能登半島地震・奥能登豪雨 復興にむけて、いまできることを考える|能登半島ボランティア活動・ノベルティ購入レポート vol.1 | 株式会社ワンパク
2024年1月1日に発生した能登半島地震、さらに9月に発生した奥能登豪雨により被災された皆さまへ、心よりお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。2024年...
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デザイナーの川上です。
3月20日〜22日までワンパク代表の阿部とクライアントであるタカマツハウスの宇杉さま、そして阿部の知人の方々を含む6名で能登半島へ行ってきました。今回、2日間を現地の農家や生産者・企業を訪問し、残りの1日はNGO結の指示のもとでボランティア活動をおこないました。
クライアントであるタカマツハウス宇杉さまが参加した経緯ですが、ワンパクでは例年、年始にオリジナルノベルティーを作成し、お客さまやパートナーへご挨拶と共にお届けしています。今年はオリジナルをやめて能登半島の地産品をお届けすることにしました。
ワンパクのクライアントでノベルティー制作をお手伝いしているタカマツハウスさまへごあいさつに伺った際に、能登半島の状況と共に地産品をお渡ししたところ、タカマツハウスさまとしても能登の復興に少しでも役立てるのであれば、能登の地産品をノベルティとして検討したいというお話をいただき、一緒に現地を訪問することになりました。
本記事では、その訪問の様子をお伝えしたいと思います。
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地震から一年以上が経過した現在も、依然として地割れや崖崩れ、倒れたままの電柱など、1月の地震と9月に発生した豪雨による二重災害の影響が色濃く残っています。それでも、少しずつではありますが復旧・復興が進んでいる様子も見受けられました。山道など一部通行に注意が必要な場所はありますが、通れる箇所も増えていました。また、全半壊した建物解体が進み、更地にされた場所が6割〜4割になったとのことで、少しずつですが前進している様子が垣間見えました。
ボランティア活動をおこなう前に、NGO結のトムさんから能登の現状についてお話しを伺いました。そのお話しの中で、なんでもやってあげるばかりではなく、自立を促す支援に切り替えていかなくてはならないということを聞きました。それを聞き、たしかにその通りだと思いました。善意で手を差し伸べることは大切ですが、それだけでは被災された方々が前に進む力を奪ってしまうこともあるのかもしれません。被災された方々が自立できる力を身につけ、これから前向きに生きていくために、私たちにできることは何なのか考えさせられました。
今回のボランティア活動では、輪島市の二箇所でお手伝いをしました。一箇所目は、朝ドラ「まれ」のロケ地としても知られる輪島の大沢漁港に近いお宅を訪れ、家財を取り出し納屋に入れる作業をしました。電気も水もまだ通っておらず、住民の方は仮説住宅にて生活中とのことでした。
二箇所目は、鹿磯海岸のすぐそばにある民家で、石膏ボードを剥がす作業を行いました。地震の影響で瓦が割れ、屋根には穴が開いてしまい、雨が家の中にまで入り込んでいる状況でした。そのため、床は傷み、壁にはカビが広がっており、大変な環境での作業となりました。
かつて、ご家族で生活されていた場所が、自然の力によって一瞬で崩れてしまった現実を前に、自然の脅威を痛感しました。こうした厳しい状況を乗り越えていくためには、人と人が支え合い、助け合って生きていかなければならないと強く感じました。一人では心が折れてしまうような困難でも、今回ボランティアをおこなったように誰かと手を取り合うことで、少しずつ前に進んでいけるのではないでしょうか。
ワンパクでは、復興のために少しでも力になれることがないかと考え、プロボノとして能登の支援に取り組んでいきたいと考えています。今回その一環として、タカマツハウスさまのノベルティ視察も兼ねて、能登にある農家や生産者、そして地元企業を訪ね、現地の声に耳を傾けてきました。
「枯露柿(ころ柿)」をつくられている細川宗宏農園では、引き継がれた息子さんとお父さまが丁寧に対応してくださいました。枯露柿への熱い思いを大切にしながら、長年にわたり真摯に取り組まれてきた姿勢が、その柿の美味しさにしっかりと表れていました。品質にこだわり、仕事に一生懸命に取り組むお姿を伺い、私自身も見習いたいと感じました。
代々受け継がれてきた醤油造りの味を守り、来年創業100周年を迎えるカネヨ醤油さん。現在は、娘さんとお父さまの二人三脚で取り組まれています。醤油の蔵も実際に見せていただき、醤油ができるまでの工程を一つ一つ丁寧に説明していただき、とても勉強になりました。
地震で容器詰め機械や蔵の一部などが損壊してしまった中でも、地元の人たちに愛され続けてきた「能登の甘口醤油」を守るため、前向きに歩みを進めている姿がありました。
能登の「食」に寄り添ったワインを醸すことをテーマとている奥能登にあるハイディワイナリー。能登の魅力を少しでも多くの人に届け、地域の復興のために貢献したいという強い想いを持ちワイン造りに邁進されています。
日本海のそばで育ったシャルドネは、その高い品質が評価され、日本ワインコンクールでも金賞を受賞するほど優れたワインです。地震の影響により、現在は倉庫の一部を販売場所として営業されています。オンラインでも販売されていますが、現地でしか買えない貴重なワインも置いてあるため、実際に足を運んでみる価値は十分にあります!
