因だから」「こういう運用だから」とチーム一丸となって課題解決に向き合えることは大きな強みです。
──── 狩谷さんが考えるハードウェアとソフトウェアのエンジニアがいることの強みも教えてください。
狩谷:印象的なのはトラブルシューティングのときですね。
何かトラブルが起きたときや、サービス開始のタイミングにはフィールドエンジニアが現地まで飛んで行って、「こういうことが起きている」と連絡を受けて、ハードウェアとソフトウェアのエンジニアがそれぞれログを見て、問題を切り分けて対処しています。
また、先日リリースされた新しい後部座席タブレットは、開発段階からハードウェアとソフトウェアエンジニアが密にコミュニケーションを取りながら進められた事例のひとつです。ハードウェアの開発はライフサイクルが長いため、早くから動いていて、仕様が固まる前段階からソフトウェアエンジニアから「OSにこういう機能を実装してほしい」というオーダーをしていました。そのおかげでかなりスムーズに運用できている印象があります。
もちろん、そこに至るまでにはたくさんの失敗もあったわけです。失敗も成功体験も積み重ねていけることが同じ組織にいるメリットですね。
統合システムで解決していきたいさまざまな課題
──── 今後の統合システムで解決していきたい課題についても教えてください。
青木:やはり、品質を一層強化していくことですね。システム統合関係なく、新しい使われ方をするようになれば新しい課題も見えてくるので。
エリアによって運用の仕方に違いがありますし、その運用に合わせた課題解決を行うこともシステム安定稼働のためには必要です。
──── 地域特性としてはどのような違いがあるのでしょうか?
青木:たとえば、後部座席タブレットで利用される決済手段も関東と関西で異なります。乗務員タブレットもエリアや運行スタイルによって使われ方が大きく異なるので、地域特性があります。
また、環境も全然違いますからね。車載器ならではの耐熱性やGPS取得環境、設置におけるノイズ環境等の考慮が必要です。さまざまな環境下で耐えられるハードをつくって、システムとしても全ての環境で安定させていかなければいけません。
狩谷:通信環境にも差がありますからね。たとえば通信環境が悪くても他のアプリケーションであれば「ネットワークが悪いので、後でリトライしてください」で済むところが、GOの端末の場合はタクシーの営業業務に直結してしまう。「アプリで支払いたい」というニーズに対して「電波が悪いので降りられません」では困るわけです。「アプリでうまくいかなかったときにいかに運用でカバーするのか」まで考えなくてはいけません。
──── ちなみに、通信環境が悪くて決済ができないときはどうするのでしょうか?
狩谷:あとからでも正しい金額で請求できるようにバックエンドと連携して、データを残しています。
──── 「ないなら、つくる」ができるのが大きな強みですね。
狩谷:先ほど QAグループの話題が出ましたが、最近はテストの自動化を推進しています。
さまざまな機器構成をQAのメンバーがすべて手作業でテストしていると、機能が増えれば増えるほど人手が必要になってしまいますからね。
一般的に、アプリ全体のテスト自動化は推奨されておらず、ユニットテストといわれるもう少し小さいサイズのテストを自動化するのがベストプラクティスとされています。
ただ、私たちは一般論にとらわれずにアプリ全体のテストにおいても自動化のチャレンジをしています。特定の画面操作をした際に「字が間違っている」「ボタンが出ていない」といったレベルのテストに関しては、人間がテストしなくてもいい状態にすることで、難易度の高い部分にフォーカスできるようになる。選択と集中を通じて、重要な操作に時間を割けられるようになったことは以前と比較して大きな変化です。
こんなことを認めてくれるのは、GOのIoT本部だけ?
