会社の生い立ちと、それぞれが歩んだ感情曲線。
僕は夢をよく見ます。かなりリアルで鮮明です。目覚めても忘れない物語。もっと続きが観たい、もっと展開を面白くしたいと二度寝することも多々あります。その夢の舞台は決まって、なぜか小学校の教室。40年以上前のクラスメイトの名前も感情も今だに色褪せず描写できる記憶。担任やクラスメイトと毎日のように話し、笑い、心と体をぶつけあった教室という空間に、なぜか心がワクワクしてしまうのは僕だけでしょうか。
今回、ここ「世田谷ものづくり学校」という池尻にある廃校を再生したクリエイティブスペースを使い、田村慶というアイコンを中心に、かつて同じ会社だった同級生が集まりました。そして、これから大切に育てる「100(ハンドレッド)」という組織が大切にする「バリュー」について、根っこからを考えてみようと。普段とは異なる空間で、土曜まる1日使っての贅沢なワークショップ「100のことをもっと知る会議 Vol.1」をおこないました。
さて。僕が最近よく感じるのは、「人の感情で、会社はできてる」というもの。
会社が何かを決める時、経済合理性とロジック偏重になりがちですが、あらためて大切にすべきは「人の感情」だと。いい意味でも、悪い意味でも、「感情」というモンスターが、行動の起点になっている。会社という人が集まる場で、無視できない要素だと感じるのです。この、目に見えない「感情」という生き物に向き合って、その揺れ動きに意識を向けること。それがチームの出発地点なんじゃないか、と考えるようになりました。
「あー、実はあの時、あの人も寂しかったんだな。。知らなかった。。」
「こういう状況になると、テンションがあがるんだな。」
こんな呟きとともに、当時の出来事と感情が入り乱れ、これまでなかなか話せなかった複雑な気持ちも、ちょっとづつ近くにいる人に見せてもいいかなという空気感。犬が心ゆるす人にお腹を見せるような安心感。そんなバイブスが教室に少しずつ蔓延してきました。
(肩を痛め、菓子パンを貪る元ヤン:写真左、飛行機に乗り遅れ、遅刻を詫びる生徒:写真中央)
共感する要素を、みんなの宝箱に置いてみる。
今回、ワークショップのプログラム立案とファシリテーターとして動いていただいた、LifeStock社の狩野さん。とても柔らかい、心地よい進行で、優しい時間が流れます。プロは違います。
一人ずつ、自らのイベントヒストリーと感情曲線を共有し、第三者目線でその人を形どる要素をフィードバックするというメソッド。「ジョハリの窓」(開放の窓、秘密の窓、盲点の窓、未知の窓)を開示するアプローチに近く、あらためて新しい自分を発見する体験でした。特に、他人から見えていて、自分が見えていない部分を知ると照れますね。
一人ひとりの形どる要素の中から、現在・未来の100を形づくる原子として、「何を持っていきたいか」という問いに対して、みんなで悩み、選ぶという共同作業。まさに、100という法人格の骨格を作っていくような楽しさと難しさがありました。
なぜ、100は存在するのか?Whyから始めてみます。
「なぜ、僕らたち100は社会に存在するのか?」
まさに、サイモン・シネックから問われた「Whyから始めよ!」です。顧客の立場から、僕ら会社を見つめ、どんなジョブを雇用しているのか?を考えます。
まだまだ霧がかかってて、視界がクリアになっていないというのが正直な感想ですが、短絡的に言葉を選ばない、すぐに答えを出さずに、思考をめぐらせ、意見をぶつけ合い、イメージを共有するプロセスはあらためて必要な作業だと感じました。
まだまだ、自分たちのバリューを言語化するには程遠いものの、大切な議論のスタートを切った感覚はみなもてたと思います。
聞こえのよいよくある美句麗句なメッセージを作ってショーケースに飾るよりも、本当に意味で、自分たちの気持ちや価値観が投影されているな、と思える、実感あるストーリー・メッセージをカタチにしたい。そう思っています。
そして、この「世田谷ものづくり学校」の教室での記憶が、クラスメイトとの楽しい記憶の夢として出てくることを信じて。続きはまた。