大脇昆布さんは、今年のワンパクのノベルティとして購入させていただいた、能登町で昆布を製造・販売している生産者さんです。大脇昆布の社長さんは、現在、石川県でたった一人しかいないおぼろ昆布の職人さんで、とても貴重な存在です。
今回、そんな貴重な存在である社長さん自ら、実際に昆布を削る様子を見せてくださいました。出来立てのおぼろ昆布を試食させてもらったところ、ふわっふわな食感で、自然な甘味のある昆布に感動しました。まさに、職人の技が生み出す、特別な一品でした。
カネイシさんも、今年のワンパクのノベルティの一つにさせていただいた生産者さんです。看板商品である「いしり」や「干しホタルイカ」を製造・販売しています。現在、多くのメディアに紹介され、いしりは品切れ状態となっているようです。
私自身いしりを愛用しているのですが、いしりのパスタはシンプルな材料でも、深みのある味わいに仕上がるので驚きです。気づけば、もう何度もつくってしまうくらい美味しいです。
今回は、残念ながらいしりが品切れということで、代表の新谷さまからおすすめしてもらったいかの塩辛は、素材の良さを最大限に出すために、離水防止剤や合成保存料などは使用しておらず、これも人気商品の一つであることを知り、同行したメンバーも購入していました。
のとっこは、菌床しいたけを生産している農家さんです。地震によって莫大な被害を受けながらも、のとっこしいたけを待ってくれているお客様のためにという強い想いを持ち続け、現在では60%程度まで生産量が回復されています。
肉厚で、まるでステーキのようなしいたけは、とても味わい深く絶品です。これまで食べたしいたけの中でも、一番美味しいと言っても過言ではないくらい美味しかったです!
奥能登ブリッジでは、奥能登と首都圏をはじめとする日本各地をつなぐ架け橋となり、新しい働き方やビジネスをつくる機会を生み出しています。過疎化が進んでいる奥能登に、どうしたら人が戻ってくるのかということを日々考え、奥能登を盛り上げるためのコミュニティづくりに力を入れています。
奥能登と県内外の人々をつなぐスペースがあることで、ふらっと立ち寄ってみようという気持ちになれるなと感じました。奥能登ブリッジは、これからの奥能登を支えていく、とても大切な場所になっていくのではないかと思います。
能登に訪れる前までは、正直なところ、私にできることは何なのか少し距離を感じていた部分もありました。しかし、実際に現地に行き、被災された方々と直接お話しをさせていただく中で、それまで全く知らなかった方々がまるで身近な人のように感じ、自然とこの方たちのために何かできることはないのかと強く思うようになりました。
また、能登には受け継がれてきた伝統を大切に守り続けている生産者さんや職人の方々がたくさんいらっしゃり、そのみなさんが前向きに歩みを進めていることを知りました。
まずは、私にできることとして、農家や生産者・企業、地元の方々から伺った能登の現状について、みなさんや身近な人たちに伝えていこうと思います。それが、少しでも能登の復興支援につながることを願っています。
支え合いながら生きていくこと、そして思いやりのある行動が、少しずつでも前向きに歩んでいくための力になると信じています。