──── あらためてIoT本部の雰囲気を教えてください。
青木:ミッションに共感しているメンバーが多く在籍しています。IoT本部に限らず、GO全体として「移動で人を幸せに。」というミッションに共感していて、「世の中の移動をよくしたい」「社会課題を解決したい」というマインドのメンバーが多い。
ミッションを実現するために、先ほどのQAの自動化のように他部門と連携することにも積極的。移動をよくするためのムーブに喜びを感じている人が多いです。
──── 青木さんはハードウェアエンジニア出身で、狩谷さんはソフトウェアエンジニア出身ですよね。同様のバックグラウンドの方が多く在籍している印象ですが、GOの車載機開発というここにしかないキャリアを選ぶ理由はどのあたりだと考えていますか?
青木:メーカーでの開発はものすごく時間がかかるので、短いサイクルかつスピード感のある開発ができる点でしょうか。「誰よりも早く移動の課題を解決したい」というモチベーションで開発に向き合っているメンバーが多い印象です。
狩谷:別の観点だと、ひとつの道を極めたいというよりも、いろいろなことに好奇心が向く人が成果を上げている印象です。隣で電子工作をしていたら「何をやってるんだ?」と気になっちゃったり、「これを勉強したい」と思っていたはずなのに、別のキーワードが気になって脱線していったりするタイプの方がフィットする気がします。
──── そういう人たちにとってGOのIoT本部の魅力とは?
青木:ユニークなところだと、入社後にハードウェアのグループからソフトウェアのグループに異動したり、フィールドエンジニアからエンジニアに異動したり、といったキャリアチェンジがあります。ソフトウェアのなかだけでも「後部座席タブレットのプロダクト開発から乗務員タブレットのプロダクト開発へ」というパターンもあるし、当然その逆もあります。
このような領域をまたいだキャリアチェンジは、メーカーではなかなか叶わないのではないでしょうか。キャリアチェンジした本人からも「こんなことを認めてくれるのは、たぶんGOしかないんでしょうね」と言われましたし(笑)
──── IoT開発部の魅力も教えてください。
狩谷:現場ならではの地道さ、言葉を選ばずにいうと泥臭さが感じられる仕事です。
細かいところだと、端末を設置する角度によってはうまく位置情報が取得できないこともあって、PCのなかだけでは起きないような問題と向き合うことも多く、大変ですが楽しいところです。
また、一般的なモバイルアプリと違って、さまざまな端末と連携しているからこそ、うまくプログラミングでさばいていくことにはやり甲斐があります。少しクセのある課題に取り組みたい人にとっては、すごく楽しめるテーマなのではないでしょうか。
青木:ゼロからものづくりができて、運用はもちろん、現場で動いている様子を目の当たりにできますからね。「この機能だけ」「このデバイスだけ」ではない楽しさがあります。
何より私たちにとって一番重要なのは、現場を知ること。私自身今でもフィールドエンジニアリング的にかなり現場へ足を運ぶようにしています。もちろんメンバーにも現場へいく機会は用意しています。
もちろん、街中でタクシーを利用すればプロダクトに触れる機会はあって、達成感や責任感も得られますし。開発から現場まで一気通貫で関われることは大きな魅力です。
──── どういう人をお迎えしたいですか?
狩谷:結局個人でできることはほとんどないに等しいですからね。もちろん一定の技術力は必要ですが、同じぐらいチームで成果を出すことにコミットできること、他のメンバーをリスペクトできることが重要になります。
青木:もうひとつは繰り返しになりますが、ミッションに共感できることですね。「移動で人を幸せに。」に共感してくれる方と一緒に未来を描いていきたいです。
──── 今後はどういう組織にしていきたいですか?
狩谷:「品質を上げる」という大きな目標を叶えられる強い組織にしていきたいです。さらに、実現できた先の未来のこととして「車内をエンタメ空間にしたい」と妄想することがあります。「おもしろいことをやってみたよ」と自分たちで手を動かして、実験したり、遊びで何かつくるみたいなことが好きな人が増えたら楽しそうですね。
青木:それ以外だと、チャレンジのチャンスはもっと増やしたいですね。先ほど話したようなキャリアチェンジが可能な部門なので、どんどん実現していきたいと思います。
※掲載内容は2025年10月時点の情報です。